羽織をほどく | よくいうかいえ ( Cahier)

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古布リメイク作家のつれづれ日記

こんにちは、 古布リメイク・デザイナー あきやま幾代です



数回しか着用していない綺麗な総絞りの羽織があります。

哀しい事に、不要となりゴミとして処分されるところでした・・・

アトリエには一生遣い切れない程の着物の在庫があります。

伊豆高原から1年前に移転する際に、思い切り片付けて来ましたが
たまプラーザの小さな家で窮屈でもなんとか納めている状態です。

それでも、捨てられてしまうと聞くと放って置けません。
そうして処分を免れて集まって来た中の1枚の羽織を久々に解くことにしました。

昨日針供養も済ませた事ですし、何かにリメイクしてみようと思います。

それでは、「いきいき」雑誌にはとっくに「着物の解き方」を紹介してありますが
こちらで、手順を簡単にご案内してみましょう。

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初めに羽織の写真を撮っておけば良かったです。

思い立つと直ぐに手が動いてしまう性質なのでして・・・
新しい羽織なので簡単に糸を抜く事が出来ました。

躾糸が付いているところもあり、丹精して縫った方には
申し訳ないような気がしますが、素敵に活かす事ためにと考えて
全て解いて元の布に戻します。

広げると、画像の通り 洗い張り屋さんに出せば元の12メートルの
布に戻ります。 (ここが和布の素晴らしさでして、日本の誇る伝統です!)

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解いたら、サッ洗剤を使ってぬるま湯で洗います。
(絞りが伸びてしまいますが、洋服にすれば伸びるものは伸びてしまうので
初めから変化を有るがままに受け止めます。
色が抜け出しても、大丈夫。 ある程度色落ちするものは
落とした方が後の心配がありませんので・・・)


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洗濯機で数十秒脱水します。

(数枚の着物を解いた時は、ネットに入れて洗濯機のソフト洗いでも大丈夫です。)

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我が家には、洗濯物干しを室内に取り付けました。
不要な時は、フックを外せます。

日当たりが良い窓際で、来客の時も比較的気にならない場所をと
狭い室内の工夫を凝らしました。

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生乾きの時にアイロン掛けをします。

不要カレンダー(集めのチラシでも良いです。)
1枚を直径15ミリ程に巻いて心棒を作り、シワを伸ばしたら
巻き取っていきます。

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アイロンはなるべく布幅を一定に保ちながら掛けて行きます。
キュッキュと締め気味に巻くと布幅も安定して保存できます。


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羽織の襟と袖2枚分と見頃2枚分と別々に巻き嵩張らないし、
糸が絡まらないで使い易くなります。

袖口布と襠(まち)布などの幅の狭い布も別に巻いて置きます。


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羽織に付いている紐(乳を付けたまま)もとっておきます。

タッセルに加工してアクセサリーに使います。
何も捨てるものはありません、
アイディアで全て使い切る工夫をして行きますので
実際のリメイクはこの後続けて参りましょう・・・

さぁ、何を作りましょうか~。



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