宮前区役所に併設されている図書館へ通って、雑誌を繰ったり
小説を借りて来て読書を愉しんでいる。
坂道の険しい地域であるが、運動を兼ねて15分ほど自転車に
乗って行くには丁度良いコースである。
しかし、これからの季節はきついだろうな・・・
「泣きどころ人物誌」 戸板康二著
30人以上の容貌姿勢・性格・生き方を書いた本である。
興味を持って読み、印象に残ったのは
「三浦 環の体重」「三島由紀夫の”太宰治”」「市川久女八のさらし木綿」
「松井須磨子の香水」「天津乙女の白襟」「溝口健二の純情」
「林芙美子の母性本能」「泉鏡花の病菌恐怖」
タイトルからして面白そうでしょう。
他は余り馴染みの無い人物伝なので、省く。
こちらは、「女人紋様」 安西篤子著
「歴史に名を残した女性達の生涯を描いているが、出来る限り
彼女達の心情を思いやり、訛伝があれば正して行く。
これまで一般に流布されてきた人物像の別の側面を掘り起こしたかった。」と
著者が言うように、48人の女性達の生き生きとしている事といったらない!
「ただようー定子」「あらがうー静」「祈るー千姫」「義挙のかげにーお軽」
「狂うーお七」「罠ー絵島」「燃えるー北条政子」「貞操ー袈裟御前」
「幼馴染ー巴御前」「観照ー紫式部」「明るくー清少納言」「奔放にー額田王」
「乱世の女ー淀殿」「舞うー出雲のお国」「散るー細川ガラシャ」「泥中の花ー梅川」
「さうらうー唐人お吉」 「黙しつつーお市の方」 などなど。
大河ドラマにも登場しているヒロインだけでなく歴史の中で男達に
翻弄されているばかりではない気丈な女性の姿に健気さや憐れみを感じつつ
大いに、勇気を授かったような気がしたものである。
また、歌舞伎や文楽や能舞台で観賞しているヒロイン達の細やかな感情や
背景に迫る事情などが示されており、興味深く読めた。
手に取った本が共通する、人物像や素行を描いた内容であったので
自然とそれぞれの人物の持つ愛すべき一面に触れる事が出来た。
己と向き合う事が大切なこの時期 先達の示唆を得られたらと
願って読んでみた。
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