今回は若栗神社(わかぐりじんじゃ)。一宮市島村南裏山75。
訪問日:2009年12月15日

     551句は次の通りである。
      名にし負う栗の実落ちしやしろかな      (桐山芳夫)
 一宮市北端部の木曽川沿いに式内社が密集している。式内社といえば、1100年ほども前に記された神社だ。一社だけでも珍しいのにわずか2キロ圏内に9社も集中している。その中心的神社の一つが若栗神社である。

     552句は次の通りである。
      どんぐりや小橋を進む参道を         (桐山芳夫)
 第一の鳥居をくぐってしばらく歩むと小さな橋がある。若栗橋という橋だ。古い神社の特徴を備えた作りになっている。近年の神社は鳥居をくぐるとすぐ本殿。ところが、ここ若草神社は参道が形成され、おまけに参道中に橋がある。この橋を渡らないと第二の鳥居にたどり付けない造作になっている。

     553句は次の通りである。
      透垣の先に拝殿とんぼ飛ぶ          (桐山芳夫)
   先述の若栗橋は古く、大正4年(1915年)4月の銘が刻まれている。第2の鳥居をくぐると正面に白い透垣(すいがい)が見える。その背後が拝殿である。トンボが飛んでいた。

     554句は次の通りである。
      堂々と冬場の本殿奥にあり         (桐山芳夫)
 拝殿の石段を上がって合掌した後、本殿は堂々たる雰囲気を醸し出していた。さすが、旧県社の構えだ。当社の祭神は天押帶日子命(あめおしたらしひこのみこと)。第五代孝昭天皇の御子とされている。孝昭天皇は欠史八代の、真っ只中に位置する天皇である。

     555句は次の通りである。
      珍しや立派な社務所枯葉舞う         (桐山芳夫)
 当社にはあまり見かけない立派な社務所が造られている。神社の用務はもとより、神社の祭礼、地元の様々な行事や集会に活用されているに相違ない。

                  (2022年4月22日)