からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜 -176ページ目

いたいいたいばぁ

君のこころにいたいいたいばぁ。なんちゃって。

なにこれ………。

いたいいたいばぁが出るんだ。最近。まあ違う意味の“いたさいたさばぁ”はおれに住み着いていて、なんだよ、嫌な二世帯住宅だよ、だけど“いたいいたいばぁ”はいなかったはず。

君のこころにいたいいたいばぁ。なんちて。

ほらまた出た。いたいいたいばぁ。ちなみに、なんちて、はいたさいたさばぁの仕業だよ。ばぁ、ばぁ、ばぁ。骨身にしみるよ。君の泣きボクロに練乳ぶっかけたい。これはきっと“すぺるますぺるまばぁ”が………もう大変。

ボツ台本あれ?これ一回やったっけ?まあいいか

おれが昔バイト面接の為の履歴書の短所欄に書いたこと、
“性格に難あり”
どうかしてた。受かったけど。そのバイト先もどうかしてた。ちなみに長所欄には“知る由もない”って書いた。ほんとどうかしてた。



『おれは宇宙になる』
「もうどうしていいかわからないよ。詐欺前提の新興宗教に気をつけろ」
『聞いてくれよ』
「聞くよ!聞く聞く!大概のことは聞いてきたんだもの!」
『知識とは何だと思うね?』
「は?まあ、なんつうかトリビア的な」
『…すっ』
「…まあ、学力であるとか、あるとないとじゃ大違いで、でも知らぬが仏ってパターンもあるな」
『それじゃあおれが宇宙になるのと関係無いだろ』
「おれは関係無くていいだろ!おれがそれを察して答えたならこの話しょっぱなで終わってるよ!わかりあってんだもん!」
『すっ』
「…」
『いいか、知識ってのは光だ』
「光?希望とか、そういうこと?」
『すっ』
「…」
『いや違う。人間の知識ってのは光のある場所までに限定されるんだ。知識の限界は光。光の到達点に知識がある。ということは知識ってのは突き詰めると光』
「はあ」
『おれは不老不死になりたいんだ』
「まあ、たまに遊び程度でそういうこと考えたりしないこともないが」
『毎日毎晩そうなるように祈ってる。不老で不死で、都合のいい不老不死。大抵のことは思い通りになる。いうなりゃ神だよ』
「なんていうか頑張れよ。あ、こういう奴に頑張れって言っちゃ駄目かな?」
『その条件というか、過程というか、突き詰めていくとおれは宇宙になる』
「なんかめんどくさくなってきたな」
『すっ』
「…」
『ここでおれの不老不死を軽く説明すると、おれの場合ただ不老不死なだけじゃなく力も蓄えられ積み重なっていく。もうどうしようもないエネルギーを得る。フリーザぐらい』
「それは…凄いが、どうせ妄想ならフリーザに留まる必要はないんじゃないか?」
『私の戦闘力はオスマン・サンコンです』
「53万な!くだらねえんだよったく」
『オスマン・サンコン53万人分です』
「それじゃあサンコンさんの戦闘力1になっちゃうだろ。メタボなおっさんでも5あるんだぞ!」
『ま、サンコンさんが53万人いても関ヶ原の合戦で生き残れるかは疑問だな』
「わけわかんねえよ!なんで関ヶ原だよ!関ヶ原に53万人のサンコンさんが参戦したら東軍西軍サンコン軍による合戦になっちゃうだろ!」
『上田城の真田の頑張りで関ヶ原に遅参しちゃうもんな。サンコン軍』
「おれが適当なこといったからこうなったんだけど言わせて貰うわ。わけわかんねえよ!秀忠だろ遅参したのは!」
『わけわかってるじゃねえかよ』
「うるせえ!」
『すっ』
「…で、何の話だっけ?」
『リストランテ・ヒロだよ』
「ああ、リストランテ・ヒロね。はぁあ……ってなんでだよ!なんでだよ!リストランテ・ヒロの話なんかしてなかったろ!」
『リストランテ・ヒロはもっと評価されてもいいだろ』
「評価ねぇ…まあ執行猶予という評価はいただいたがな」
『おもしろさで』
「美味しさで、じゃないの!?おもしろくなってどうすんだよリストランテ・ヒロが!ただでさえ、糞まじめに精進しなきゃいけないのに!」
『リストランテ・ヒロだぜ?』
「くどいよ!いいだろ!」
『リストランテ・ヒロでディナーでも』
「ほっとけ!別に普通だ!」
『リストランテ・ヒロっすっ』
「…」
『まあお前は親がリストランテ・ヒロに行ってマリファナケーキとバングジュースをしこたま飲食した日の夜に仕込まれた子だからな』
「違うよ!ついに言っちゃったし!もうやめなよ!怒られるぞ!」
『ああ、サンコンに』
「サンコンは別件だ!」
『別件?じゃあ厨房の奥の小部屋がマフィアの密会場所にでも?』
「別件逮捕の別件じゃねえよ!厨房に密会場所って映画の見過ぎだよ!」
『じゃあ誰に怒られるっつうんだよ!、と、こういえばお前はおれが、ああウッキィーさんか、と言うと思っただろ』
「思ったよ!サンコンさんとウッキィーさんは二人で一つだからな!何言ってんだお前!ふんわりした笑いを捨てやがって!」
『大体な!おれ最初はただリストランテ・ヒロをなんか土着的語呂がいい有名レストランってだけでチョイスしたのにちょっと検索してみたらとんだ方向修正だよ!すっかり忘れてたよ!』
「みんな忘れてたよ!それに何おれ達の内情さらしてんだよ!掘り起こさなきゃよかったんだろ大麻ぐらい!料理と大麻なんて通過儀礼みたいなもんだろ!ほっときゃよかったんだ!」
『全く、どうしてくれんだよヒロ!謝れ!』
「多分謝り尽くしたんだからもういいだろ!」
『おれもう一生リストランテ・ヒロには行かないからな!ごめんなさい!』
「お前が謝るのかよ!」
『ほら、どっちらけだよ!もう最悪』
「あっそう!」
『で、光ってのは世界だろ?おれ達のこの次元は光なんだよ。そんで光ってのはこの次元と一つ上の次元のギリギリにあるというか、境界線というか、おれ達の世界では光が最終形態なんだ。だからこの次元で不老不死の至る最終形態は光なんだ』
「急にまじめか。まあ、フリーザのあれみたいなことね」
『…何言ってんのお前?フリーザ?バカじゃないの?』
「てめえが最初にフリーザを出してきたから乗ってやっただけじゃな」
『すっ』
「…」
『でもおれが光になるということはこの次元に、この宇宙の枠内に留まるということなんだ。それじゃ駄目。神にはなれない。弥勒菩薩の手の上で逃げ回る孫悟空みたいなもん』
「ドラゴンボールの孫悟空じゃなくて西遊記の孫悟空な」
『は?わかるだろそれぐらい。この話の中でドラゴンボールの話なんかしてないんだから』
「それは」
『すっ』
「…」
『意思ある光になったおれ。意思の行き着く先は宇宙。おれは宇宙になりたい。そのためには宇宙の再構築が必要なんだよ』
「妄想も程ほどにな」
『どうやらおれ達の宇宙は閉じた宇宙ではないみたいだけど、それはとてつもないエネルギーを持つおれがいない場合の話』
「そのお前はいないんだけどな」
『人類が滅亡し地球も太陽に飲み込まれ、意思ある光になったおれは宇宙をさまよいながらエネルギーを蓄え続け、そのエネルギーが宇宙の全エネルギーを上回った瞬間。ビッグクランチが始まる!』
「もうなんでもいいよ」
『宇宙の再構築が始まる!強いて言えば、おれから始まるビッグバン♪いえい♪』
「強いたらなんでラップ調!?」
『すっ』
「…」
『宇宙の再構築を果たそうとし今まさにビッグバンが起ころうとしているとき、おれはその点の外に出る。光ってのは存在だからな。存在している限り宇宙にはなれない。宇宙を上から見れない。おれは光を宇宙に脱ぎ去り、意思だけ存在するものになる。そこで初めておれは宇宙になる。神になる』
「もう早く病院いきなよ」
『このボツ台本はこれで終わるけど、なんかモヤモヤしちゃうのは全てリストランテ・ヒロのせいだ』
「しつこいよ!いいオチ考えるのめんどくさくなったからってお前」
『すっ』
「………この話始まってからちょいちょいお前、すっ、って言うけどおれ全然意味わかんないからね!何かその言動に呪い的な力があると信じてるなら、おれ全然通じてないからね!自発的に放置してただけだから!」
『!!……すっ』
「無駄だよ」
『すっ、すっ』
「無駄だって言ってんだろ!」
『すっ、すっ、すっ』
「惨めだなお前」


終わり。なんか怖い終わりになっちゃった。惨めか…。惨めって怖いよな。一人相撲。それはおれ。これを見た君はおれみたいになるなよ。

まどろもえ

生きている実感は無いけど死んでいわけじゃない。誰からも生きているとは認識されない。じゃあ死ねよ。今すぐ死ね。おれが殺してやる。言われたよ。そりゃそうかもな。身を任せてみた。ベッドの上。死にたい。口癖だった。だけど、案外体って素直で反射で、押し付けられた枕の隙間を見つけて息してた。長いトンネルで息を止めきったって思ってたら意思に反して静かに鼻で息してたみたいに。上に乗った人が喉仏を体重を乗せた膝で何度も何度もぶち当ててきたけど、残念、格闘技歴のある僕には、まだまだ余裕あるな、なんて考えたりして。遅漏のセックスみたく、あまりに何度も何度も、費やすものだから、段々むかついて来た。突然来てこいつはナンだ?上に乗った男はつぶやく。殺してやる。殺してやる。お前を殺してもお前のお父さんお母さんは了解するさ。正当防衛にしてやる。そんな程度の命。久しぶりに思った。お前に何がわかる。いや、わからないから生きてないんだ。殺してやろうかなと思った。僕はこいつ殺して牢屋に入ってもいいって思った。簡単に殺せる。そんな程度の命。僕は我ながら生きても死んでもいないけど、上の人も僕がその気になれば死ぬ
から、生死の境界線を漂っている。依存と急性。たゆたっている。僕はなんだかバカらしくなって、立ち上がると今や下になった人に一瞥をくれると部屋を出た。バカらしい風が吹きすさぶ冬の街で短パンにTシャツ。脚がいうことをきかない。ガクガクと嘘みたいに震える。財布も携帯電話も持ってきていない。とにかく、震えていたかった。何も考えず何かにやられてしまいたかった。相手がいない分その思いはとても強かった。コンクリートで囲まれた団地の階段下の物置で寝てしまおう。寝てしまおう。僕は息が甘くなるまでは確かに。

ボツ台本告白ってクソ力

『おれ告白しようとしている人がいるんだ』
「へー、頑張れよ」
『付き合って下さい!』
「……え?」
『付き合って下さい!僕という男じゃ駄目ですか?』
「お、おれ!?いやそんな突然、お前、心の準備ってものが」
『ていうふうに告白しようと思っているんだ』
「だ、だよね。あはは、いや驚いた。まあそうだよな、ははは」
『どうかな?』
「まあ、付き合って下さいってストレートに伝えるのはいいと思うよ。回りくどい言い方して後から、え?私達付き合ってるの?、ってならないしね。用件を明確に伝えるってことは大事だ。ただ、終わりの、僕という男じゃ駄目ですか?、はいただけないな。ちょっと粘着質というか女々しいというか」
『女々しいとか言って男らしさにこだわるその男の精神が女々しいよな』
「うむ、なんでそんなこと今言った?」
『そうだな、用件を明確に伝えよう。貴様は女々しい』
「まあ、男らしい男だとは思わないが」
『だからこそ女の気持ちってやつが読めるのではないかとおれはふんで、貴様に試したのさ』
「なるほどね、まあ論理は納得だよ」
『で、今の告白が駄目ならなんて言えばいいんだよぉ』
「お前のボキャブラリー今ので終わり!?」
『ボキャブれねえよぉ』
「それだと意味合いがちがっちゃうだろ」
『どう言えばいいんだよぉ』
「泣くなよ。そうだな、ま、付き合って下さいってだけでいいんじゃねえか?あとは彼女の返事待ちだろ」
『お前の方がボキャブラリー貧困じゃねえか』
「そういう問題じゃねえよ!変に何か付け加えるよりも直球で勝負してみろってことだよ!」
『お前なぁ。例えば誕生ケーキには堅いチョコプレートに○○お誕生日おめでとうっていれてもらうだろ?ケーキの箱に大げさなリボン付けるだろ?お前が言っていることは胃の中にいれりゃおんなじだよって言ってフランス料理のフルコースをいっぺんにに大皿に盛ってごちゃ混ぜにして食べる坂崎さんと一緒なんだよ!』
「坂崎さんって誰だよ!まあでも確かにその通り」
『ケーキを手掴みで買って手掴みのまま彼女の口に押し付けるようなもんなんだよ!』
「わかったよ」
『そんな奴ただの変態じゃねえか!そんなんで告白なんか成功するか!』
「付き合って下さいってのみ言って告白に成功した奴なんかごまんといるだろ。大体お前だって最初に付き合って下さいって言ってるし」
『だから後に付け加えただろ!僕じゃ駄目ですかって優しさ見せただろ!ケーキを口に押し付けられてむせかえってる彼女にハンケチ差し出しただろうが!』
「押し付けてんじゃねえかよ!まあ、あれだろ?夏目漱石がアイラブユーを、月が綺麗だ、って訳してみたような」
『いや、それは違うだろ。最終的にどんな形であれケーキを彼女に食べてもらわなくちゃならないんだから。それじゃ彼女に朝早くから有名ケーキ店の行列に並ばせ、男は彼女の買ってきた見事なケーキを無視して今から大型電器店の開店セールに明日の朝まで一緒に並ぼうぜって言ってるようなもんだろ。大体ケーキを』
「ケーキケーキうるせえな!」
『大体お前はおれが告白しようとしている彼女のケーキの趣味を知って言ってんのか!?』
「知らねえよ!そもそもケーキってなんだよ!」
『大体生クリームが乗ってる甘いお菓子だよ!』
「ケーキは知ってるよ!」
『知らねえよって言ったから説明してやったんじゃねえかよ!』
「ケーキはもういいんだよ!」
『よくねえよ!』
「じゃあずっとケーキの話して現実逃避してろよ!ケーキケーキって言ってりゃいいだろ!パティシエでもねえのによ!なんだよ!むしろ一流パティシエに向かってケーキケーキ言えよ!鼻で笑われろ!告白の仕方をアドバイスしてくれってことだろ!?現実逃避しやがってよ!」
『…現実逃避とか言うなよ』
「ひきこもりか!」
『廊下で足音がする度に目が震えてるんだ』
「そっちの話はいいよ!しかしそんなお前が告白しようとしているなんて、応援してやりたくなったじゃねえか。ひきこもりが女と出会うかどうかは置いといて、そうだ、そもそも彼女に告白した場合、手応えというか成功しそうな雰囲気はあるの?」
『なせばなる!』
「ねえんだな…」
『必ず勝つとわかってる試合に勝っても嬉しくないだろ。負けると決めつけられた試合に負けても、なんかどうでもいいじゃん』
「どうでもいいんじゃ駄目だろ。まあ、確かにメジャーのチームとそこいらのリトルリーグチームがガチンコで試合してリトルリーグチームが負けても、どうでもいい気になるだろうけど」
『色褪せない思い出になるだろうよ』
「そうだな」
『その日から悔しさで夜も眠れねえよ』
「マイナス面で色褪せないのかよ」
『メジャーリーガーの方がな』
「適当にもほどがあるだろ」
『とにかく、なんとしても彼女と付き合いたいんだよ。付き合って付き合って付き合って、最終的には…キス』
「回収すんの面倒くさいよ。で、彼女ってどんな子なのよ?」
『彼女?彼女はスポーツが好きで』
「あ、そっち系ね」
『好きが高じてアメリカソフトボール代表の四番を打つまでになった』
「ブストス!それブストス!そいつブストス!驚異の打率5割ホームランに限っても3割!マンガか!」
『冗談だよ』
「当たり前だろ!」
『スポーツ好きが高じてじゃなくて、いつも殴り合いの喧嘩ばかりしていたハイスクール時代のブストス。ある日アメリカでは割合お嬢様がやるスポーツであるソフトボールと出会い、周りの娘らとの価値観違いや生きてきた環境に殴り合いで叩きのめしてきた敵達とは異なる種類の敵と出会い、くじけそうになるもやり場のない怒りを晴らしてくれるソフトボールを辞めることだけはせず、ブストスは来る日も来る日も』
「長い!長いよ!ブストスがアメリカ代表の四番になるまでのストーリーはバースデーとかでやるから!」
『冗談じゃねえか』
「どういう冗談だよ!」
『いや、おれが初めに冗談だよって言った部分の冗談にあたる部分は前述した全体を指していなくて、その一部をやたら長く語るっていう』
「説明しなくていいんだよ!まあ、それを聞き終えていたらおれはこう言っただろうな!お前それだと彼女ブストスのままだぜって!これでブストス終わりな!」
『そうだよ』
「本当に終わってくれ!」
『しょうがねえな』
「おう」
『本当の彼女は蛇足がとっても好きなんだ』
「そこはブストスもう一押しだろ!」
『難しいことはわかりません。蛇足がとっても好きなんです彼女は』
「まあいいや、新たな疑問が生まれたからな。蛇足が好きってどういうことだよ」
『蛇の絵を描くとあまった時間で足まで描いちゃう世間知らずなお嬢様だよ』
「まずお嬢様は蛇の絵を描かないだろ」
『いや、一応ひきこもりだというおれとお嬢様がどうして出会ったのかの方が問題じゃないか?』
「ああ、そりゃそうだな」
『解決はさせないけど』
「ふんわりかよ」
『彼女はブストスの絵を描くと足を描いちゃうような』
「またブストスかよ!ブストスには足あるよ!幽霊じゃないんだから!」
『楽しそうに叫ぶなよ』
「ちょっとな」
『しかし幽霊より怖いよな。後ろにいたら』
「相当なパワーと精密な動きを併せ持ったスタンドだな。時さえ止めかねん」
『本体もブストスだからね。ダブルブストス。打率10割』
「もういいかブストスは。しかし蛇足好きな彼女って無理あるだろ」
『それで一つよしとしようじゃねえか』
「わかったよ」
『で、どんな風に告白すればいいの?蛇足の部分どう言うの?』
「長かったはここまで…まあ、付き合って下さい、幸せにします、みたいな」
『彼女がおれと付き合って幸せになるかどうかはわからないよ。そんなもん結局彼女次第だろ』
「そうだけど」
『それにおれ別に彼女との結婚を考えているわけじゃないし』
「なんで上から目線!?」
『生ではしないし』
「生じゃないのにリアルかよ!」
『他は?』
「じゃあ、付き合って下さい、返事はメールで、とか。おい、それじゃあ呼び出す意味あんのか的な」
『それはない』
「じゃ、じゃあ、付き合って下さい、一緒に鍋でもつつこう、的な。敢えて身近なことを言っちゃうパターン?」
『なんだよそれ!?個性がないね。本気でやってんの?鍋ってお前、闇鍋でケーキ入れられたらいくら闇鍋ったって嫌だろ?』
「ケーキ?」
『次!早くしろよ!』
「う、付き合って下さい、もう僕は君無しで生きていけない。とか」
『もう最悪!重いよ!君と付き合えなければ死ぬってもう最悪じゃん!君本当に舞台立つ気あんの?』
「いつからオーディション始まった!?」
『こんなんじゃあそこいらの犬に芸を仕込ませて音楽に合わせワウワウワーワウワウワー言わせた方がましだよ!』
「完全にアニーのオーディションだよな!?トゥモロートゥモロー」
『ま、私も君に期待してるからここまで言うのだよ』
「アメとムチか!期待されて悪いが骨格の出来上がった兄ちゃんがやるアニーなんか誰も観ねえよ!」
『ああもうやめだやめ!』
「どうした」
『もう言葉なんかいらねえや!』
「とんでもないコペルニクス的転回だな」
『プレゼントだよプレゼント!女なんて粗品をあてがっておけばやらしてくれんだろ!?』
「いきなり下卑たな。まあしかしプレゼントはいいな。粗品じゃ駄目だけど。いきなりタオルとか油を贈られて中に“付き合って下さい”って書かれた紙が入ってても…ある意味斬新かもな。で、何あげるんだよ」
『ま、そうだな、タバコ、かな』
「北○○かよ」
『一本じゃないよ。カートンで』
「やめろやめろ!全然心ときめかねえよ!」
『でも指輪とか重すぎるだろ』
「対極を行き過ぎなんだよ!もうちょっとうまいところに着地点を見つけろ!」
『じゃあ…あ、あれなんかどうだろ』
「なんだよ」
『ほら、あの静電気を除去するスティック』
「ああ、金属のドアの取っ手とかにあてるやつね。キーホルダーになってるって、そんなもんあげてどうすんだ!」
『便利だろ』
「あってこまるもんじゃねえけど」
『だろ!?』
「でもこっちの恋心を伝える類のもんじゃねえよ」
『電気は通じるのに!?』
「恋は100万ボルトの衝撃だからなっておい!まあ、お前が告白しようとしている彼女がラムちゃんなら、ラムちゃんならば通じあえるかもねってバカか!」
『でもスティックって素敵じゃない?』
「ダジャレか!素敵なスティックって、いやダジャレじゃねぇ、それ素敵なステッキだったわごめんごめんってこら!」
『じゃあ何をあげれば彼女のハートを射止めることが出来るんだよ!』
「もう候補つきたのかよ。あるだろベタに花とかよ」
『どうすれば彼女のハートを射止めることが…はっ、今おれ何か大事なこと言わなかったか!?何かひらめくような』
「おれには絶望感しか感じないが」
『彼女のハートを射止める…彼女のハートを射止める…そうか!』
「なんだよ」
『彼女のハートを射止める方法それは…続きはウェブで!』
「うぜぇ」
『握力ドットコムまで』
「そこはブストスドットコムだろ」


終わり。ブストスをここまでつまらなく出来るのは地球上でおれだけ!

ボツ台本やつらの足音

「ああ、おれはなんでこんなにブサイクなんだ。デブだし。汗が臭いし。ちんこ小さいし、おもしろくもないし、はあぁ、どうせこの先一生彼女出来ないんだろうなぁ」
『ちょっと待てぇい!!』
「うわ、なんだ!?」
BGMと共に髪の毛をハードワックスでガチガチに固めたヒーロー風の男登場。「」の男に輪をかけたブサイクデブ。
『とう、ちょっと待てぇい!!』
「な、なんですかあんたは!」
『ちょっと待てぇい!!』
「なんなんですか!」
『ごめん、ちょっと待って、今呼吸整えてるから』
「そっちの意味かよ、苦しいんだ、ちょっと走ったから。ていうかおれこいつが息整うの待たない方がいいなこれ。関わり合いになりたくねえよ、逃げよ」
『ちょっと待てぇい!!』
「痛っ、ててて、痛いよ!肩をクローするな肩を!握力自慢か!いるよな握力を自慢する奴!ちょっと!なんですかあんたは!」
『よくぞ聞いた!』
「100人いたら95人は聞くよ!残りの5人は時間の有効な使い方を知ってる勝ち組だよちくしょう」
『ほう、ならば君は負け組と自覚しているのだな』
「う、ああ、当たり前だろ!見ろよおれの姿!あんたほどじゃないがこの顔この体!どう考えても負け組だろ!仮におれの年収が10億あってもイケメンのニートにかなわないよ!」
『ああ、あるある』
「納得されるとむかつくよ!なんだよ」
『いや、ブサイクあるあるだろ』
「まあ、そうだけど…で、あんた何?」
『よくぞ聞いてくれた!説明しよう!私は全国津々浦々のブサイクの味方、ブサイクマンだ!』
「大して説明してないしそのまんまにもほどがあるだろ」
『必殺技はショルダークローだ』
「うわ、登場と共に必殺技披露したことになるよそれ!いいのかよ!必殺技だよ!?必ず殺す技と書いて必殺技だよ!?おれピンピンしてるけど」
『どうだ!?』
「いや、どうだと聞かれても、ブサイクの味方だぁ?」
『凄いだろ!?』
「まあ、まあ凄いね、はいはい」
『ちなみに主な収入源はヒーロー工場のベルトコンベア作業時給650円だ』
「ただのバイトだろそれ」
『最近腰が尋常じゃないほど痛い』
「大変だな。生きていくのは」
『先月ベルトコンベアの達人高橋さん女52才がまさかの寿退社』
「退社っつうかパート辞めただけなんじゃないか?まあ知ったこっちゃないが」
『ふふふ、しかし、この事実を知っても、そんなセリフを吐けるかな?』
「なんだよ」
『ふふふ』
「なんだってば」
『ふふふ』
「………」
『ふふふ、ふふ、あはは、ははははは、ぐわっはははは』
「なんだよ!うるせえな!」
『げふっげふっ』
「むせるほど笑うなよ、なんなんだよ」
『ちょっと待って今呼吸整えるから』
「呼吸弱いなおい。よく吸って吐けを繰り返せ」
『よし、よし』
「大丈夫か」
『ふふふ、その寿退社の陰にはブサイクマンの』
「は、まさか、ブサイクマンって縁結び的な働きを」
『涙があった』
「お前狙ってたのかよ、52才の高橋さんを!?ふられてんじゃん、駄目じゃん」
『高橋さんはなぁ、高橋さんはなぁ、実年齢52才なのにどう見ても50才前後にしか見えないんだぞ!』
「いや、正解だよ!?前後の後だよ。まあ他人の熟女趣向に口出しする気はないから何も言うこたねえが」
『まさか高橋さんが95才の資産家の嫁になるとは』
「うわぁ、明らかに資産狙いじゃん。高橋さん怖いわ」
『数年後にはあのベルトコンベアは高橋さんのもの』
「そこの工場のオーナーとかよ。まあどうでもいいが」
『君!』
「なに!?用がないならおれどっか行きたいんだけど」
『君の人生に足りないものをこのブサイクマンが言い当ててみせよう!ズバリ頭に、お、のつくものだ』
「いや、見ればわかるだろ、この姿を、つまり女だ」
『え!?…いや、オリゴ糖かな、と』
「オリゴ糖ってなんだよ!女だろここは!確かに最近便秘気味だし!ヤクルト系の飲み物飲んでないけど!おれの腸内事情は今までの話と全く関係無いだろ!」
『よかったな。人生の障害が簡単に解決出来るもので』
「うん、コンビニでオリゴ糖配合のって、わああぁぁぁ!もう、わああぁぁぁ!違うよ!おれの人生に足りないものは女だ!女はコンビニで売ってねえ!」
『売っててもお前は買えねえしな』
「そうだろうけども!モテたいんだよ…」
『まさか、だろ?』
「まさかじゃねえよ!なんだよ!そんなにオリゴ糖推しだったのかよ!お前だってブサイクなんだからおれの気持ちわかるだろ!」
『いや全然』
「嘘つけ!っておれ何やってんだろ。帰ろ」
『ちょっと待てぇい!!』
「もうお前どっか行けよう!別のブサイクにかまってもらえよう」
『モテたいらしいじゃないか、…無理だろ』
「帰る!帰って枕に顔をうずめて王様の耳はロバの耳の話の床屋?みたく押し殺しながら吐露するわブサイク人生を!」
『冗談やがな』
「なんで関西弁だよ」
『モテたいのだろ?私はモテるぞ!』
「嘘つけ!」
『いや本当に。君も私を手本とし、バラ色の珍生を』
「人生な」
『珍生を』
「人生だろって!テレビ大好きか」
『まあ、私を見習えばそれなりにモテる』
「それなりかよ!それなりってお前、プラマイゼロだからな!?ブサイクはブサイクなりにモテるってことは今と期待値は変わらねえってことだろ。大体お前高橋さんのおめがねにかなわなかっただろ」
『君!人には言っていいことと悪いことがうわあぁぁぁん』
「泣くな泣くな、確かに言い過ぎたよ」
『ベロベロバァ』
「………」
『君!私には5人の愛人、すなわち、ルパンがいる!』
「愛人ならラ・マンな、ルパンが5人もいたら世界中の銀行や美術館が狙われ続け世界中の経済システムが破綻する可能性がある。いや待てよ、5人のうち4人、いやいや、5人が5人ルパンのマスクを被った偽物で本物のルパンは隣にいる銭形だってことか!?」
『私の愛人は5人中4人が還暦だけど』
「ああ、ルパンは老人にも化けるからなって、それ本当かよ!」
『そんな嘘ついてどうするというのだね』
「そりゃそうだ。熟女好きだもんな。うん。でもそれはモテているというよりもモテない同士の暇つぶしなんじゃないか。第一おれモテたいがお婆ちゃんにモテたいわけじゃない」
『残りのひとりは二十歳だ。さらにお前の絶望を煽るなら』
「煽んなよ」
『かわいい女の子だ』
「マジかよ!?」
『マジだ。本当にマジだ。金銭でどうこうとかでもなく』
「時給650円だしな」
『どんびかれようがなんだろうが本当の本当にマジなのさ』
「…証拠は?」
『この写メを見よ!併せてこのメールのやりとりを見よ!』
「どれ、どうせババアもしくはそれに準ずるような女の子なんだろ?彼女には大変悪いがおれでも遠慮するような…うわ、かわいい!ええ!?メールの内容は?つうかこいつ平気で彼女のプライバシーを侵してるな、まあいい、うわ、うわうわ、リアルだ。リアルで大好きハートマークとかある…こんなにかわいい子なのに…」
『どうだ!これがブサイクマンの実力だ!』
「くっ、確かに悔しいし羨ましいし、なんか生きていく希望がわいてきたが、だがおれに関係無いし、希望もわいてきたがそれ以上に絶望にさらされているのだが」
『君がモテないのは君の姿形故ではないのだよ!君のそのひねくれ捻り曲がった、捻り曲がって一周して逆にまっすぐになっている性根故だ!』
「まっすぐになっているんならいいんじゃねえか?」
『言っていることがよくわからないな』
「おれもわかんねえ。まあ要するにおれをモテるようにしてくれるのか?」
『黙れこのくされデブが!』
「ひでぇなおい。まあそんなこたぁ自覚してるし他人の心の声が幻聴となって聞き慣れてるからダメージ無いけど、強いてね、強いて言えばお前が言うな。と。まあ、蛇足だけどねもはやさ。おれの人生蛇足だよ。夢幻さ。絵に描いた餅だよ。絵に描いた餅を蛇足して餅をうんこにしちゃった人生だよ。あるのに無いけど確かにあるものだよ。泣きたいよ。いや、泣いてるよ。デブでブサイクな男がちょっとしたことで泣くよ。優しくされたら号泣だよ。そうなんだ。気を遣われたら泣いてしまうんだ。学生時代腕を骨折した時も周りから問い詰められるよう、かつあげされるよう心配されてさ。恥ずかしくって、嬉しくて、情けなくって、おれ、大丈夫だよ、って言ってギプスガンガン殴ったんだ。ガンガンガンガン殴って添え木変形するほど殴って医者にたしなめられて、ジンジン痛んで来て、家に帰って泣いたよ。悲しいことは世に掃き捨てるほど溢れているというのにわざわざ人造してさ。掃き捨てられた悲しみは吹き溜まりに積もった枯れ葉の如く溜まり溜まってあらゆるヒエラルキーを作り上げるんだ。ヒエラルキーは安住だよ。何かに決められることは安心だよ。自由だよ。枠
があることで人はその能力を全開出来るんだ。100パーセントってことは自由だからねあああああ」
『さて、ちなみに』
「またちなむのかお前は」
『ちなみに私はかっこいい』
「どうしてその結論に至れた!?論文にまとめて学会に提出してくれ」
『君は私の表面しかみていない』
「会って数分だがどうやら性格の方もやっかいだと思うおれがいる」
『ふふん、そう言ってられるのも今のうちだ』
「なんだっつうんだよ」
『またまたこれを見よ!この写メを!』
「なんだよ」
『それは私のパパとママのハネムーン時の、いわゆるその、初夜終わりの火照っている瞬間の写真を写メしたものだ!』
「あんまり見たくねえなぁ、どれ、うわ、2人とも整った顔してんじゃん」
『いやらしい目で見るなよ』
「得た情報が多すぎてさすがにそう見れねえよ」
『そして、これは私の子供の頃の写真を写メしたものだ!』
「わざわざ写真を写メしたものだって言わなくてもいいだろ。わかるよそのぐらい。どれどれ、ああ、かわいいじゃん」
『だろ?』
「今は見る影ないけどな」
『私はかっこいい』
「いや、現実を、リアルタイムを見ろよ。過去には戻れないんだぜ?」
『おれの遺伝子はかっこいい』
「そこまでミクロで!?せめて虫眼鏡で見れる範囲でかっこよさをアピールしてくれねえかな!?まあなんつうかそう言い切られると逆に爽快だわ」
『現在の姿形め性格も社会的地位や収入も糞だけど』
「自覚してたんだ。今更だけど社会的地位が糞ってお前ヒーローじゃなかったか?」
『しかし、遺伝子はかっこいい』
「そうかもな」
『DNAイケメン、いや、DNAジゴロだ。もうモテモテ』
「お前のその自信は一体どこからわいてくるんだ?あ、DNAか。納得しちゃったよ」
『君にもどこか自慢出来るところが一つぐらいあるはずだ。探せば』
「まあ確かにお前はよく探したな。なんかそう思えてきたよ。お前見てるとおれはただ内にこもってうだうだやっていただけなのかもしれないな」
『私の自慢すべきポイントはまず握力』
「そこはDNAだろ」


終わり。最悪…まあボツシリーズ自体最悪