今日はガッツリ平日でお仕事でしたので、
フォレスト削除予定の15時…には確認できず、
15:15頃、仕事中だけどトイレに行って確認したら、
まだ見れて、412681人目でした。
長年、閲覧していただいた皆様、ありがとうございました。
その後、17時頃にはもう見れなくなっていたので
管理人が確認したカウントは、これが最後かなぁ。
実はまだ新しいところに6割ほどしか移動できていませんが、
全て移動できる下準備は完了しました。
昨日と今朝は、とりあえずいろいろ保存作業しました。
拍手の小話は、たぶん全部回収したけど、
航海士の用語辞典を作っていた大量の解説部品たちは回収し損ねました。
いや、あれ、どうやって回収するんだよ…言葉や用語一つ一つ表示してコピペしてたら膨大な量じゃん。
まあ、個人的には帆船の歴史事典や帆船博物誌や手元に資料たくさんあるので支障ないですけど。
これで、仕事の合間に保存しておいたヤツをポツポツアップロードして再構築します。
とりあえず、陽光の話を全部表示できる形にしたら、こっちにもリンク置きます。
ま、誰でもフライングで見に行けますけど。
新しいところの良い点は、広告が一切無いことです。(鍵も名前変換もないけどね)
♪あーるーはれたー ひーるーさがりー いちばーへ続く道~
手枷足枷をつけたロイが乗った荷馬車。
ドジーが手綱を引いていく。
「換金したお金で船を取り戻したら、必ず助けにいきますからね~っ!」
トム&コリンとファジーが、手を振り、ハンカチを振り、涙を流しながら見送っていた。
度重なるシリウス海賊団への攻撃は、常にリカー海賊団が船の修理をする損害を被り、そのためにかさんでしまった借金。
今回、とうとう、大切な船を借金のカタにとられてしまったのだ。
せっかく、いろいろとアクドイことをして蓄えておいた財宝も全て換金し尽くしたが、あとわずか、借金返済に足りない。
結局、身売りしてとりあえず金を作ることになり、見目麗しく一番高く売れそうなロイが人身売買の市場へ行くこととなったのだった。
「頼んだぞー。それまで、オレは靴で踏まれても、鞭で打たれても、檻の中に監禁されても、喜びの声を耐えて、おまえたちが助けに来るのをまっているからなぁぁぁっ」
高く売れるよう、精一杯飾り立てたロイが、涙を流して見送られている。
♪ドナドナドーナ、ドーナー、ロイを乗せてー
♪ドナドナドーナ、ドーナー、荷馬車が揺れるー
どこからともなく響く、BGM。
そんな、涙あふれる光景をたまたま通りかかったハヤテとシンが、冷めた目で眺めた。
「なあ、シン、あいつら何してんの?」
「ロイが身売りするらしいな…」
「あの、ロイを乗せてる荷馬車の方が、高く売れね?」
「だろうな」
みんなのために売られてゆくロイのため、各々の船員が用意した餞別。
ファジーがポケットマネーで用意したのは、金銀財宝で飾り立てた荷馬車。
トム&コリンがポケットマネーで用意したのは、金銀で作られた手枷と足枷。
ドジーがポケットマネーで用意したのは、真っ白な毛並みの立派な馬。
「オレの新たな門出のために、みんなありがとう~っ」
惜別と感涙の涙が止まらないロイであった。
「シンさん、髪の毛伸ばさないんですか?」
シンさんは怒ったように私を見下ろした。

「見ての通り、ここまで長いと邪魔だな。特に、風が強い時には舵の支障になる。髪がロープに絡まったら、仕事にならないからな」
そっか…確かに、髪の毛がロープに絡まったら、痛いよね・・・…。
うつむいた視界で、腰まであるシンさんの髪が、ふわりと揺れる。
ソウシ先生の話では、あと数分でシンさんの髪はもとの長さに戻っちゃうみたいだけど…。
サラサラしてて触り心地、良さそうだなぁ、シンさんの髪……。
「この手で、何をする気だ?」
思わずシンさんの腰で揺れる髪に伸ばしかけた手を、掴まれる。
「エロい奴だな…」
「え? あ、違いますっ」
反射的に見上げた顔の前に、私を覗き込むシンさんの顔があった。
「何が違うんだ? 物欲しそうなエロい顔して」
「えっと…」
シンさんの髪が、サラサラと降ってくる。
「ちっ…」
鬱陶しそうに降ってくる髪を手でかきあげてシンさんは、噛みつくみたいなキス……
反射的に私は目を閉じた。
ふっと、周りが明るくなって、シンさんが離れる。
「フン…」
「あ」
目を開いた先にいたのは、いつもの髪の長さに戻ったシンさん…。
「何か不満か?」
「い、いえ……」
ホントは、もう少し髪の長いシンさんと居たかったけれど…言ったら怒られるよね。
……………………………………………

「あれ? シン、もう戻っちゃったんだ? ザンネン」
ドクターがいつもの調子でシンに笑いかける。
「………」
シンは相変わらず冷たい一瞥でドクターに応えた。
「あはは。嫌われちゃったかな。ゴメンね。トワに試すつもりだったんだけど、うっかり渡す薬を間違えちゃって」
「…仕事にならないので、ああいう悪戯はやめてもらいたいですね」
「仕事にならないのはシン? それとも…」
「……」
シンはドクターに応えずに、航海室へ入って行った。
長髪になったシンに見蕩れてたアイツは、確かに、全く仕事にならなかったな。
俺が頼んだ仕事も、何一つできてねぇ。
だが、惚れた相手にあんなに熱い眼差しで見つめられたら、シンだって仕事にならなかっただろう。
「あ、ナギさんっ。すいませんっ。えっと…何でしたっけ?」
アイツが俺を見つけて駆け寄ってきたが、俺に何を頼まれたのかすら、覚えていねぇらしい。
「倉庫から玉ねぎを5つ、だ」
「あっ、そうでしたね。すぐ、取ってきます」
パタパタと倉庫へ走っていく。
アイツの顔、頬や耳が赤いのは…シン、だろうな…。
「あんな姿見せつけられると、ちょっと、ショックだよねぇ…」
隣りへ来たドクターがにこやかに言う。
「ナギも髪、伸ばしてみる?」
「ドクター、1週間朝飯抜きにしますか?」
「あはははは。それは困るなあ…」
玉ねぎを抱えたアイツが倉庫から出てくる。
俺は、厨房へ戻った。
前触れもなく背中を預けてきたハヤテに、シンは怪訝そうな視線を向けた。
「おい…」
明らかに迷惑そうなシンを無視して、ハヤテが言う。
「なあ、俺ら、あの山超えるんだよな?」
「……それがどうした?」
シリウス号が停泊しているのは、二人が居る場所から、ちょうど島の反対側である。
シンとハヤテが宝を探しに入った洞窟は、お決まりのパターンで宝を手に入れた途端に崩落した。
崩落を逃れて地上に出てみれば、完全に仲間が待つ場所の反対側。
全速力で走って流石に息があがった二人は、しばし休んで呼吸を整えていたのだが…。
「あの山、めちゃくちゃ高いぞ。上の方、雲に隠れてて見えねーじゃん。他の道探した方が良くねえ?」
ハヤテの言葉に、シンがため息をついた。
「相変わらずバカだな。サルは何でも登りたがる…」
「は? 別に俺はあのくらいの山を越えることなんか何でもねーけど。シンにはキツくねぇ?」
「……山の向こう側へ行くのが目的だ」
「だから、山の向こうへ行くってことは、あの山を越えなきゃなんねーだろ? 洞窟は無くなっちまったんだからさ」
シンは憐れむようにハヤテを見る。
「なら、ハヤテはこのまま真っ直ぐ行ってあの山を越えろ。お前がサルよろしくあの山をよじ登っている間に、俺は、草原を歩いて船に戻る。その方が確実に速いからな」
「…え?」
ハヤテがシンの言葉を理解する前に、シンはすっと立ち上がった。
その背に寄りかかっていたハヤテが、支えを失ってバランスを崩しかけ、慌てて体を起こす。
「……? どういうことだ?」
ハヤテは前方の山をよく眺めてみた。
絶壁のようにそびえていて、とてつもなく高い山である。雲に隠れて頂上が見えない。
そして、シンが進んでいく海辺の草原。
そういえば、この島に来た時、船で島の周りを一周したのだ。
確か槍のように突き出た山の周囲を草原が取り囲んでいたのが、見張り台から見えたような気がする。
シンのように島を一周しただけで島のおおよその地形を覚えたりはできないが…。
「ま、待てよ、シンっ」
ハヤテは急いでシンを追うのだった。
「ちっ……」
メインマストの見張り台で銃を手にしたシンが、狙いを定めた直後に舌打ちした。
この角度から敵を撃つと、甲板にいる仲間を巻き添えにしかねない。
いや、大抵の仲間は、簡単に弾を察して避けるだろうと知っている。
だが、見習いのトワには、まだ無理だ。
おまけに、襲撃があったら真っ先に隠れるように何度も言っている恋人が、また隠れもせず、シンが撃とうとした敵の向こうでデッキブラシを持って応戦しようとしているのだ。
「バカが…」
これでは、危なっかし過ぎて、とても撃つ気になれない。
ふと、甲板で戦っていたナギが、前方のフォアマストの帆桁に鎖の反動を利用して飛び上がり、降り立つ姿が見えた。使える、と判断したのは一瞬。
「ナギっ」
呼ぶと同時に、シンの足はそれまで立っていた見張り台の手すりを蹴っていた。
風を孕んだシンのコートが帆のように広がる。
手にした銃から出た弾は、正確に敵の腕を貫いた。
その直後に、カン、と音が響く。
敵の腕を貫通して流れた銃弾が船を傷つける前に、リュウガが剣で海へ弾き落とした音だった。
落下するシンの右手にナギの鎖が巻きつき、振り子のようにその身体を帆桁へ引き上げる。
「…おい、アレ、なんとかしろ」
厳しい表情のナギに、不機嫌そうなシンが頷く。
「…ああ…判ってる」
返事をしながら再びシンが銃を撃つと、デッキブラシを手にした恋人に近づこうとした敵が倒れる。
「…ったく。あのバカが…」
帆桁のフートロープを使って素早く甲板に降り立ったシンが、デッキブラシで応戦中の恋人の腰を捕え、引きずるように船室へ向かう。
「えぇっ、ちょ、シンさんっ」
「邪魔だ」
有無を言わせぬ一言。同時に、連続するシンの銃声。
自分のせいでシンが攻撃できなかったのだと理解した恋人は、大人しく船室へ避難した。
「おい、シン、航路の計算まだか? 早くしろ。日が暮れちまう」
ノックも無しで航海室へやってきたリュウガ船長に、シンさんは冷たい視線を向けた。
「まだです。海流の複雑な海域を突っ切らなければ、もっと早く計算できますが」
「んな回り道したら、別の客に獲られちまうだろうが」
船長の言葉に、シンさんは呆れたような表情で計算を続ける。
「相手は娼婦でしょう? 今夜ダメなら明日にすればいい」
「ただの女じゃねーんだよっ。最高のキステクニックと評判の美人だぞ。それに俺は、今夜、抱きてぇんだ。シンも男ならそのへんは判るだろうが?」
???私にはゼンゼンわからないんだけど……。
とにかく、船長は、キスが上手だという港の女の人に、どうしても今夜逢いたいってことなんだよね???
「たかがそんなことのために、航路を変更するとは…」
シンさんは、相変わらず呆れた口調だ。
「ったく、可愛気ねぇな。んなコト言ってると、お前の女を借りちまうぞ」
冗談とも本気ともつかないことを、シンさんの手元をのぞき込み、笑いながら言う船長。
船長がチラリと横目で私を見た。
な、なんだろ…。
よくわからないけど、今、なんか背筋が…。
冗談…だよね?
と、シンさんが計算の手を止めて、覗き込んでいた船長の頭を片手で抱え込んだ。
「借りる? 俺のものに手を出したら、噛み切りますよ」
え? え? シ、シンさん…っ。
せ、船長と今にもキスしそうな……。
えーっ?
船長は、面白そうに笑い出す。
「ははは。……怖ぇな。ずいぶんと魅惑的な脅しだ」
「ふん。キスなら、その辺の娼婦なんかより俺の方が数倍上手い」
な、なんか…怖い…。
シンさん、船長を誘っているようにも見えるんだけど、空気がピリピリしているというか、すごい、怒っている。
船長が、苦笑しながら、シンさんの手から逃げるように離れた。
「よせや。いくらシンが美人でも、野郎とキスする趣味はねぇ。それに、うっかり触れたら、確実に噛み千切る気満々じゃねーか」
船長が離れると、シンさんは何事もなかったようにまた計算を始めた。
い、今のって……。
今の…は…。
な、なんだったんだろ……。
宴はそろそろ終盤に向かっていた。
一度は大量の酒に酔って甲板で寝入ってしまったハヤテが、ふと目を覚ました。
自分を見下ろしているシンと目が合う。
「……なんだよ」
その様子が、しばらく前から見下ろされていたような気がして、ハヤテは不機嫌そうにシンを睨み返した。
もしかしたら、自分が目覚めた原因は、シンに蹴られたか、蹴られそうな殺気を浴びたか…。
たぶん、そのあたりのような気がする。
といっても、どこも痛くはないから、蹴られたのではなさそうだ。
「ふん…起きなくてもいいものを…」
シンは、唇を笑みの形にして残念そうに呟いた。
「は? てめぇが、起こしたんだろ」
「名前を呼んでみただけだ。まさか起きるとはな…」
ため息混じりにシンはポケットから包みを取り出して、まだ寝転がっていたハヤテの胸の上に無造作に放った。
「…? ??なんだ、コレ…」
ハヤテはシンの意図が判らず、自分の上に落ちてきた包みを手に取って眺める。
「今日は、お前の誕生日だったはずだが?」
そんなことも忘れたのかと、呆れた口調でハヤテを見下ろしたシンは、そのまま船室へと歩み去っていく。
「……」
身体を起こしてシンからもらった包みを開けると、赤黒茶色に光る、拳より少し大きめの硬い塊。
「何だコレ????」
「……最高級牛の乾燥肉だな。ナイフで薄く削いでそのまま食べられるはずだ」
宴で使った食器を重ねて腕に乗せ、厨房へ片付けている様子のナギが立ち止まる。
「…そうか、シンが落札したのか……」
「は?」
「市場の競りで、最高値がついていた。…大切に食えよ」
笑みを浮かべて告げると、ナギもまた歩み去っていく。
「……。ったく。シンの野郎、礼を言う暇もねぇし…」
ハヤテは、シンが消えた船室の方を見て、苦笑した。
「誰も傷つけずに生きられたらいいのにね…」
ソウシの言葉に、リュウガは即答した。
「そりゃ無茶だな」
その、あまりにもきっぱりとした言葉に、ソウシが視線をリュウガへ向けた。
リュウガは、笑みのない真面目な顔で、ラム酒の瓶をテーブルに置いて、ソウシを見返す。
「なんだ?」
何か、不思議なことでも言ったか、と逆にソウシに問いかける目をしていた。
「……無茶?」
ソウシ自身、誰も傷つけないように生きていくことは、無理なことだと感じている。
けれど、無茶なことだとは思いもしなかった。
無理と無茶。
その含まれる意味には、可能と不可能ほどの差がある。
「ん? ああ、無茶だろ」
信念の宿る、リュウガの言葉。
何がどう無茶なのか、説明して欲しいような、説明など聞きたくないような、複雑な思いでソウシはリュウガがテーブルに置いたラム酒の瓶へ視線を移す。
「傷つけることは問題じゃねぇ。その傷が深いか浅いか、治るモンか残るモンか、誰のドコについたか、の方が肝心だろ? 浅くて痕も残らねぇような傷なら、誰も気にしねぇ」
「うん…でも、痛い思いはさせてしまうよ?」
「それこそ無茶だ。俺達は、さんざん親に痛い思いさせて、苦しませなきゃ、産まれてこれねぇからな」
リュウガは笑って、腕を組んだ。
「考えても見ろよ。世の中、イテェってことを知らない奴ばかりになったら、どうしようもねぇだろうが」
ソウシの顔にも笑みが浮かぶ。
「それは困るね」
体調を知るにも、傷の程度を知るにも、本人の痛みの自覚は必要だ。
「誰でも適度に傷つけてもらって、痛いってことを知っとかねぇと、そもそも生きていけねーってことだな」
リュウガの言葉に、くすくすとソウシも笑い出す。
「…判った。うん、そうだね。あまりにも無茶な願いだったよ」
時折、ふとソウシは思う。
目の前にいるこの男は、どれほどの辛酸をなめてきたのだろうかと。
リュウガの何処かに、自分と同じモノがあることは判るのに。
自分とあまり年齢も違わないこの海賊王は、ソウシよりもずっと先に居ると感じることがある。
それはきっと……。
リュウガにもあるはずの底知れない闇。
「…とても、敵いそうにないね」
ソウシは、肩をすくめてそっと呟いた。













