・ 試 着 室  ①       *全編 固有名詞は架空のものです

 

  由香は検索を繰り返し探しあてたそのホテル、、一流とまではなくとも、写真を

見る限りでは神父様による式から披露宴の場へと進んでいく様子が見て採れる。

 

 その二人はモデルさんであると思われるも・・それにしても (式)の後は満面の

笑顔で向き合う二人。 ハンサムで素敵な男性と・・グラビアなどで見るかのような

綺麗な女性。 

    ー ー、 もう 三月もすれば、、私も ここに立つんだ・・

    由香の想いは  駆け巡る・・  。

 

 「・・次の月曜日 衣装合わせにお伺いしたいのですが・・」 TELを入れると・・

「ありがとう ございます。お待ちいたしております」

 

 そして 一週間後、休日をいただいた由香は、洋介さんと二人してその式場に衣装合

 わせに出かける。

 

 

 「いらっしゃいませ。 当 ホテルをご利用いただき 誠にありがとうございます」

三十代であろうと思われ方と・・、もう おひとり、若くて可愛い感じの女性。

二人揃って お辞儀をされる。

 

 お二人とも、清楚な感じでスタイルも良く、その綺麗なお二人の女性。

ダークグレーのタイトスーツを着こなし、、首から下げられたネームプレートには

 ” 佐藤 ” と、、”仲野”の文字が・・ 。

見るからに 美人で素敵な感じの お二人に迎えられ、、

 

 「早速ではございますが 衣装のお部屋の方に ご案内させていただきます 」

先だって歩く女性のあとに付くと、、

ひとつの角を曲がり、奥へと続くその広い通路は白基調の壁と広い窓から差し込む

光でとても明るく・・一番手前のドアの上には 【衣装室】の文字が、、

 

 その隣のドアの前には 【新郎様・御親戚さま】プレートが立てられているのが見

 える。

案内されたその部屋には30着以上もあろうかと思われるドレスが掛けられており、奥の列には 赤や黄色のドレスも見える。

 

すると・・彼に付いた女性 ”仲野” さんが、 洋介さんの顔を見ると、、

「こちらに、タキシードもございます。ご自由に ご覧いただいて・・」

 

  しばらくして、、洋介さんの居る方に目を向けると・・二人は笑顔も交え、何やら

 声を交わしているのが由香の眼にも見てとれる。

 

「初めてお会いした方なのに・・、笑顔も見れて、なにを話していたの?」

  帰り道に 彼から聞いたところによると・・

 

 

 " あれほどに お綺麗な奥様。どのようにしてゲットされたの?"って聞いてきた

  ものだから・・

 「 ” 彼女とは相性がよくって さっ・・この あたりも” って 、服の上から

    少し   タッチ”するように 、  教えて あげ て・・」

 

    バカっ・・・

    彼は 営業職だけあって、女の気持ちを弄ぶのも 得意なのです。      

 

  

  由香の傍には 背丈も同じほどの ”佐藤さん”  が付かれ  ・ ・その 一つを選ぶと、

 

「これなど いかがでしょう・・」  ひとつの白いドレスを取って由香の前に差し

  出され 、 それは 胸回りや・・肩幅も大きく開かれ・・  

 

 洋介さんと、少し離れたことで一段と親しみも増したかのように ・・

 ”佐藤” さんは、、  

 「・・もう 奥様とお呼びさせて いただいても・・この頃・時には 結婚なされて、   後日、お式を挙げる御方も、お見えになられますものね・・」

 

「 それにしても、とっても素敵な彼氏さんですよね。・・お式の方は来年の

 一月 と 窺っておりますが・・」

 

 ”佐藤”さん は自らの腰に両手を回し た あと・・、  

 「私は70ちょっとですから・・  失礼しますネ 」 

  その後に細い指を揃え、トップスの下に差し込んだ両手を由香のウエストに回す

     と・・・

 

 「奥様は、、私と比べて少し細い くらいでしょうか・・このような タイトなドレ

   スも 奥様にはお似合いですよ・・身長も お有りで素敵なスタイルをなされて

  ますもの、  ・・試着 なされみては いかがです?」

 

  奥には 等身大のドレッサー・その  横には”く”の字に曲げられたパーティション

  が置かれており、それらしきサイズの・あのモデルさんを自身に置き換えた かの

  ようなドレスを手にすると奥へと入っていく由香。

 

 あとに続く”佐藤”さんは タイトなドレスを手にし、パーティションをずらして

 二人の姿が見えなくなる。

 

 トップスとグレーのロングスカートを脱ぐと、淡い黄色のブラウスの裾にはわずか

 にキャミソールものぞき見え、 ショーツに覆われた魅力的な膨らみが 女の眼を惹く。

  試着を見越し、白の下着と お揃いのキャミソールを着てきた由香ではあるが、、

 その丈はヒップの中ほどにとどまり、ヒップに張り付く白いショーツはパンスト

 で覆われ・・

「キャミの肩紐は見えちゃうかも知れないし・・パンストはデンセンしちゃうのも

 嫌でしょうから それも 脱いじゃいましょうか・・」

 

 横で何気に視線を流す、同性の”佐藤”さんであっても、ヒップの形の良さと、肌の

  白さは、一目 見るからに、、

 「・・白くって、 素敵な 御み足ですこと・・」

 

 魅力的な女性感を思わせ・・  由香自身もドレッサーに映る身体を斜に向け・・

 その下着姿を流し見ると、鏡の中では ”佐藤さん” と目が合ってしまう。

 

     フフッ・・    ” この姿に 男は マイッテしまうの ネ ”

 ” 形までもよくって 魅力的なヒップは、いっぱい彼に 愛されるんでしょうね ”

 

 そこにピタリと張り付くショーツも白く、レースを多く あしらったものを敢えて

 選んだことも正解に思え、下着 ビキニ姿であるがこそのエロさに、、思わず、

   

「なんとまぁ 素敵な お身体ですこと・・」  思わず感嘆の声をもらしてしまう。 

                                                          ” 佐藤さん ”。

「でも、こればかりは彼氏さんだけの ものですもの ねっ・・」 と 、

 

  彼女が手にした、

「このペチコートを下に 付けていただくと・・更にドレス ドレス 観が UP して・・」  

 

  由香がウエストに止め終わるのを見ると、、 少し背をかがめたところに 、、

  フワァッ と ウエディングドレスを被せ、背後に回ると ファスナーをゆっくりと 引き上げて行く 。

  

  さらに、肩に覗く肌をたしかめるかのように・・そっと 素肌に指を這わせ、 、

   背後から回した彼女の両手は、、 バストの膨らみをも確かめ・・

 

「 カップも入れてないのに、このスタイルの良さときたら・・」 

   鏡 ごしに 由香と 目が 合うと・・

 

 「まぁー  ステキッ !! これまでで 一番の花嫁さんねッ」

 

 さらに 準備したカチューシャを、由香が纏めあげた髪にさすと・・

  造花ではあるが、バラの小さな花束を由香の手に手渡す。

 

「 ほんとに  お き れ いっ・・モデルさんになって いただこうかしら 」

「ほんの少し長めであっても背丈にもぴったし・・これに白の ハイ ヒ ール  ハイヒール

  を履くことになりますもの ね 」

 

  リップサービスと 思える言葉であっても 、、鏡に映るドレス姿を見れば満更でも

   ない由香。

 「そちらの タイトなドレスも 着て見ても いいかしら・・」