お盆前に読み終わった本について書き忘れていた。
『カーテンコール!』 加納朋子
全然知らない作家さんだったけれど、この前ミステリーのアンソロジーで1作読んだ。
その短編の内容は忘れてしまった。(ひどい!)
でもこの加納朋子さんは影響を受けた作家の作品として、あの「DL2号機事件」を挙げていたのだ。
昔から愛読していた泡坂妻夫さんの、それもデビュー作にスポットを当ててくれた加納さんに、大いなる共感を表すつもりで本書を借りた。
(それなら買いなさいよ)
図書館には何冊かの彼女の作品が並んでいた。
「か」の作家の棚も勿論何度も見ていたはずだが、今までスルーしていたんだろう。
どうせなら普段の僕が借りそうもないタイトルと装丁の本にしようと借りたのがこの『カーテンコール!』だ。
今期で閉校が決まっている女子大の寮が舞台。
集められた「寮生」は全員単位不足で卒業できず、学長先生の直接指導による補講で卒業を目指す(或いはそのように強制される)。
スマホや外出を取り上げられた彼女たちが、半年間でそれぞれの抱えた「事情」と向き合っていく姿を描いた連作短編集であった。
表紙とタイトルが示す通り、おじさんには似合わない可愛いデコレーションを施された甘いケーキと思われる設定だった。
しかしながらこのケーキは大量生産のクリスマスセール品ではなかった。
スポンジもクリームも本格で、絶妙の舌触りと味の深みがある、一流の職人が作る逸品であった。
使われているフルーツはどれも厳選されていて、それぞれの甘味や酸味が複雑にカラマーゾフの兄弟。
(くだらんダジャレは昨日BSでまた「寅次郎夕焼け小焼け」を観ちゃった影響です)
ひと口目だけでもうまいが、あと味が二口目、三口目とカラマーゾフで、次々神田の大雅堂、あっという間に終いまで池ノ内青観。
もうなんだかわかんない。
加納朋子先生は素晴らしい。
流石泡坂妻夫を師に選んだかただ。
バンザーイ!
バンザーイ!
というとても面白い作品でした。
途中まで真面目に書いてたのにねえ。
でもホントに読んで良かったよ。

