まどろもえ | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

まどろもえ

生きている実感は無いけど死んでいわけじゃない。誰からも生きているとは認識されない。じゃあ死ねよ。今すぐ死ね。おれが殺してやる。言われたよ。そりゃそうかもな。身を任せてみた。ベッドの上。死にたい。口癖だった。だけど、案外体って素直で反射で、押し付けられた枕の隙間を見つけて息してた。長いトンネルで息を止めきったって思ってたら意思に反して静かに鼻で息してたみたいに。上に乗った人が喉仏を体重を乗せた膝で何度も何度もぶち当ててきたけど、残念、格闘技歴のある僕には、まだまだ余裕あるな、なんて考えたりして。遅漏のセックスみたく、あまりに何度も何度も、費やすものだから、段々むかついて来た。突然来てこいつはナンだ?上に乗った男はつぶやく。殺してやる。殺してやる。お前を殺してもお前のお父さんお母さんは了解するさ。正当防衛にしてやる。そんな程度の命。久しぶりに思った。お前に何がわかる。いや、わからないから生きてないんだ。殺してやろうかなと思った。僕はこいつ殺して牢屋に入ってもいいって思った。簡単に殺せる。そんな程度の命。僕は我ながら生きても死んでもいないけど、上の人も僕がその気になれば死ぬ
から、生死の境界線を漂っている。依存と急性。たゆたっている。僕はなんだかバカらしくなって、立ち上がると今や下になった人に一瞥をくれると部屋を出た。バカらしい風が吹きすさぶ冬の街で短パンにTシャツ。脚がいうことをきかない。ガクガクと嘘みたいに震える。財布も携帯電話も持ってきていない。とにかく、震えていたかった。何も考えず何かにやられてしまいたかった。相手がいない分その思いはとても強かった。コンクリートで囲まれた団地の階段下の物置で寝てしまおう。寝てしまおう。僕は息が甘くなるまでは確かに。