・美沙子 お義母さま

 

  一階のカフェに行く前に、ロッカーから着替えやタオルをもってこなくては、 と、

 二人は一度、入口横のカウンターの方へと向かう。

 

その近くまで行くと、お客様に対応する永瀬美保さんが若い男性と明るく話す様子

が見て採れる。

 「いらっしゃいませ・ いつも、ご利用 ありがとうございます。・・今日も素敵な

   裸体を見せてくださいね」

 

  「・・見るだけじゃ なくって、、タッチも OK ですよっ」 と、 Tシャツの上から

 でも分るほどの筋肉を誇らしげに 手でなでおろし・・

  笑顔も交えて言葉をかわす ふたり。

 

 由香は 「ご苦労 さま・・」 声をかけ、後ろを通ろうとすると、、美保さんが

  独り言のようにつぶやく・・

  「男の人って、、すこしの スキも見せられないわねっ」

 

 休日ともなれば身体をもてあまし、自身の身体を鍛えると同時に、女性との会話や、美人な女性をフロントに見かければ、やぼな言葉を交わすなど、社交目的であっても

それもまた楽しみの一つとジムに来てくださる御方たち・・

 

 シャワーを使い、 汗を流してからのお帰り ともなれば、

  ” このような コロンの香り・・永瀬さんは嫌いじゃない?”  と

          身体を 寄せるしぐさ・・

   ” ・・すごく イイ香り ですよ ”

 

 「美保ちゃんが あまりに可愛くて 綺麗だから・・気をつけないと ね・・ちょっと

    カフェの、お義母様に ご挨拶してきますね」

 

  カフェへと階段を降りはじめると・・洋介の口からは、、

 「由香や美保ちゃんが、このジムのフロントに立つようになってから、若い男性の

  会員様が増えたように思うとか、、美月姉さんが言ってたけど・・ほんと かな?

  ・・でも、美保ちゃんは高校の時に比べれば一段と女らしさが 増した ことは、

  たしかに感じる・・二十歳を過ぎて、大学生のバイト なのに・・」

 

    「 ・ ・  ・  ・ 」

 

   カフェ に行くと、 窓際に 外を行き交う人達を眺めながら・・若いカップルの

 お二人さんは肩を寄せ合い ・・センターテーブルには奥様方が午後のおしゃべり     を楽しみ・・ 奥の個室にも、

   二人のお客様は 声を密めて・・ ジュースパフェ・・ 。

 

  「・・ご無沙汰で すー ・ ・」 

 厨房で焼き物  ホットケーキでも しているのか・・ 美沙子 母さんを目に留めた 洋介は、

「 母さん、ジムのシャワー 塞がってて・・自宅のシャワー 貸していただけないかな      と、思って・・」

 

  「・・いい わよ、あとでコーヒーでも 飲みに いらっしゃいね ・・  あ、 ハイ、

     これ・・ 玄関の鍵 」