「日本統治時代は、史上最悪の暗黒時代だ!」と決めつける民族的歴史観が支配する現状に対して二人のアメリカ人歴史学者が日本の朝鮮統治時代の実態を豊富な資料をもとに包括的に検証した「日本の朝鮮統治を検証する」(原著:JAPAN IN KOREA:Japan's Fair and Moderate Colonial Policy 1910-1945 and Its Legacy on South Korea's Developmental Miracle) 著者:ジョージ・アキタ(ハワイ大学マノア校名誉教授)ブランドン・パーマー(ユースタル・カロライナ大学准教授)邦訳:塩谷紘 発行:草思社 を再読してみた。
数多くの事実を検証した結果は 日本の植民地統治は、「当時として驚くほど現実的、穏健かつ公平で、日朝双方の手を携えた発展を意図した」ものであり、朝鮮の近代化に大きく貢献し、韓国の戦後の驚異的発展の礎となったことを実証している。(訳者あとがきより)
今回再読してあらためてその観を新たにした。
勿論、日韓併合時代の日本の統治の全てが正しかったわけではないだろう。一定の差別や蔑視感情が両民族間にあったことも確かであろう。しかし、この著でも明らかなように日韓併合時代の日本の統治が当時としては究めて平穏かつ妥当なものであり、半島の人々が享受した恩恵は人々の暮らしをより平穏且豊かなものとしていたことは確かである。日本の統治が一方的な収奪や抑圧といったイメージのものとはほど遠いというのが事実である。
日本の併合時代の統治の実態がこれまで客観的に検証されなかった背景には日本が日米戦争に破れ、戦前日本の全てが悪であるとして否定された戦後の歴史観による弊害が大きいだろう。戦後の世界秩序や歴史観の中で日本はあくまで敗者であり、悪者であることから逃れられなかったのである。
しかし、これらの歴史観が偏見や一方的な見方に満ち満ちていることは明らかである。
日韓併合時代の真実は、日米対立から日米戦争、また大陸中国との戦いや日本の進出の実態への再検証が必要不可欠でもある。
2013年に発行された「日本の朝鮮統治を検証する」の本であるが、すでに多くの方が読了されていると思うが、さらにより多くの方が読んでみられることをお勧めする。