今回は大野神社(おおのじんじゃ)。所在地:一宮市浅井町大野郷東1042
訪問日:2009年12月12日

     531句は次の通りである。
      近在に神社多し冬の朝          ()
 大野神社は木曽川堤防に近いけれど、どこのあたりを下っていったらいいのか迷う。意冨利部神社、大毛神社、神明社、石刀神社、八剱社等ともかく神社が多い。神社らしい所を見つけて車を停めてもなかなか目的の大野神社にたどりつけない。

     532句は次の通りである。
      いきなりの鳥居くぐりて枯葉落つ      (桐山芳夫)
 当社を探し当てて、車を降りると、目の前に鳥居があってコンパクトな神社である。参道はなく、すぐ境内である。神橋や透垣(すいがい)はなく、いきなり正面に神楽殿が見える。鳥居の裏面には明治40年の刻印があった。1907年だからざっと110年余前の建立だ。

     533句は次の通りである。
      冬風に神楽殿中三四人         (桐山芳夫)
 冬場に人が三、四人いて、なにやら話していた。冬場で神楽を舞う季節ではない。何かの打ち合わせを行っている様子だった。

     534句は次の通りである。
      冬景色拝殿に向かい合掌す        (桐山芳夫)
 神楽殿をり越し通り越し、拝殿に進んで両手を合わせる。式内社調査によると、祭神は誉田別命ほむだわけのみこと)、天照大神、建水方神(たけみなかたのかみ)の3神とし、菅原道真公を合祀している、

     535句は次の通りである。
      冬風と川の氾濫に苛まれ         (桐山芳夫)
 大河の木曽川の氾濫に人々はたびたび襲われ、苛まれたことであろう。そして、新田開発にも力が注がれ、水害に対する畏敬の念が生まれたに相違ない。この一帯に神社が多い理由も宜なるかなである。

                  (2022年3月25日)