北海道を離れてから20数年が経ち、それ以降では初めての北海道ツーリングが実行に移されました。今回は、新卒入社の会社の同期とのツーリング。非常に有意義で楽しい時間を過ごしたのと同時に、北海道に住みいつでもこの地をツーリングで回れるというこの環境が “通常” だったあの頃には感じることすらなかった “恵まれていた” という事実を痛いほど認識させられたツーリングとなりました。
今回のポストは、そんなバイクツーリングの楽しさを再認識させて貰えた今回の北海道ツーリングについての備忘録です。
日程は、2025年09月12日(金)から09月16日(火)までの5日間。願わくばもう少し長期の休暇が取れれば良かったのだけれども、いまの私の仕事環境ではこれが精一杯。5日間と言えど、前後各1日はフェリー移動で消費されるので、実質3日間となり、北海道ツーリングにおいては短期日程の部類に入ると思う。
北海道へは新日本海フェリーの「新潟ー小樽航路」の一択。AM04:30 小樽港入港という到着したその日をフルに有効活用できる時間的なモノもそうだけれど、実家がフェリーターミナルからバイクで数分という 親孝行的要素 が一番大きい。年に一度帰るかどうか?な状況ゆえに、たとえ短時間だったとしても顔を見せに行くこと、電話越しではなく対面で会話をすることが、大事なことだと思うので。親爺に線香をあげに行くことも…。
到着当日の実家からの朝日(ついさっき下船したフェリーも見える)
実際に今回のツーリングにおいても、到着当日の実家滞在時間は約1時間ほど。近況報告などをしながら母親が作ってくれた朝食を食べ、今回のツーリングメンバーとの集合へ向けて出発する。
初日13日(土)の宿は東藻琴村にとって貰っていて、旭川方面からアプローチする計画のよう。というのも、出発1週間ほど前にSNSで初めて知った チョボチナイロード なる、1年で1か月間しか通れない(要は11か月間通行止め)道がちょうど開通しているのを知ったために、そこを通るルーティングをお願いしていたから。
ホントにほぼ1か月しか開通してない…
このツーリングでは、観光よりも北海道を感じられる道を走ることに主眼を置いています。観光は昔にもう充分にしてきたので、とにかく気持ちよく北海道を走りたい…のです。
まあ、このチョボチナイロードも言ってしまえば普通のライトな峠道ではありますが、道外勢にしてみれば “タイミングが合わなければ走れない道” なので、それだけでも価値はあるかと(話のネタとして)。
その後、給油のため富良野に立ち寄ったついでに、行ったことがなかった四季彩の丘に立ち寄った。まあ中年男子4名でお花畑を散策しても軽い小休止程度にしかならず…で、10分ほどでセルを回すことになる。
天候に不安が残る2日間だった。初日は18:00頃から道東方面の天候が悪化してくる予報だったので、雨が降る前に東藻琴村の宿にチェックインしたいというのはメンバー全員の想い。なので、ここからは時間との勝負。旭川紋別自動車道・遠軽北見道路などのワープ航法を利用して北見市へ。
昨年別件で帰郷したとき、義姉にお土産として買ってきて欲しいと頼まれていながら、行った範囲で唯一入手が可能であった新千歳空港で入手できなかった「赤いサイロ」をお土産としてGETする。北見市に立ち寄って貰ったのはこの為だけだったので、購入したらすぐに出発し、無事に雨が降る前に宿に到着。
ツインのシングルユースでゆったり。ランドリーも無料で使用できる(洗剤はフロントで購入可)。ウェルカムドリンク(無料)や枕の貸し出しもあったりと、ツーリング宿としては充分過ぎる。シャワーでスッキリしたら、徒歩数分の「食事処まる」さんで夕食をいただき、雨の中を宿に戻り翌日に備える。
翌14日(日)は予報通り朝から小雨がぱらつく天候。午後からは天候が回復する確率が高かったため、Klim CARLSBAD Jacket の性能テストも兼ねてレインを着込まずに出発。本来は北に向けて進む予定でいたけれども、天候変化を鑑みてルート変更し、帯広方面に移動してから北上し2日目の宿がある美深町を目指すことにした。オンネトー経由の、上士別町ナイタイ高原牧場を目指すというベタなルート。雨も降っているし立ち寄るのはこの2つのみ。それでもこの辺はただ走るだけでも気持ちがいい。今ツーリングの主たる目的と合致するので、なんの問題もありません。
ここで往路フェリーで軽く会話を交わしたR1300GS-Adventure乗りの方との偶然の再会がありました。我々は道東方面から、彼らは道央方面からのナイタイ高原牧場。この広大な北海道でしかもお互いタイミングよくここに来るという奇跡。軽く情報交換などして別れたけれども、こういうのも旅の良いところ。
懐かしの三国峠でワインディングを楽しみ、本日の宿であるびふか温泉を目指す。宿周辺には飲食店がないので、手前の名寄市で夕食を食べ、美深町でビールとおつまみを入手して宿へ。名寄市で適当に調べて入った店がよかった。ドミール302という名の洋食屋?のチキンチャップ定食。カリっと焼かれたチキンがとても美味かったが、中年男子には量が多い。
宿にチェックイン後は、温泉に浸かり疲れを癒し、00:00近くまでビール片手に昔話しに花を咲かせる。約20年ぶりの再会だけれども、その時間を感じさせない仲間というのは良いものだとつくづく感じさせてくれる。
さて最終日の15日(月祝)。小樽港出航は17:00なので15:00にはターミナルに着きたい。その前にお土産を買う時間も必要なので、この日は帰るのみな日に。美深町から沼田町までは国道275号線の極上ワインディングロードを楽しみながら南下し、そこから道央道ー札幌新道ー札樽道を経由して小樽まで。中華系観光客に埋もれながら目的のお土産を入手し、実家へ。昼飯を食わせて貰って、小一時間しゃべってフェリーターミナルへ。道東方面で目的は充分に達成したので、最終日はこれで良いのだ。
さすがにこの時期になると、いくら猛暑な夏がまだ居座っているとはいえ、北海道は本州に比べると快適だった。事実この3日間では、道東方面では20℃前半~中盤な気温で、標高が高い場所だと10℃後半のところもあった。例年だともっと気温は低いのだから、条件的には良かったといえる。
離れてみてハッキリと分かったけれど、北海道で感じるような走っていて気持ちのいい道を本州で探すとなるとそれは相当困難なことだと感じる。そういう道がない訳ではないけれども、スケール感の違いは歴然としており、どうしてもショボく感じてしまう。道外生活も長くなり、かつ長いブランクを挟んでリターンライダーになったのだけれども、正直な話し、走っていても心の底から楽しいと思えていなかったのだと気が付いた。それを気付かせてくれる程に、今回の北海道ツーリングは楽しかった。
規模が全然違うので、本州で北海道でのそれを求めるのは間違っていると思っている。本州には本州での楽しみがあるし、それは北海道では味わえないものだとも思う。郷に入っては郷に従え。改めて本州でのバイクツーリングを楽しもうとも思わせてくれた、有意義なツーリングとなりました。
そんなに頻繁に行ける訳ではない北海道。それでも、行ける状況にあるときにはエイヤッ!っと北海道行きのフェリーチケットを取ってしまおう!次いつ行けるか分からないのだから。
































































