子育てと親子の対立 その3 対立とは何か? | 人生を変える『気づきの思考法』~アドラー心理学に学ぶ人生を成功に導く方法~

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心理コンサルタントのしらたきです。


さて、昨日の記事の続きです。


(昨日の記事の詳細は、→コチラ


では、なぜ、胎児は、


狭い産道を通り抜けるのに危険であるにも関わらす、


まるまると太ろうとするのか?


ここには、


人類の子育ての歴史の負の部分が関係してくる。


人類学者のサラ・ブラファー・ハーディー女史は、そう見ている。


人類の子育ての歴史の負の部分とは、


はっきりと言ってしまえば、子殺しと子捨ての歴史である。


人間は、かつて、慣習として子殺しや子捨てを頻繁に行っていた。


これは悲しい話だが、事実である。


なぜ、そのようなことが慣習として行われていたのか?


それは、人間が他の霊長類と比べて多産な生き物になったからである。


今でこそ、


日本は、少子化が非常に深刻な問題だが、


かつては、子沢山の家庭が多かった。


人類も、かつてはそうであった。


かつては十人以上の子どもを生む女性も稀ではなかったが、


それでも、育てられるのはせいぜい4、5人に過ぎない。


それ以外の子どもはと言えば、


生まれてすぐに処分されてしまう。


悲しいことである。


ヒトという種が、他の霊長類と比べて多産になった理由として挙げられるのは、


サルからヒトへと進化する過程で、


ヒトのメスから発情期が無くなったことだと言われている。


これには、発情期が長くなったという説もあるが、


一般的には無くなったと考えられている。


この結果、いつでも妊娠できるようになった。


特に、他の霊長類と比べて最も違う点は、


出産後の妊娠である。


ヒト以外の霊長類では、


子どもを出産すると、


その子が乳離れするまで交尾をしないのが一般的である。


なぜなら、


まだ乳離れしていない授乳期の赤ちゃんがいるときに、


新たな子どもを出産してしまうと、


自然界では、二匹とも育てられなくなる可能性が高いからである。


そのため、出産と次の出産との間には何年もの間隔があき、


結果的に、生涯生む子どもの数はそれほど多くはならない。


人間の女性も出産後は排卵が抑制され、


妊娠できないようになっている。


言わば、自然が作り出した避妊である。


しかし、排卵が抑制されるためには、


昼も夜も、かなりの頻度で赤ちゃんに母乳を飲んでもらわないといけない。


赤ちゃんの授乳頻度が多くなければ、排卵は抑制されずに妊娠する。


それゆえ、授乳している赤ちゃんがいながら、


次の子どもを妊娠する女性は、現代でもそう珍しいことではない。


現代なら、文明が進歩したお陰で、


環境の面でも経済的な面でも、また医療の面でも恵まれているために、


授乳している赤ちゃんがいながら妊娠したとしても、


どちらの子どもも育てることはできる。


しかし、それが太古の昔ならどうだろう。


授乳期の赤ちゃんがいながら


次の子どもを出産し同時に育てようとすることは、


二人の子どもを危険にさらすことになる。


そのため、新たに生まれてきた子どもは、処分されてしまう。


昔は、今のように効果的な避妊方法があったわけではない。


それゆえ、このようなことが頻繁にあった。


人間の子どもは、ほとんど何もできない状態で生まれてくる。


そのため、親は、子どもを育てるには莫大な投資を必要とする。


その投資が将来無駄にならないようにするには、


もちろん、それは、子どもが成人し子孫を残してくれるようになることだが、


どの子どもに投資をするかを慎重に選ばなければならない。


女性が多産になりながらも、


すべての子どもを育てることができなかった人類としては、


生まれてきた子どもを選別することを余儀なくされたわけである。


それは、先のような出生順位による選別であり、


性別による選別であり、


あるいは、健康そうかどうか、ということであった。


そのような状況の中で、


胎児に淘汰圧がかかったとしてもおかしくはない。


胎児も選ばれるために必死なのだ。


そこで、脂肪を蓄え、まるまると太ろうとする。


実際、まるまると太った赤ちゃんは、


とても健康そうで可愛らしく魅力的である。


こうして、


「自分を選んでくれ」


と親にアピールするのだ。


生まれてきた赤ちゃんにとって、頼れるものは自分の親しかない。


ひょっとすると、


生まれてきた赤ちゃんが大声で必死で泣くのは、


「自分を選んで育ててくれ」


という心の叫びなのかもしれない。


ここに、親と子の『親の投資を巡る対立』があるのである。


この続きは、次回に書きたいと思います。


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