2023.1.31(火)①

 

1月最後の日、今日は大阪、阪堺電気軌道という鉄道沿線を巡る。

 

阪堺電気軌道、阪堺(はんかい)電車というらしいが、初めて聞く名前だった。

天王寺から出てるらしいけど、?、って感じ。

 

調べてみると、天王寺、新今宮と堺、浜寺を結ぶ電車だそう。

俗にいうチンチン電車みたいだ。

 

 

住吉大社

 

アクセス

奈良から大阪は小一時間。

近いから、朝はゆっくりの出発でいい。

 

8時半過ぎ、最寄駅からJRに乗り、奈良に着いたのが8時59分。

 

電車賃を安くするため一度改札を出て入り直す。

そのまま天王寺へ行くと990円かかるのが、奈良で改札を出て入り直すと、240円と470円で710円でけるのだ。

ひと手間で280円も節約できる、大事なひと手間だ。

 

9時15分、奈良発、9時40分天王寺着。

 

阪堺電車への乗り換えだ。

 

JRの改札を出るまでは、阪堺電車の案内があったので、それに従って行く。

改札を出たら案内がなくなった。

はて?どうしたものか…

 

このまま歩くと絶対に迷う。

一度、一番近くの出口から外へ出てみるが、電車の駅らしいものは見当たらない。

また来た道を戻り、宝くじ売り場のお姉さんに、阪堺電車の駅の場所を聞く。

すごく親切に、上へ行く階段でも行けるけど、メトロの案内に沿って地下へ行き、そのまま右手に曲がって…と、近くてわかりやすい道順を教えてくれた。

 

無事、阪堺電車の「天王寺駅前」駅に到着。

1回の乗車は均一料金で230円。

全線1日乗車券は600円。

3回以上乗る時はこちらがお得。

1日乗車券は、アプリから取って携帯を見せる方式と、紙式の「てくてくきっぷ」がある。

もちろん紙式にする。携帯を見せるのは、ちょっと苦手だ。

窓口で購入。

「降りるまでに今日の日付を削っておいてください。」とのこと。

 

すでに電車がいたので電車に乗り込む。

座席に座り、さっそくコインを出して今日の日付を削る。

 

10時ちょうどの出発。

道路上を進み、赤信号では車と一緒に停まる。

 

10時16分、「住吉鳥居前」駅に到着。

1日乗車券を見せ電車を降りると、目の前がもう、住吉大社の鳥居前だ。

 

電車を見送り、いざ住吉大社へ。

 

 

拝観

この住吉大社、摂津国一之宮であり、 全国の住吉神社の総本社。

初詣の参拝者数が多いことでも有名で、毎年、全国でも上位にランキングされ、名前だけは知っていた。

 

さすがに、鳥居も灯篭も大きい。

 

すぐそばに、「遣唐使進発の地」の碑があった。

住吉大社は、海上交通の守護神とする信仰があり、かつてはもっと海に近かったといわれている。

しかし、大阪は埋め立て地で増やした面積で、面積最小の都道府県を香川に譲り渡したぐらいだから、かなり埋め立てられ、そのせいで住吉大社は海から遠ざかってしまったのか…と思いながら、碑をながめた。

近くには、こんな、やはり航海の安全を祈るような文字の刻まれた灯篭があった。

 

鳥居をくぐる。

両脇には、これまた大きな狛犬。

 

 

正面には反橋(そりはし)

この橋の前まで自転車で来て、手をたたいて軽く拝み、さっと去って行く地元の人らしき人が何人もいた。

有名な神社だが、地元の人の氏神様でもあるみたいだ。

 

近寄ってみたら、あいにく、通行止め。

「立入禁止 凍結の為」と書かれていた。

 

反橋は渡るだけで「お祓い」になるといわれているのに渡れない。

 

私がぼ~っと橋を見ていたら、「帰る頃には通れるようになるよ。あっちの石橋から渡ったらええよ。」と、教えていただいた。

反橋の前の狛犬が「そうしたらええよ~」って言ってるような顔をしていた。

 

遠くから見る反橋もなかなかのものだわと思いながら奥へ進む。

 

石橋を渡り、ちょうど反橋の真向かいに。

これは、絶対に写真撮らんとあかんやろ!という景色。

もし、通行止めになってなかったら、この景色は見なかったかもと思うと、これも神様のお導きかもと思えてしまう。

 

石橋を渡った先に、「誕生石」がある。

 

丹後局(たんごのつぼね)は、源頼朝の寵愛を受け懐妊したが、北条政子に捕まり、殺害されるところを、家臣の本田次郎親経によって難を逃れて住吉社に至り、産気づいたという。

 

丹後局が産気づいた時に抱えて出産したといわれる石が祀られている。

 

家臣の本田次郎が、住吉明神に祈る中、丹後局は傍らの大石を抱いて男児を出産したそうな。

このことにより、住吉大社は安産の神様でもある。

 

その時に生まれた子が、薩摩藩祖の島津忠久と伝えられているので、提灯は島津家の家紋「丸に十字」なのか、なるほど…

 

反橋の反対側に来た。

 

手水舎

 

水はうさぎから出ている!めずらしい!龍じゃないんだ。

兎の謂れが書いてある。

 

手水では、手を清めるだけでなく、心も洗うのだ。

 

正面鳥居は、住吉大社角鳥居(角鳥居)として有名なんだそうだ。

柱の部分が丸でなく、四角なのが特徴。

確かに、四角の柱の鳥居は初めて見たように思う。

 

本殿は、第一本宮から第四本宮の4棟があり「住吉造」といわれる独特の建築様式になっている。

 

第3本宮

ここは、入ってすぐ、正面。

 

第四本宮

第三本宮の右横

上に見えるとがった部分は、後ろにある建物の屋根の上の千木(ちぎ)が見えている。

伊勢神宮にもあったと思い出す。

 

ここで、授与所が近くにあったので、先に御朱印をいただこうと思い、近くに行くと、御朱印は、左側に進んだ奥の所でいただけるそうだ。

 

待ってる人が2人。順番が来たのでおもむろに、神仏霊場の御朱印帳を差し出すと、

「ごめんなさい、直書きはやってないんです」と…

「重いの、持ってきていただいたのに、ごめんなさいね。たぶん、春ごろには書けるようになると思うけど…」

確かに、神仏霊場の御朱印帳は大きいく重いのだ。

 

「いえ、大丈夫です。また来ます!」

と、愛想よく答えたものの、心の中は動揺しまくり。

 

以前、書置きのみのところも、今では直書きをしてもらえるようになっていたので、もう大丈夫だろうと確認していなかった。

帰宅して、住吉大社のホームページを見ると、「和紙に書いた御朱印をお渡ししております。」とある。

 

ここで、もう、次の予定地へ行こうか迷う。

せっかく来たんだし、境内、まだほとんど回っていない。

こんな気持ちだが、とにかく全部のお詣りをさせてもらうことにした。

 

第二本宮

第三本宮の奥

ここからのお詣りは、なぜか、「直書きの御朱印がもらえるようになりますように…」と心の声が出てくる。

いやいや、いつものように、たくさんの感謝と、少しの願い事をするのが筋だろうと思うが、心が落ち着かず、自己嫌悪を感じる。

 

仕方ない。今回は、これで行こう。

次回は、きちんとお詣りさせてもらおう。

再訪のチャンスを与えられたのだから。

 

第一本宮

第二本宮の奥

ご祈祷を申し込んだ人は、ここの正面に立ってご祈祷を受けることができるようだ。

ご祈祷中なので、静粛な雰囲気だ。

 

その横を通り、右奥へ進むと、五所御前(ごしょごぜん)という場所がある。

住吉大社が創建されたとされている神聖な場所だ。

 

何やら人が集まっていたので、近付いてみた。

びっしりとお守り袋が吊り下げられている。

 

五・大・力と書かれた石を拾い御守にすると願い事が叶うといわれていて、その石を探すための場所だった。

五大力とは体力・智力・財力・福力・寿力のことで、それを授かるということらしい。

願いの叶った人は、ここへ倍返しで石を返すのだ。だから、石が無くなることはないんだと、このシステムに感心。

たくさんのお守り袋が吊るされているのは、叶った人の多さを物語っていた。

見れば、目の前に、大と五の文字の小石が…

私は今、精神状態が良くない。

願い事は「直書きの御朱印をください」になりそうだ。今回は手を出さないでおこう。

 

次に向かったのは、境内を少し出たところにある大歳社(おおとししゃ)。

道案内が出ていて、100mほどだ。

途中に大きい灯篭があった。ここで曲がったら、すぐに鳥居が見える。

手前に浅澤社。

浅澤社は、芸事、作法、美容を願う神社で、女性の守護の神様で、「住吉さんの弁天さん」だそうだ。周りは、カキツバタの群生地でもあるそうだ。

 

奥に、大歳社(おおとししゃ)。

 

大歳社は、古くは五穀豊穣と収穫の神として祀られてきたが、商人たちの信仰をあつめて、現在は、集金の満足、契約の不変を祈るようになり、その感謝をささげる神社ということである。

 

境内、向かって右側には「おいとしぼし社」。

神前にある「おもかる石」

最初に重さを覚え、おもかる石に念じて、再度、持ち上げる時に感じる軽重によって、願いの成就を占うことができる。

最初に、この立て看板を読むので、軽いと願いが叶うのか…叶うためには軽く感じればいいんだな、と。そう思って持ってしまうと、軽く感じる。

今の私の願いは、もちろん、言わずと知れた…だ。

 

 

再び境内へ戻る。

次は左奥へ進む。

 

楠珺社(なんくんしゃ)

樹齢1000年を超えるクスノキがあり、根元に設けられた祠に神様をお祀りするようになり、神木から神社へと発展したといわれている。

神社の周りには、大きい楠が何本もある。

 

この木の周囲に立っている「初辰まいり」ののぼり。

何の事だろうと思った。

 

ここ、楠珺社は、「初辰まいり」の中心的な神社で「はったつさん」と親しまれている。

 

毎月の「初辰(月初めの辰の日)」に参拝すると、語呂合わせで「発達」するといわれている。

参拝の証として招福猫(招き猫)を神社から授かり、これを48ヶ月間(4年間)続けると「始終発達」(しじゅうはったつ=四十八辰の語呂合わせ)となり、福が授かり、満願成就になるというものだ。

 

毎月の参拝では小さな招福猫(招き猫)を神社から授かる。

招福猫には2種類あり、左手を挙げた猫は人招き、右手を挙げた猫は金招き。

奇数月には左手を、偶数月には右手の猫を求める慣習がある。

小さな招福猫を集めて48体をそろえ、それを神社にお返しすると一回り大きな招福猫(中猫)と交換してもらう。

これも左右2種類あり、さらに大きな猫へと交換しながら、発展と繁栄を祈願していくのだ。

すごいシステム。終わりのない参拝のシステムだ。

 

ここにある招福猫は、さらに上を目指すために納められたものだろう。

ちょっとかわいい置物なので欲しいなと思ったが、どこにも売っていない。

そういうことだったのだ。

近くだったら、「初辰まいり」やってたかも…と思った。

 

駐車場を挟んで左側に「種貸社(たねかししゃ)」

子宝の神様だと思っていたが、資本や知恵の元種の神さまでもあった。

 

そして、あの有名な昔話「一寸法師」発祥の地でもあった。

 

顔出しパネル。

 

一寸法師のお椀の船。

奥に踏み台があり、お椀の船に乗れるようになっている。

 

これですべて観たように思った。

 

帰るため、正面から出ると、反橋が通れるようになっていた。

まん中は思ったよりも高い位置で、傾斜もかなりあり、凍結していたら危なそうだ。

 

ここで拝観終了。

拝観時間 約1時間

 

住吉大社を後にし、阪堺電車に乗ろうと思って乗り場へ行ったら、天王寺方面行きはたくさんあるが、恵美須町(新今宮)方面は、少ない。

 

街だから、電車はすぐに来るものと思っていたが、20分待ちだ。

その間に、天王寺方面行きは4本も行った。

 

次は、阿部野神社。

阪堺電車で、「天神ノ森」駅へ。