和久井家の 日常(五)
・姉妹 二人・由香の想い ①「 た だ い ま ぁー」・・ 玄関へと入った由香は、朝に聞いた母の言葉を確かめるかのように帰宅早々ダイニングへ向かうと、母と姉が向かい合って話しをしている姿に目を留める。 お か え りー・・ 。手にしていたバックを椅子に置き、スーツ姿の由香は目の前にある椅子に腰を下ろし、綾乃姉さんの体系を見ると・・、「お姉ちゃん、ひさしぶり ー ・・その感じ、少し太ったようだけど,その体系は赤ちゃんよね。いつもラブラブだったもの。むしろ 遅いくらいじゃない?」綾乃は由香の顔を見ると 微かに笑みを浮かべて、「・・そう、四か月に入ったところ。まだ さほど分からないでしょうけど・・」 と綾乃は お腹を撫で下ろす。 「・・祐樹さんの愛を、しっかりと 受けとめた結果よね 」由香と顔を見合せ、綾乃は 母親にも顔を向けると はにかむかのような笑顔を見せる。「・・夫婦なんですもの。良かったわ 、おめでとう」母親の由布子は、日頃、世帯を供にする末娘たちの熱い様子を見たとなれば、、又、それをグチとして主人にでも話そうものなら、、ベットでの恰好の話のネタとなり責め立てられることも・・それは 夫婦としての秘め事として留め置き・・。 今、姉娘、綾乃が身ごもったことは とても喜ばしく、それを 由香が茶化すかのように話すことは、、姉の面目も下がりかねない。 そこで 母親の由布子は、、「由香たちだって すっごくラブラブなんだから。日頃の様子だと、はやく結婚式 を挙げたほうがいいんじゃないかと 思って・・」 ええっ!! 「そ ん な に~・・、まさか お母さんの眼のある ところでっ?」だが 綾乃は知っている。由香が敏感な体質で、アノ時の様子からして、たとえ同棲であっても夫婦同然の生活をしていることも・・。 それに、親の傍での生活となれば 利点も多く有ること は確かでもあるのだが。でも綾乃は それ以上踏み込んで話すこともなく・ 。「二人が続けて できちゃったら、お母さんも大変かもわからないし。このお腹も、もう少しすれば男の子か女の子かも分るだろうし・・それに 祐樹さんは、どちらでもいいから、元気な子だったら・・と言ってくれてるし・・」 由香も妊娠の話となれば、、むしろ ヤブヘビ的な話となっていくことは避けるこ と、話をはぐらかし・・「洋介さん明日の休日は交代していただて、二人で結婚式場の下見に行く予定な の。それで 今日は少遅くなるようなことも言ってたし、、それが早く終われば、【ジム&フィットネス 萩】のお手伝いに行くことにもなってるの」「そのジムの受付していると、たくさんの方からお声を掛けていただき・・萩尾お姉様にも良くしていただき。お義母様にもご挨拶してきたのよ。・・それに、そのジムのホームページには オレンジの T シャツにジャージのパンツか、オフホワイトのパンツで、モデルのようなこともお願いされてるのよ。」「・・ところで お姉ちゃん、年会費の方は、半分私が出すから祐樹さんにも会員になっていただけないかしら・・」「・・ああ、そうゆうことね・・いいわよ、祐樹さんに話てあげるわ」「川を渡って、少し行った所なので交通の便も悪くはないし・・会社の方にも親戚のお手伝い 、って言ってあるの。 いつの日かお姉さんも一緒に行こうよ」 「・・そろそろ 夕食にしましょうかね」「私、着かえてくるわ 」 由香は、スーツを着替えること二階へと向かう。卓上に置かれた土鍋は湯気をたて、その中に肉と野菜が次々と入れられていく。