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1989年6月22日ー海軍兵学校に入学した北川敬三君ー

アメリカ・アナポリスの海軍兵学校に日本人として

初めて正式に合格した青年が21日、アメリカに旅立った。

彼、北川敬三君の入学までのイキサツが少しわかったので

紹介しよう。

山口大学教授のお父さんの仕事の関係で、小学生時代に一年間、

さらに高校2年のとき給費留学生として1年間、アメリカに滞在した

経験があるそうだ。

給費留学生というのは、滞在費などすべてを都や国が出して

くれる制度。

もちろん試験がある。


海兵やアメリカの大学に留学するときは、

このほかにTOEFL(トーフル)という留学生用の試験も

受けなくてはならない。

これは英検と違い、アメリカで作られたものだ。

北川君も、これを高得点でパス。

20倍の競争に勝った。

但し外国人は卒業しても兵隊に行かなくてもいい。

女も多いそうだよ。

1989年6月21日ーアメリカの海兵に初めて合格した日本人ー

陸軍の士官(将校)を養成する学校を陸軍士官学校、

海軍の士官の学校は海軍兵学校。

戦前の日本には、士官学校が東京・市ヶ谷、

兵学校は広島の江田島にあったが、敗戦でなくなり、

いまは、2つを合わせた防衛大学というのになった。


海軍兵学校は略して海兵、陸軍士官学校は陸士。

どちらも高校卒業してから入る。

そして、どちらかというと海兵の方が難しかった。


アメリカでもそうだ。

メリーランド州のアナポリスという所にある。

その海兵に、今年初めて日本人が正式に合格、

入学した。


山口県の北川敬三君、20歳。

昨年、日本の大学の医学部の入試に失敗したが、

アメリカの海兵が外国人にも門戸を開いていることを

知り、挑戦したという。


この調子では空軍の士官学校に入る日本人も

いるかも知れない。何かの参考に。


1989年6月20日ーボートピープルー

中国の天安門広場の流血事件で、共産主義は、

すっかり、人気を落としてしまった。


中国だけではない。

実は、ベトナムも、ずっと前から、世界の信用を

失っている。

「ボートピープル」だ。

前にも書いたかも知れないが、小さな船に乗って、

ベトナムから脱出してくる人たちのことをいう。

せっかく、アメリカに勝ったのに、思想的、

経済的な苦しみから、祖国を逃げ出す人は

跡をたたない。

1975年以来、その数は200万人を超える。

嵐のために船が沈没、海のもくずと消えた人も

数限りなくいると思う。

心が痛む。


もちろん、祖国を捨てる人々にすべて賛同する

わけではない。金がなくて出られない人もいる。

だが、共産主義が行き詰っていることも

確かなようだ。残念だ。


1989年6月19日ー6月は麦秋・麦熟らしー

この3日間、御苦労さま。

お母様のかわりを、十分果たしてくれたね。

鮭(しゃけ)も、うまく焼けていたけれど、スパゲッティが、

いつものことながら、特においしかった。

このスパゲッティの原料は小麦。

いまは、ちょうど刈り入れのときだ。

だから、6月のことを、こういう。

「麦秋」(ばくしゅう、または、むぎあき)


本当の秋は、米の刈り入れ時だが、これに対して、

6月は、麦を借り入れる季節なので、「麦の秋」と呼ばれる。


このころによくとれる魚や、鳴き出す鳥のことを

「麦熟(う)らし」ともいう。

「麦が熟れ、刈り入れを待つまでの暇なころ」

という意味もある。

魚の「イサキ」の別名でもある。

「イサキ」は、今の季節が最もふさわしい。



1989年6月18日ーイチゴ世代に聞いたお父さん白書0

15歳前後の子供のことを「イチゴ世代」というのだそうだね。

「一(いち)」と「五(ご)」だかららしい。

きょうは「父の日」。

この「イチゴ世代」を対象に行ったアンケートをもとに、

このほど「お父さん白書」がまとまった。

それによると、娘から見た父親のイメージは、

「父親らしい」46%、「友達という感じ」32%、「無関心派」22%。

お父さんの好きなところは「やさしい」「面白い」「明るい」の順。

逆に嫌いなところは「お酒を飲んでグチる。怒る」

「短気」「たばこを吸う」。

そして父親に求めるタイプは、一位が、「やさしい」。

逆に「威厳」や「厳しさ」に最低だった。

好きなタレントでは田村正和、岩城滉一、柴田恭兵。

こういう父親と一緒に歩きたいって。

お父様は落第だろうね。


1989年6月17日ー化石の宝庫ー

東京の奥多摩と埼玉の秩父にかけては、よく「化石の宝庫」

といわれる。

それも何百万年以上の動物のものが多い。

東京の平野部といっても、武蔵野台地とか日比谷から

東の江東低地部などは、沖積層とか洪積層とかいう、

海の潮によって打ち寄せられた土、砂、石、あるいは、

川がはこんできた土砂が積み重なって土屑でできている。


だから、化石類は、ほとんど500㍍から3000㍍の下に

うずもれている。


しかし、奥多摩などは、何千万年前の陸地が、山となって、

そのまま残っている。それが化石の多い理由だ。


最近も、五日市町の秋川渓谷で2000万年前の

海獣化石がみつかった。

「パレオパラドキシア」

「パレオ」は「古代の」、「パラドキシア」は「奇妙な」。

あのパラドックスの語源でもある。

人間が出てきたのは200万年前。

それの10倍もむかしの化石がでてくるなんて、

まだ地球も若い。


1989年6月16日ー甲骨文字で証明した自転の遅延ー

惑星が1回転することを「自転」という。

太陽の周りを一周するのは「公転」。

地球の「自転」は約24時間(1日)で1回転する。


約24時間といったのは、百年に千分の一秒くらいづつ

遅くなっているからだ。

これをアメリカの航空宇宙局(NASA)のパン博士は、

次の中国の古い占い文字の甲骨文字(亀甲などに刻んだもの)

で証明した。


「3つの炎が太陽を食べ、巨大な星が見えた」

「3つの炎」というのはコロナ。

これが見えるのは皆既日食の時だから、コンピューターで

調べると紀元前1302年6月5日とわかった。

ところが、もし地球の自転速度が現在と同じだと、

記録にある安陽というところではなく、

もっと皆既日食帯は西にずれ、計算すると自転周期は、

いまより1000分の47秒短かかったという。

科学の証明も何が手がかりになるかわからない。

1989年6月15日ー弘法大師の誕生日ー

「弘法も筆の誤り」

という。


弘法大師、またの名は空海。

真言宗の開祖だ。

だが、それよりも、書の天才の方で有名かも知れない。

日本書道界の始祖ともいわれる。

だから、最初の言葉は「弘法のように書のうまい人でも

書き損じることがある。それと同じように、どんな名人、

上手でも失敗することがある」という意味。


その弘法が京都の応天門の額に文字を書いたことがある。

かきおえてから弘法は気付いた。

「応」という文字に点が一つ抜けていたのだ。

しかし、少しもあわてず、高く掲げられた額に

向かって筆を投げつけたら、見事、点が

書き込まれたという。

本当かな。


774年の6月15日は弘法の誕生日。

1989年6月14日ー日本人学校の弊害ー

いま、“公立”の日本人学校は世界57カ国に83校ある。

ほとんどが、海外駐在員の子供たちのためのもので、しかも、

中学校までしかない。

このため、この子供たちは、日本の高校に入るために、

中学2年ぐらいから帰国して受験勉強、

そして高校に入ると、親と別れ別れに暮らし学校にいっている。


そこで、最近、進出目覚ましいのが、私立の日本人学校だ。

これは、すべてが高校中心。

現在、米、英、仏、独、デンマーク、スイスなど6カ国に9校。

このほかにも120もの私立学校が進出を考えているという。

学費は100万から120万円。

それに1年1回は帰る旅費をいれると、ざっと200万円。

英、仏、独などの現地語には、かなりなれるらしい。


だが、お父様はちょっと反対だ。

入るなら、現地校の方がいいと思う。

日本人同士が集まっても仕方がないのだろう。

○○○ちゃんはどう思う。

そういう学校でも入りたい?

1989年6月13日ー器量よしの意味ー

○○○ちゃんは「器量よし」なんだそうだね。

お父様も、それを聞いて嬉しいよ。

この「器量」は、また「気量」とも書き、

大きくわけて、3つの意味がある。


日本国語大辞典という、日本で一番大きな

辞典によると、次の通りだ。


①物事をやりとげるだけの才能、能力、力量のこと。

②ある物事に巧みなこと。名人。

③顔かたち、容姿、または、それのすぐれていること。


○○○ちゃんの「器量」は、このうち、どれにあたるだろう。


いずれにしても、結構なこと。

きっと3つとも備わっているんじゃないかな。


そうありたいね。

しかし、こうもいう。

「器量より気前」


美人より、気立てのよい方がよいということだ。



2011年6月

1989年、中学生のときは、ニキビもあったし

本当のところはどうだっただろう。

でも、そう褒められることもなくなった今、

20年以上も前の父の手紙で褒められるのは

嬉しいものだ。