ドリルの刃が折れた  | 技術日誌

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ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

 アルミの放熱器の5 mm程の厚さの所にM3のねじ山を切るため,φ2.6 mmの穴を開けている途中でドリルの刃が折れました。これまで,ドリルの刃が折れるのはハンドドリルで曲げてしまったときかと思っていました。しかし,今回はボール盤で安定して垂直にドリル刃が入っています。そして,アルミの反対側が盛り上がり,もうちょっとで貫通するところだったのです。思い出してみると,このように,もうちょっとで貫通する手前で折れたことが何度もありました。

 ネットで調べて目から鱗が落ちました。ドリル刃が貫通する手前で反対側にドリル刃の先端が出始めるとき,刃が金属を噛んでしまい,細いドリルでは回転力により捻り折られてしまうのです。だから,“もうちょっとで貫通”と言うときに折れたのです。貫通直前になると,最初に抜ける中央部分は押し返す力がなくなり,周囲の狭い部分だけに押す力が集中します。実質的に押す圧力が高くなり噛んでしまう訳です。

 貫通直前で折れる理由が分かりました。今後,貫通直前には特に気を付けて,押す力を緩めたいと思います。ところで,今回は折れたボール盤側のドリル刃をアルミの膨らみかけているところに当てて,金槌でたたき,折れた先端部分を押し出すことに成功しました。