―回路定数を決定―
500 Fの電気二重層キャパシタに2.5 Vになるまでに充電することを考えます。溜まる電気量は500×2.5=1250 Cです。もし,1 A流して充電するとすると,1250秒=20分50秒かかります。これでは,効率が悪くて実用になりません。10 Aだと,125秒=2分5秒でまあまあです。8 Aだと約2分36秒です。したがって,8~10 Aで充電したいと思います。
1つのトランジスタに8~10 A流すのは,放熱も大変なので,1つのトランジスタには2~2.5 A流す様にして,4個の定電流電源を形成して合わせて流す様にしたいと思います。定電圧電源の場合は電池の様なものなので直列が可能です(アースの処理をきちんとしなければなりません)。同様に考えると,定電流電源では並列が可能です。ですから,今回の構想は問題ないはずです。
トランジスタは2SA1640を購入しました。耐圧30 V,コレクタ電流の定格7 Aです。最大コレクタ損失は40 Wです。今回の使い方では,2.5 Aの電流で,トランジスタには最大10 Vかかります。発熱量は25 Wとなります。放熱を充分にしてやれば問題ないでしょう。電流増幅率は100~300となっています。
とりあえずおおざっぱに回路常数を決め,実際に実験をやって微調整しようと思います。R(E)にかかる電圧は,おおざっぱに2 Vとします。1つのトランジスタ当たり2 A流すとするとR(E)は1 Ωということになります。発熱量は2^2/1=4 Wですが,10 Wの抵抗器を買ってきました。エミッタ-ベース間電圧などを考慮すると2 A流れないかも知れません。以降のテストで,並列に抵抗を入れることで調整したいと思います。
ベースに流れる電流は,(エミッタに流れる電流)/(電流増幅率hfe)です。R(Z)にはそれ以上の電流が流れる様に設計する必要があります。R(Z)には電源電圧を12 Vとすると10 Vかかります。使うトランジスタのhfeは最低100ですので,R(Z)には2/100=20 mA流せば良いでしょう。更に,2.5 A流すとすると25 mA流せばよいことになります。余裕をもって33 mA流すとすると,抵抗値は10/0.033≈300 Ωということになります。発熱量は10×0.033=0.33 Wです。手持ちの100 Ω 1/4 Wを3本直列にすることにします。W数も余裕がでます。