雄で作る「Mr.ししゃも」
■色黒はうまみの証し
黒っぽい魚の身を手で裂くと香ばしいにおいが立ちのぼる。釧路市漁協が販売する燻製風味の「Mr.ししゃも」(3匹入り280円)。雄である。
「雄のシシャモの活用は釧路の長年の課題でした」。同漁協総合流通加工事業部の長沢洋介販売二課長(55)は話す。
道内の太平洋にのみ生息するシシャモ。産卵を迎えた魚群は10月上旬から11月下旬にかけて、胆振地方の鵡川や日高の沙流川、十勝の十勝川と東に移動しながら各河川をさかのぼる。
白糠町の庶路川や釧路市の新釧路川周辺の漁はシーズン終盤。成長した魚も多いが、産卵間近は雄だけが見た目悪く、黒ずむ。
シシャモは子っこ(卵)を持つ雌の方が値が高い。味は変わらないのに、黒いとさらに嫌われる。
釧路市内の市場価格で雄は雌の半値から3分の1ほどになるという。「むかわ町など他産地からの引き取り手も少なく必ず余る。困りものでした」
従来から昆布巻きなどがあるが、新たな加工品を試行する中、一昨年12月にアイデアが生まれた。この時期、漁協で製造する「鮭とば」の燻液につけ、乾燥してみた。雌は子っこが邪魔してべたっとするが、雄はほどよく水分が抜ける。一段と黒くなったが、うまみが増した。
液につける時間や乾燥の仕方、日数を工夫し、完成は昨年5月。パートの従業員らから商品名を公募、雄を前面に出そうと「Mr.」とつけた。
昨年7月の発売後、JR釧路駅や釧路空港などの土産物店での販売のほか、ビール会社に協力し札幌でのイベントで酒のつまみに提供。知名度は向上中だ。
さらなる販路拡大がカギで、今年1月に東京都内のデパートの物産展に出品。一週間で1千パックを販売し、居酒屋チェーン店との取引も始まった。
常温保存できるので鮭フレークとともに、道漁連を通じて東日本大震災の被災地に送られた。「本当のシシャモを知らない本州の方が受け入れてくれるかもしれません」。長沢さんは期待をかけた。
(古源盛一)
《釧路市漁業協同組合》 1949年設立。加工部門ではサンマやサケのほか、カレイなどの干物があり、2009年度の加工事業取扱高は約20億円。正・準組合員は53人で、シシャモ漁に携わるのは32人(休漁含む)。
組合の職員は93人。所在地は釧路市浜町3の12。
朝日新聞
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000261104130001
黒っぽい魚の身を手で裂くと香ばしいにおいが立ちのぼる。釧路市漁協が販売する燻製風味の「Mr.ししゃも」(3匹入り280円)。雄である。
「雄のシシャモの活用は釧路の長年の課題でした」。同漁協総合流通加工事業部の長沢洋介販売二課長(55)は話す。
道内の太平洋にのみ生息するシシャモ。産卵を迎えた魚群は10月上旬から11月下旬にかけて、胆振地方の鵡川や日高の沙流川、十勝の十勝川と東に移動しながら各河川をさかのぼる。
白糠町の庶路川や釧路市の新釧路川周辺の漁はシーズン終盤。成長した魚も多いが、産卵間近は雄だけが見た目悪く、黒ずむ。
シシャモは子っこ(卵)を持つ雌の方が値が高い。味は変わらないのに、黒いとさらに嫌われる。
釧路市内の市場価格で雄は雌の半値から3分の1ほどになるという。「むかわ町など他産地からの引き取り手も少なく必ず余る。困りものでした」
従来から昆布巻きなどがあるが、新たな加工品を試行する中、一昨年12月にアイデアが生まれた。この時期、漁協で製造する「鮭とば」の燻液につけ、乾燥してみた。雌は子っこが邪魔してべたっとするが、雄はほどよく水分が抜ける。一段と黒くなったが、うまみが増した。
液につける時間や乾燥の仕方、日数を工夫し、完成は昨年5月。パートの従業員らから商品名を公募、雄を前面に出そうと「Mr.」とつけた。
昨年7月の発売後、JR釧路駅や釧路空港などの土産物店での販売のほか、ビール会社に協力し札幌でのイベントで酒のつまみに提供。知名度は向上中だ。
さらなる販路拡大がカギで、今年1月に東京都内のデパートの物産展に出品。一週間で1千パックを販売し、居酒屋チェーン店との取引も始まった。
常温保存できるので鮭フレークとともに、道漁連を通じて東日本大震災の被災地に送られた。「本当のシシャモを知らない本州の方が受け入れてくれるかもしれません」。長沢さんは期待をかけた。
(古源盛一)
《釧路市漁業協同組合》 1949年設立。加工部門ではサンマやサケのほか、カレイなどの干物があり、2009年度の加工事業取扱高は約20億円。正・準組合員は53人で、シシャモ漁に携わるのは32人(休漁含む)。
組合の職員は93人。所在地は釧路市浜町3の12。
朝日新聞
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000261104130001
今季の営業始める/釧路の南大通ギャラリー
春4月を迎え釧路市南大通3の1、「南大通ギャラリー」の今季の営業がスタートした。展示会の最初は釧路出身でフランスのパリ在住15年、現実と空想の独自な作風で知られるナイーブ派画家、ビン・カシワさんの作品を展示。原画を基に制作した版画とポスターの同時展示も実現。「希望があれば、オリジナル作品も制作します」と地元ならではの企画も用意している。30日まで開催中。時間は午前11時から午後5時まで。日曜・月曜休館、入場無料。
釧路新聞
http://www.news-kushiro.jp/news/20110413/201104136.html
釧路新聞
http://www.news-kushiro.jp/news/20110413/201104136.html
東北出身学生を支援/釧路岩手の会
``釧路在住の東北出身学生に支援を、、│と釧路岩手の会(近藤康範会長)が東日本大震災で被災した大学生へ義援金を送るために大地みらい信金釧路支店に専用の口座を開設、ふるさと岩手県出身の学生はもちろん、釧路に県人会などの組織を持たない宮城県や福島県出身の学生まで支援の輪を広げて、向学心に燃えて釧路の地で勉学に励む若者の支援に向けて活動を立ち上げた。
釧路新聞
http://www.news-kushiro.jp/news/20110413/201104133.html
釧路新聞
http://www.news-kushiro.jp/news/20110413/201104133.html
釧路で野火多発
釧路管内の空き地や牧草地で野火が相次いで発生している。建物への延焼やけが人はないが、ごみ焼きの飛び火やたばこの投げ捨てなどが原因とみられる。3月23日には釧路市阿寒町東栄の山林で野火が発生。火は山林の雑木林約4㌶を焼いた。さらに4月に入り、5日には同市音別町緑町の牧草地で枯れ草から出火し、約6000平方㍍を焼失、12日には白糠町で1・2㌶を焼くなど、5000平方㍍を焼く大規模な野火が3件続いている。また、4日に同市大楽毛の資材置き場、5日に釧路町の公園、11日に白糠町の空き地で野火が発生している。
釧路新聞
http://www.news-kushiro.jp/news/20110413/201104131.html
釧路新聞
http://www.news-kushiro.jp/news/20110413/201104131.html
戸籍の予備情報 札幌に 白糠、弟子屈、釧路町 来春にも 震災受け
釧路管内白糠町、弟子屈町、釧路町の3町は来年春以降、コスト削減のため戸籍データの管理を順次共同運用するのを機に、災害など非常事態の際のバックアップ(予備の複製)データを札幌市内に置き、オンラインで管理する方向で、今月から釧路地方法務局と協議する。
戸籍の庁舎外への持ち出しは個人情報保護の観点から戸籍法で原則禁止されており、全国のほとんどの自治体は、バックアップも含めて戸籍(正本)を庁舎内で管理し、副本を年1回(コンピューター化されていない場合は月1回)、法務局に提出している。
北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/285568.html
戸籍の庁舎外への持ち出しは個人情報保護の観点から戸籍法で原則禁止されており、全国のほとんどの自治体は、バックアップも含めて戸籍(正本)を庁舎内で管理し、副本を年1回(コンピューター化されていない場合は月1回)、法務局に提出している。
北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/285568.html
投票率59.46㌫/道知事・道議選
統一地方選前半戦となった10日即日開票の道知事選・道議選では、現職の高橋はるみ知事が対立候補の木村俊昭氏の3倍となる184万票を獲得して圧勝したが、全道の投票率は60%を割る59・46%と過去2番目の低投票率となった。道議選で約3割の14選挙区が無投票になったことや東日本大震災の影響が微妙に影を落としたとみられる。
釧路新聞
http://www.news-kushiro.jp/news/20110412/201104123.html
釧路新聞
http://www.news-kushiro.jp/news/20110412/201104123.html
北海道知事選挙、現職の高橋氏が圧勝~紋別市では72%を集める
統一地方選挙の北海道知事選挙は10日投開票が行われ、無所属・現職の高橋はるみ氏(57、自民・公明推薦)が圧勝した。紋別市内でも有効票の72.7%を集め、他候補を圧倒した。ただ投票率は過去最低の52.19%で、前回の75.64%を大きく下回った。北海道議会議員選挙が無投票になったことと、東日本大震災による自粛ムードで現職有利との認識が広まっていたことなどが影響したと見られる。
紋別市の当日有権者数は男9520人、女11003人の計20523人。実際に投票したのは男5006人(52.58%)、女5705人(51.85%)の計10711人だった。このうち10604票が有効で、無効票は107票だった。
高橋氏の得票は7708票で、2番手となった木村俊昭氏(50、無所属・新、民主・社民・国民新推薦)が集めた2216票の3倍を超えた。宮内聡氏(48、無所属・新、共産推薦)と鰹谷忠氏(60、無所属・新)はそれぞれ394票と286票で、相手にならなかった。
特に紋別市では、北海道立紋別病院が広域紋別病院へ移行したばかりで、北海道による支援継続も重要との意識が市民に根強い。高橋氏は4候補のうち唯一、体調不良により選挙期間中の紋別入りが見送られたが、結果を見る限り問題とならなかったようだ。
北海道民友新聞
http://www.minyu.ne.jp/digitalnews/110412_4.htm
紋別市の当日有権者数は男9520人、女11003人の計20523人。実際に投票したのは男5006人(52.58%)、女5705人(51.85%)の計10711人だった。このうち10604票が有効で、無効票は107票だった。
高橋氏の得票は7708票で、2番手となった木村俊昭氏(50、無所属・新、民主・社民・国民新推薦)が集めた2216票の3倍を超えた。宮内聡氏(48、無所属・新、共産推薦)と鰹谷忠氏(60、無所属・新)はそれぞれ394票と286票で、相手にならなかった。
特に紋別市では、北海道立紋別病院が広域紋別病院へ移行したばかりで、北海道による支援継続も重要との意識が市民に根強い。高橋氏は4候補のうち唯一、体調不良により選挙期間中の紋別入りが見送られたが、結果を見る限り問題とならなかったようだ。
北海道民友新聞
http://www.minyu.ne.jp/digitalnews/110412_4.htm
民主への失望映した地方選
10日に投開票された統一地方選の前半戦では、民主党の不振が目立った。国会対策など政権運営全般に影響が及ぶのは避けられず、党勢回復の道筋も全く見えない。菅直人首相(民主党代表)は、この選挙結果を厳しく受け止める必要がある。
12都道県知事選のうち、民主党は自民党と実質的に対決した東京、北海道、三重の3知事選ですべて敗れた。新人同士の争いとなった三重は岡田克也幹事長の地元だが、自民党などの推薦候補に競り負けた。
41道府県議選でも民主党の獲得議席は346にとどまり、改選前より69議席下回った。自民党も改選前を100議席以上下回ったが、1119議席を獲得し、40の道府県議選で第1党の座を守った。
議員選挙では地域政党が存在感を示した。橋下徹大阪府知事が率いる「大阪維新の会」は、大阪府議選で単独過半数を獲得し、愛知でも大村秀章愛知県知事の「日本一愛知の会」と河村たかし名古屋市長の「減税日本」連合が自民、民主両党に続く第3勢力となった。既成政党への不満の受け皿になったといえる。
政権与党として初めての統一地方選に臨んだ民主党にとって、今回の結果は極めて深刻である。
鳩山、菅両政権の相次ぐ失政で、2009年の政権交代時の熱気は消えうせ、有権者の期待は失望に変わった。苦戦が予想されたため、民主党からの出馬を取りやめたり、公認を返上したりする動きが止まらず、道府県議選では目標の半数以下の候補しか擁立できなかった。
3月11日の東日本大震災以降、各種世論調査で菅内閣の支持率はやや持ち直した。しかし今回の結果を見る限り、民主党への支持には結びついていない。むしろ後手に回り続けた福島第1原子力発電所の事故処理や、首相の指導力不足などへの批判が、「民主党離れ」を加速したと見るべきだろう。
民主党内で首相や、選挙対策の責任者である岡田氏ら執行部への批判が強まるのは必至だ。党内で「菅降ろし」の動きが再燃したり、自民党などの野党が対決姿勢を強めたりすれば、大震災からの復旧・復興に向けた今後の作業にも悪影響が出ることが懸念される。
日本経済新聞
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE0E4E7E5EBEBE7E2E3E0E2E6E0E2E3E38297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D
12都道県知事選のうち、民主党は自民党と実質的に対決した東京、北海道、三重の3知事選ですべて敗れた。新人同士の争いとなった三重は岡田克也幹事長の地元だが、自民党などの推薦候補に競り負けた。
41道府県議選でも民主党の獲得議席は346にとどまり、改選前より69議席下回った。自民党も改選前を100議席以上下回ったが、1119議席を獲得し、40の道府県議選で第1党の座を守った。
議員選挙では地域政党が存在感を示した。橋下徹大阪府知事が率いる「大阪維新の会」は、大阪府議選で単独過半数を獲得し、愛知でも大村秀章愛知県知事の「日本一愛知の会」と河村たかし名古屋市長の「減税日本」連合が自民、民主両党に続く第3勢力となった。既成政党への不満の受け皿になったといえる。
政権与党として初めての統一地方選に臨んだ民主党にとって、今回の結果は極めて深刻である。
鳩山、菅両政権の相次ぐ失政で、2009年の政権交代時の熱気は消えうせ、有権者の期待は失望に変わった。苦戦が予想されたため、民主党からの出馬を取りやめたり、公認を返上したりする動きが止まらず、道府県議選では目標の半数以下の候補しか擁立できなかった。
3月11日の東日本大震災以降、各種世論調査で菅内閣の支持率はやや持ち直した。しかし今回の結果を見る限り、民主党への支持には結びついていない。むしろ後手に回り続けた福島第1原子力発電所の事故処理や、首相の指導力不足などへの批判が、「民主党離れ」を加速したと見るべきだろう。
民主党内で首相や、選挙対策の責任者である岡田氏ら執行部への批判が強まるのは必至だ。党内で「菅降ろし」の動きが再燃したり、自民党などの野党が対決姿勢を強めたりすれば、大震災からの復旧・復興に向けた今後の作業にも悪影響が出ることが懸念される。
日本経済新聞
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE0E4E7E5EBEBE7E2E3E0E2E6E0E2E3E38297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D
民主、逆風・亀裂に苦心 道議選
10日投開票された道議選(定数104)では自民系と公明党で過半数を占め、道政与党は引き続き高橋はるみ知事を支える構図となった。政権への逆風も受けた民主党は、第2党にとどまった。新党大地直系の議員が道議会で初めて議席を得たが、そのほかの少数・地域政党は全員敗れた。
◇
統一地方選の前半戦で全国的に苦戦した民主党。改選前を1議席上回る40人の公認・推薦候補が当選し、民主党北海道に落胆の色は広がっていない。高橋由紀雄選対委員長は「40議席を確保し、党の政策を訴える足がかりにできる」と語った。
道議会第1党を狙い、12選挙区で複数の候補を立てた。共倒れはなかったが、道連の佐野法充幹事長(札幌市豊平区)や、4期目を目指した蝦名清悦氏(同市北区)らが敗れる波乱もあった。
定数1の選挙区で特に厳しかった。民・自系の対決型は12選挙区あり、民主系が制したのは檜山振興局と北斗市のみだった。
北見市では連合北見が支援する党公認の長南幸子氏が、党推薦の鳥越良孝氏と争う形で敗れ、民主支持層に亀裂を生んだ。
連合の組織内にも波紋が広がる。今回の長南氏の得票率は約22%。連合が支援する候補は過去の選挙で30%超の得票率を得ていたといい、党北見支部は「(こんな得票率は)経験がない」といい、今後総会で分析する方針だ。
連合の組織内にも波紋が広がる。今回の長南氏の得票率は約22%。連合が支援する候補は過去の選挙で30%超の得票率を得ていたといい、党北見支部は「(こんな得票率は)経験がない」といい、今後総会で分析する方針だ。
■自公堅調、改選前上回る
一方、道政与党の自民党系、公明党は、改選前議席(自民50、公明5)をいずれも上回った。自民系51人、公明党8人が全員当選し、高橋はるみ知事との連動も功を奏した。無投票で5選した同党道連の竹内英順幹事長は「民主政権に安定感がないことへの不満が現れた結果。地域の実情を分かっているのは、やはり自民党と判断して頂いた」と自信をのぞかせた。
公明党も初めて擁立した苫小牧市で議席を獲得。候補の乱立で大激戦となった札幌市北区や旭川、函館、釧路各市でも取りこぼしはなく、最多議席を獲得した。札幌市北区で5選した佐藤英道党道本部幹事長は「これまで以上に道民の視点に立った政策提言をしたい」と語った。
■大地に存在感 共産苦戦 1議席
1議席を獲得した政党は明暗が分かれた。
新党大地は前衆院議員の鈴木宗男代表が収監前に直接擁立にかかわった釧路、帯広、根室の3人の直系候補のうち、帯広の山崎泉氏が自民現職を破り、道議会では初めての議席を得た。「代表不在」(代表代行・浅野貴博衆院議員)でも存在感を示した格好だ。
浅野氏は「代表の政治理念がたたき込まれている。道議会で存分に活躍して欲しい」とエールを送った。民主会派に加わるかどうかについて、浅野氏は「検討中」と述べるにとどめた。
釧路市で落選した山崎晃氏は、推薦を受けた大地の全面的な支援を受けた。当選ラインに2500票ほど届かなかったが、選対関係者は「大地の力は見せつけることができた。代表が戻るまで守っていかなくては」と語り、「ムネオ票」の結束を確認するきっかけになったもいえそうだ。
対して共産党は、選挙前の2議席のうち、小樽市の議席を失い、道議会は旭川市の1議席だけとなった。同党道委員会の青山慶二書記長は「組織そのものの力量、実力が足りなかった」と課題を挙げた。
■地域政党・新勢力 議席獲得ならず
旭川市などに擁立した、みんなの党、市民ネットワーク北海道、地域政党「無所属・道民党の会」はいずれも議席に届かなかった。60%を下回る投票率の中で、無党派層の支持が十分得られなかったことも影響したとみられる。道民党の会の代表で、苫小牧市で落選した鳥越浩一氏は11日、「短い選挙期間で有権者の市民に(訴えが)浸透しなかった」。札幌市北区で落選した市民ネット北海道の佐藤典子氏も事務所で、「一人ひとりに訴えていく時間がなかった」と語った。
朝日新聞
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001104120004
◇
統一地方選の前半戦で全国的に苦戦した民主党。改選前を1議席上回る40人の公認・推薦候補が当選し、民主党北海道に落胆の色は広がっていない。高橋由紀雄選対委員長は「40議席を確保し、党の政策を訴える足がかりにできる」と語った。
道議会第1党を狙い、12選挙区で複数の候補を立てた。共倒れはなかったが、道連の佐野法充幹事長(札幌市豊平区)や、4期目を目指した蝦名清悦氏(同市北区)らが敗れる波乱もあった。
定数1の選挙区で特に厳しかった。民・自系の対決型は12選挙区あり、民主系が制したのは檜山振興局と北斗市のみだった。
北見市では連合北見が支援する党公認の長南幸子氏が、党推薦の鳥越良孝氏と争う形で敗れ、民主支持層に亀裂を生んだ。
連合の組織内にも波紋が広がる。今回の長南氏の得票率は約22%。連合が支援する候補は過去の選挙で30%超の得票率を得ていたといい、党北見支部は「(こんな得票率は)経験がない」といい、今後総会で分析する方針だ。
連合の組織内にも波紋が広がる。今回の長南氏の得票率は約22%。連合が支援する候補は過去の選挙で30%超の得票率を得ていたといい、党北見支部は「(こんな得票率は)経験がない」といい、今後総会で分析する方針だ。
■自公堅調、改選前上回る
一方、道政与党の自民党系、公明党は、改選前議席(自民50、公明5)をいずれも上回った。自民系51人、公明党8人が全員当選し、高橋はるみ知事との連動も功を奏した。無投票で5選した同党道連の竹内英順幹事長は「民主政権に安定感がないことへの不満が現れた結果。地域の実情を分かっているのは、やはり自民党と判断して頂いた」と自信をのぞかせた。
公明党も初めて擁立した苫小牧市で議席を獲得。候補の乱立で大激戦となった札幌市北区や旭川、函館、釧路各市でも取りこぼしはなく、最多議席を獲得した。札幌市北区で5選した佐藤英道党道本部幹事長は「これまで以上に道民の視点に立った政策提言をしたい」と語った。
■大地に存在感 共産苦戦 1議席
1議席を獲得した政党は明暗が分かれた。
新党大地は前衆院議員の鈴木宗男代表が収監前に直接擁立にかかわった釧路、帯広、根室の3人の直系候補のうち、帯広の山崎泉氏が自民現職を破り、道議会では初めての議席を得た。「代表不在」(代表代行・浅野貴博衆院議員)でも存在感を示した格好だ。
浅野氏は「代表の政治理念がたたき込まれている。道議会で存分に活躍して欲しい」とエールを送った。民主会派に加わるかどうかについて、浅野氏は「検討中」と述べるにとどめた。
釧路市で落選した山崎晃氏は、推薦を受けた大地の全面的な支援を受けた。当選ラインに2500票ほど届かなかったが、選対関係者は「大地の力は見せつけることができた。代表が戻るまで守っていかなくては」と語り、「ムネオ票」の結束を確認するきっかけになったもいえそうだ。
対して共産党は、選挙前の2議席のうち、小樽市の議席を失い、道議会は旭川市の1議席だけとなった。同党道委員会の青山慶二書記長は「組織そのものの力量、実力が足りなかった」と課題を挙げた。
■地域政党・新勢力 議席獲得ならず
旭川市などに擁立した、みんなの党、市民ネットワーク北海道、地域政党「無所属・道民党の会」はいずれも議席に届かなかった。60%を下回る投票率の中で、無党派層の支持が十分得られなかったことも影響したとみられる。道民党の会の代表で、苫小牧市で落選した鳥越浩一氏は11日、「短い選挙期間で有権者の市民に(訴えが)浸透しなかった」。札幌市北区で落選した市民ネット北海道の佐藤典子氏も事務所で、「一人ひとりに訴えていく時間がなかった」と語った。
朝日新聞
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001104120004
外れた思惑:統一地方選前半戦/上 高橋人気で圧勝 /北海道
◇自民に追い風吹かず
10日投開票の知事選から約1週間前の2日夜、釧路市内のイベント会場にはほぼ満員となる約800人が詰め掛けていた。この日は現職の高橋はるみ氏(57)=自民、公明道本部推薦=の個人演説会が予定されていたが、本人が風邪で体調を崩し、欠席。しかし、会場と電話中継する演出で高橋氏が「行けなくてごめんなさい」と謝罪すると、その声を待ちわびていたように会場からは大きな歓声が上がった。
投票率が前回比4・67ポイントも下回った知事選で、高橋氏は前回を11万票上回る184万票を獲得し、3倍以上の大差で民主推薦候補を降した。毎日新聞・HBC共同出口調査で、高橋氏は自民支持層の91%、公明支持層の88%を固めたほか、民主支持層の43%、共産支持層の24%にも浸透していた。
陣営幹部は「まるで芸能人のような人気。有権者は支援政党ではなく、高橋氏の清潔なイメージや人柄で評価していると思う」と打ち明ける。
◇ ◇
「高橋氏が当選し、(公明議席も含め)道議会でも安定多数を得られた。新人も10人入り、岩見沢市や北広島市の都市部でも民主の議席を奪い取った」。11日未明、高橋氏の選対事務所(札幌市中央区)で道議選の開票速報を見守っていた自民党道連の竹内英順幹事長は誇らしげに語った。
道議選(定数104)で、自民は公認・推薦候補計56人のうち、51議席を獲得し、第1会派の地位を守った。しかし、改選前から1議席増やしただけ。高橋氏は知事選初の179市町村ですべてトップとなる完勝だったが、自民は目標としていた単独過半数の53議席に届かなかった。
札幌市議選(定数68)も同様で、改選前の22議席から2議席増やしたものの、23議席の民主をかわして第1会派の座を守るのがやっとだった。札幌市長選では、自民推薦の新人、本間奈々氏(41)が現職の上田文雄氏(62)に16万票の大差で敗れ、自民に追い風が吹いたとは言い難い。
◇ ◇
全国41道府県議選でも、自民の当選者は前回(07年)比21人減の計1119人。一方、大阪府議選などでは、首長が代表を務める「首長政党」が存在感を示し、民主、自民などの既成政党を降して第1党に躍り出た。
自民道連関係者は「最近、既成政党の枠組みを超えた政党が躍進する傾向があるが、道内にはそういう政党がなく、今回は何とか現状を維持できた。自民党も高橋氏の人気にあやかるだけでなく、自ら斬新な政策を打ち出して存在感を高めなければ、埋没しかねない」と漏らした。【和田浩幸、久野華代】
× ×
知事選と札幌市長選で高橋氏と上田氏の圧勝に終わった統一地方選前半戦。自民、民主の両党はいずれも「ダブル勝利」は飾れなかった。両現職が党派を超えた幅広い支持を集める一方、薄れる政党の存在感。思惑が外れた政党の選挙戦を振り返った。
北海道新聞
http://mainichi.jp/hokkaido/seikei/news/20110412ddlk01010245000c.html
10日投開票の知事選から約1週間前の2日夜、釧路市内のイベント会場にはほぼ満員となる約800人が詰め掛けていた。この日は現職の高橋はるみ氏(57)=自民、公明道本部推薦=の個人演説会が予定されていたが、本人が風邪で体調を崩し、欠席。しかし、会場と電話中継する演出で高橋氏が「行けなくてごめんなさい」と謝罪すると、その声を待ちわびていたように会場からは大きな歓声が上がった。
投票率が前回比4・67ポイントも下回った知事選で、高橋氏は前回を11万票上回る184万票を獲得し、3倍以上の大差で民主推薦候補を降した。毎日新聞・HBC共同出口調査で、高橋氏は自民支持層の91%、公明支持層の88%を固めたほか、民主支持層の43%、共産支持層の24%にも浸透していた。
陣営幹部は「まるで芸能人のような人気。有権者は支援政党ではなく、高橋氏の清潔なイメージや人柄で評価していると思う」と打ち明ける。
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「高橋氏が当選し、(公明議席も含め)道議会でも安定多数を得られた。新人も10人入り、岩見沢市や北広島市の都市部でも民主の議席を奪い取った」。11日未明、高橋氏の選対事務所(札幌市中央区)で道議選の開票速報を見守っていた自民党道連の竹内英順幹事長は誇らしげに語った。
道議選(定数104)で、自民は公認・推薦候補計56人のうち、51議席を獲得し、第1会派の地位を守った。しかし、改選前から1議席増やしただけ。高橋氏は知事選初の179市町村ですべてトップとなる完勝だったが、自民は目標としていた単独過半数の53議席に届かなかった。
札幌市議選(定数68)も同様で、改選前の22議席から2議席増やしたものの、23議席の民主をかわして第1会派の座を守るのがやっとだった。札幌市長選では、自民推薦の新人、本間奈々氏(41)が現職の上田文雄氏(62)に16万票の大差で敗れ、自民に追い風が吹いたとは言い難い。
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全国41道府県議選でも、自民の当選者は前回(07年)比21人減の計1119人。一方、大阪府議選などでは、首長が代表を務める「首長政党」が存在感を示し、民主、自民などの既成政党を降して第1党に躍り出た。
自民道連関係者は「最近、既成政党の枠組みを超えた政党が躍進する傾向があるが、道内にはそういう政党がなく、今回は何とか現状を維持できた。自民党も高橋氏の人気にあやかるだけでなく、自ら斬新な政策を打ち出して存在感を高めなければ、埋没しかねない」と漏らした。【和田浩幸、久野華代】
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知事選と札幌市長選で高橋氏と上田氏の圧勝に終わった統一地方選前半戦。自民、民主の両党はいずれも「ダブル勝利」は飾れなかった。両現職が党派を超えた幅広い支持を集める一方、薄れる政党の存在感。思惑が外れた政党の選挙戦を振り返った。
北海道新聞
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