西洋占星術を掘り下げるシリーズ、今回はわたしも目から鱗だったアセンダントアンケートの結果をまとめてみました!
西洋占星術のホロスコープは、12星座が丸く円になっていて、ぐるぐる回っています。
1年かけて12星座を一回りするのは、地球が太陽の周りを1年かけて回っている「公転」の動きです。
12の星座が順番に東の地平からのぼって西に沈み、翌朝また東からのぼってくるのは、地球の「自転」の動きです。
そして、アセンダントとは、生まれたときに東の地平線にいた星座。これが西洋占星術では、とても重要なのです。
【閑話休題】中学3年生の地学のお話
1日に12星座を回るとなると、どの星座が何時にどこに見えるか、毎日ぴったり同じのはずです…が。公転の影響で、1ヶ月に30度ずつずれていきます。
そして、ちょうど1年で12星座を1周します。
つまり同じ場所、同じ月日時間に空を見上げたときに、どこにどの星座がいるかは毎年同じなのです。
なので、同じ場所で、同じ月、日、時間に生まれた人は、年齢が違ってもアセンダントは同じです。
↑これを理解し、確認するのに、中学3年生の地学の動画が役立ちました!ありがたい!
ほんと面白い! 星座と天体!
以上閑話休題おわり。
いよいよ今回の核心。
毎日12星座を24時間で1周していて、各星座とも正確に30度ずつ等分されてるのだから、1星座あたり2時間……と思うでしょう。基本的にはそうなのです。赤道直下で計れば、ね。
でも、地球の自転軸は、23度かたむいているので、高緯度地方だと不思議なことになります。
ある星座は、あっというまにアセンダントを通り過ぎ、ある星座は、のろのろと進んでいくのです。
まず、自転軸に対して、公転面が傾いているとどうなるのかを、ガチャガチャケースで再現してみたので見てみてください。
星座は、東の地平線からこんなふうに波状に上昇していきます。そのとき、赤道直下と、高緯度地方だと、こんなふうに違うわけです。
カーブ上ではどちらも等間隔なのに、高緯度地方だと、横倒しになった魚座と牡羊座は、早く上昇していきます。そして獅子座、乙女座、天秤座、蠍座は、ゆっくりと上昇します。
アセンダント星座は、伸び縮みするのです!
ちなみにこれは北半球の図で、南半球だと星座が逆になります。
この図は、10世紀のアラビアの学者、アル・ビールーニーの著書「占星術教程の書」(*参考文献)からの抜粋です。
当時はまだバリバリ天動説の時代ながら、数学や天文学は恐ろしいほど進んでいて、天体の運行を正確に割り出すことができていました。
日本は、南北に長く、占星術発祥地から考えると、結構な高緯度地帯です。
上の図の通りなら、日本生まれには、魚座、牡羊座アセンダントが少ないということになります。計算上は、2倍くらいの差があります。ほんとかいな?
ということで、アンケートとってみました。
生まれ星座ではなく、「アセンダント」なので、知らない方も多いと思いますが、そんな中、743名の方にご協力いただきました。
キリヤ(高橋桐矢)@kiriya_t
【アセンダントは片寄っている、調査!】 日本はわりと高緯度地帯なので、アセンダント牡羊座・魚座は少なく、獅子座・乙女座と天秤座・蠍座は倍くらい多いはず!(これらの2組はセットなのです) あなたのアセンダントを教えてください〜! (アセンダント)
2020年11月18日 00:44
あけてビックリ!!!
ほんとに、魚座と牡羊座は少なかった!!!
わたしのTwitterでの呼びかけということで、趣味嗜好が片寄っている可能性はありますが、それでも、これほど、ハッキリとした結果が出たことに驚きました。
アセンダントの偏りは、緯度の違いによるものなので、日本と同程度の緯度の地域であれば同様の結果となります。それが国々の国民的な特徴にも関わってきているのかもしれません。
実際に古典占星術では、クリマと呼ばれる緯度帯によって、住民の性質が違ってくるという考え方がありました。
占星術はやっぱりすごいし、面白いです!!!
ということで今回は、ハウス分割で重要な「アセンダント」について、深掘りでした。
ハウス問題まだ続きます。
*参考文献
<原典翻訳> アブー・ライハーン・ムハンマド・イブン・ アフマド・アル=ビールーニー著『占星術教程の書』(1)
原典翻訳;アブー・ライハーン・ムハンマド・イブン・アフマド・アル=ビールーニー著『占星術教程の書』(2)
原典翻訳;アブー・ライハーン・ムハンマド・イブン・アフマド・アル=ビールーニー著『占星術教程の書』(3)
【西洋占星術を掘り下げるシリーズはこちら↓】
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