ハロウィーンと燃える夜 | 英会話らばっ(ワンポイント編)

ハロウィーンと燃える夜

やっとハロウィーンが終わった。

ハロウィーンが何かということは、もう検索でもすればわかるので、ここで記さないが、だいたいの説明は、ケルト人の収穫感謝祭にさかのぼるような説明がされている。

しかしここイギリスでハロウィーンというと大半の人はこれはアメリカのものだと思っている人が多い。
輸入行事みたいな扱いである。
だから、それほど大きく扱われているわけではなく、ここ10年ほどお菓子会社の陰謀か、コスチューム会社の陰謀かで急に取りざたされるようになった。
むしろ子供とカップルだけの行事といった日本のクリスマスより、さらに子供用の行事という感じだ。
輸入行事程度なので、本場(もうどこかさっぱりわからないがアメリカとしておく)のものとは、かなりちがう。
そうはいいながら、最近の盛り上がりは

"trick or treat" 「おやつほしい」

とやって来る子供の数が増えたことでわかる。
今日うちに来たのも、40人くらいはいたように思う。
お菓子も用意するし、来てもらうのはいいんだけど、なにしろ、いちいち玄関まで出て行くのが面倒ではある。
グループでやってくるので、もうレストランのウェイトレスのように、

"How many of you?"
「何名様?」

と尋ねては、人数分の"sweets"「お菓子」を用意する。
しかし、みんなのつけているマスクの気持ち悪いこと。
醜い恐ろしいのが目的だろうが、どうせならかわいい格好をしてもらいたいくらいだ。

イギリスには11月5日にガイ・フォークス・デイというものがあり、お正月のためにさっさとクリスマスを片付ける日本のように、ハロウィンは一瞬にして終わり、このガイ・フォークス・デイのための準備で忙しくなる。
イギリスではこちらの行事のほうがはるかに大きい。
1605年にガイ・フォークスが国王ジェームズ1世らを爆殺する陰謀に失敗して、極刑に罰せられた事件にちなんで、フォークス人形を作って、かがり火に投げ入れる。
ゆえんを調べると、かなり過激な事件の歴史的な背景をそのまま受けついたもので、実際にひどい拷問を受けて、曳きまわされたあげくの公開処刑であった。
それをそのまま行事にしているところが、少し空恐ろしい雰囲気をかもし出していて、イギリスらしい。
ガイ・フォークスはとても悪いやつの代名詞になっていて、わら人形のようなものを子供たちまで作るくらいだ。
その事件にちなんだ、童謡まであるくらいだ。

このかがり火のサイズがまた大きく、地域ごとに大きく催し物として行われる。
花火などもこの時期がピークで夜遅くまでそこらじゅうでパンパンとやっている。
ちょうど夏が終わり、枯れ木や枯葉を燃やす行事としてちょうどいいので、これは絶対に廃れないだろうとは思う。

わら人形もトレードマークになっていて、そんな行事の前にあるものだから、ハロウィーンもアメリカに比べて、ずいぶん恐ろしい格好が多い。
イギリスのハロウィーンは子供しかしない。
そして仮装は魔女やモンスター、妖怪や悪魔といったような、怖いイメージのものばかりである。
透明のチューブに赤インクを流し込んで、気圧で顔から血が流れているようなマスクを見たときは、さすがにリアル過ぎと、さすがの私も気分はよくなかった。
そこまでしなくても・・・・。

アメリカの場合は大人も一斉に仮装し始める。
幼稚園や小学校あたりは、そんな恐ろしい格好はせず、何の関係があるのか、かわいい昆虫みたいな格好も多く、もう仮装大会となっている。
学校の先生までも、天使やミツバチみたいな格好して黄色と黒のおしりをフリフリして、うろうろしていた。
パンプキンのくりぬきはどこもやっているが、アメリカではあの中身はけっこう食べている。
だから、ハロウィーン前後になると、どこへ行ってもパンプキン料理がでてくるので、かなりうんざりできる。

イギリスにも最近パンプキンが輸入されて、売り出されるようになったが、食べている人がいるとは思えない。
料理の下手なイギリス人というのもあるが、だいたい食用として売られている感じではない。
くりぬき専門のためだけにあるようだ。

そんなハロウィーンも終わり、かがり火の日を待つのみ。

「燃えろ、焼き尽くせ」と、わら人形を入れて燃え上がるかがり火を見ながら、私はひとり、日本のキャンプファイヤーを思い出すのが恒例の行事となっている。

ああ、フォークダンスを踊りたい。。。。(汗



Blog ranking青
 ↑Click or Treat!
 ありがとうございます。

---------------------------------------