―電源はどうするか―
電源回路としては,トランスで必要な電圧に落とし,全波整流して平滑するのが簡単で普通です(図参照)。例えばトランスで100 Vから12 Vに落として全波整流して,電解コンデンサで平滑します。そこでどの程度の電解コンデンサを用いれば良いか考えてみました。10 A流すことで考えてみます。全波整流された電圧が下がっていくとき,平滑コンデンサが放電して,電圧を保とうとします。しかし,放電によりコンデンサの電圧は下がっていきます。電解コンデンサとしては大きめの1,000 μFを用いて,10 A放電したときの電圧の降下率は-10,000 V/secとなります。一方,12 Vの交流を全波整流したときの電圧の最大降下率は-5,340 V/secです。すなわち,コンデンサの電圧降下率の方が大きいのです。コンデンサの平滑作用は全くないことになります。平滑コンデンサにあまり大きなものを使うとスイッチを入れたときの投入電流が大きくなり,別の対策も必要になります。
ところで,スイッチング電源は,高い周波数で行っているため平滑コンデンサも小さめで済みます。スイッチング電源を作るのはまた手間がかかるので,既製のものを購入することにしました。アマゾンで注文したところ納品は正月になるようです。とりあえず,手持ちのパソコン用電源を用いて実験を続けることにします。