カウンセリングセッションと本を書くことは
とても似ていると思います。
私が書いた本はkindle本で、
商業出版と違い
編集者がついてくれるわけではないので
自分で構成を考え、
ストーリーを組み立てていきます。
その際、自分が生きてきた中で身に着けた知見を
どんな切り口で、どんなストーリーにしようかと
悩むんですよね。
私のkindle本はこちら:
・心がラクになる不登校のお守り本~精神科看護師のカウンセラーが教える親と子の向き合い方~
・ココロとカラダをととのえる起立性調節障害のお守り本~精神科看護師の子育て実体験から~
どんな切り口にしようかな、の図
カウンセリングのセッションの中で起こっていることも
この「どんな切り口で、どんなストーリーにするか」が
要だと思っています。
悩みを抱えている人々は、
それぞれに、さまざまなストーリーを
相談室に持ち込んできます。
よく聞かれるのは
「私はダメな人間です」
「私は弱いんです」
「私はうまくできないんです」
というような語りです。
クライアントがそのようなストーリーを描いているのには
ちゃんと理由や背景があります。
まずはその持ち込まれたストーリーを
大切に聴くことから
カウンセリングは始まるのですよね。
(よく使われる、「認知の歪み」という言葉は
私はあまり使いたくない感じがあります)
持ち込まれたストーリーに耳を傾けていると
その中に、裂け目がチラッと見えるときがあります。
裂け目とは、
・ストーリーの辻褄が合わない部分
・持ち込まれたストーリーに見合わない部分
と説明すると、少しわかりやすいかもしれません。
「自分はダメな人間」であると語る人が、
継続していることや人知れず努力している部分があったり
「弱いんです」と語る人が
芯の強い部分が見えたり
そんなストーリーが立ち現れてくることがあります。
その、立ち現れてきた部分を
メインのストーリーとしていくなら
どんなストーリーになるのでしょうか。
「ダメな人間である」というストーリーから
「こんなことができる人である」というストーリーを
語れるようになったとしたら
その人の人生はどんなふうに変わっていくと思いますか?
ここで大切なのは、
持ち込まれたストーリーを書き換えるのではなく、
サイドストーリーを見つけるということです。
そして、サイドストーリーを分厚くする。
サイドストーリーを分厚くするためには、
大切に聴いてくれる他者の存在が
必要だと思っています。
サイドストーリーの入り口となる裂け目を拾いあげ、
そこについて問いかけてもらうことで
サイドストーリーが描かれ始めるからです。
話し手と聴き手が一緒にサイドストーリーを書き上げていく。
話し手と聴き手は、
ストーリーの共著者であると言えるんですよね。
(「共著」という言葉は
ナラティヴ・セラピーをまとめたマイケル・ホワイトの言葉です)
カウンセリングの価値は、
この「共著」ができるかどうかに
かかっているように思っています。
「自分にはこんなストーリーもあった」
「ちょっといい感じの自分を語ることができた」
その感覚をカウンセリングで感じられたら
クライアントは自分が望む方向へ
動き出していけるんじゃないかなぁと思うのです。
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