楽園ペナンにも、つまらないやつはいるものだ! | 海峡kid.の「出会いはふとした瞬間」に

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 熱風ペナンの物語 19

 


日本食材の店Meijiyaの奥の部屋。

そこには、日本酒の方々が「どうだ!」とばかりに並んでいた。

負けじと、芋焼酎を中心とした本格焼酎の面々が、

にこりともしないで座っていた。

 

 

本来は酒は飲まない、イスラム教の国マレーシアで、

このような景色を見られるとは・・・。

 

海峡男は、

「ああ、ここはまさに楽園だ!」
上西に言った。

すると意外や意外、上西は冷たく、
「そうでっか?日本の食材がいっぱいあるのはうれしいですけど、

 酒はねえ・・・」

海峡男は上西に、ちょっと距離感を感じつつ、

いや、人間性を疑いつつ、
「上西さんは、酒を飲まないのですか?」
って聞いた。


「まあ飲まないことはないですけど、あまり興味はないかなあ・・・」
海峡男の天井まで上り詰めたテンションは、床にたたきつけられた。


「そうですか・・・」



 

心の中では、「つまらないやつもいるものだ・・・」って思ったが、
世話をしていただいている身だし、

ましてや、ここは多文化・多民族のマレーシア。

「多様性も大切にしなくては!」

と海峡男は思い、同時に自分のことを「えらい!」

と、そっと褒めた。

「次、行きますか!」
つまらない男、上西は言った。

 

 


 

もう少し快楽に浸りたかったが、多様性、多様性・・・・。

とりあえず、海峡男は「いいちこ」を買ってMeijiyaを出た。

 

 

 

続きます