今回は鳴海柏神社(なるみてがしじんじゃ)。所在地:犬山市羽黒成海郷 109 
訪問日:2009年12月5日

     507句は次の通りである。
      冬めきて鳥居どこかよ見当たらぬ      (桐山芳夫)
 これまで巡回してきた神社は鳥居が設けられていた。たとえ参道がなく、道路際に造作された神社でも鳥居があった。熱田神宮のような大神社などでは第一鳥居、第二鳥居、さらには第三鳥居まで造作されていた。ところが、当社には社碑だけあって、鳥居が見当たらない。

     508句は次の通りである。
      境内に見つけし鳥居紅葉落つ         (桐山芳夫)
 よもや境内に鳥居?。本殿の直前に石の鳥居があった。まるで境内社のような造作である。それとも社碑と鳥居の短い間が参道なのだろうか?。面食らったのはこの私だけだろうか。

     509句は次の通りである。
      鳥居前一面紅葉美しや            (桐山芳夫)
   石の鳥居の前面に真っ赤な枯葉が地面全面に散り敷いていた。足の踏み場もないくらい、まんべんなく。枯葉がいっぱいに散り敷いているのは、なんとも壮観で美しかった。

     510句は次の通りである。
      綱張りて出雲大社を彷彿す          (桐山芳夫)
 拝殿の奥が本殿である。本殿の前に綱を張り、どこかで見た神社という気がした。しばらく考えて思い出した。そうそう島根県の出雲大社だ。巨大な綱を作って張り出してある。比較にならないが、当社の本殿がやはり出雲大社風だ。してみると当社は出雲系の神社に相違ない。

     511句は次の通りである。
      冬に入る龍神祀るお百姓           (桐山芳夫)
 当社の祭神は山岬多良斯神(やまさきたらしのかみ)。出雲の大国主命の末裔で出雲系と言われている。が、明治45年になってから祭神を高於加美神(たかおかみのかみ)とする貴船社を合祀し、追加。この神は竜神、すなわち水神である。農民の方々は水田の取り入れを感謝して竜神を祀っているのだろうか。

                 (2022年2月18日)