今話題の弥助・アサクリ問題って意外と根深い話しなんですよ! | モモナゲットの和風寄せ鍋エッセイ

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当初は東洋医学を主体に各種健康情報を紹介していく予定でしたが、
いつの間にかエッセイや歴史情報なども織り交ぜて書いております。
当面「いいね」にも対応して柔軟に題材を絞っていきますのでどうか
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「日本が黒人奴隷を流行らせた?!」

「アサクリ問題」で日大はロックリー准教授の経歴を抹消、NHKは番組を削除:第2の佐村河内守か?アゴラ編集部 2024.07.19 https://agora-web.jp/archives/240719075712.html

戦国舞台ゲーム「弥助」の誤認識拡散、内藤陽介氏「正確な情報発信を」栃木「正論」友の会2024/7/23 https://news.yahoo.co.jp/articles/2aca4d42ae57b91096e2ea2300e4cdbdf88a740c



戦国時代に日本に渡来してきたイエズス会の東インド管区の巡察師であった宣教師アレッサンドロ・ヴァリニャーノ は、織田信長に謁見した際に一人の黒人の召使いを同伴していた。

「二月廿三日、きりしたん国より、黒坊主まいり(参)候。 年之齢廿六七と相見へ、 惣之身之黒キ事、牛之こと(如)く、 彼男器量すく(健)やかにて、 しかも強力十之人に勝れたる由候。 伴天連召列(つれ)参、御礼申上候。 誠以御威光古今不及承(承り及ばず)、 三国之名物又かやう(斯様)に珍寄(珍奇)之者共余多拝見仕候也」 『信長公記』の巻の十四(天正九年辛巳)

ヴァリニャーノの召使いはもともと黒人奴隷であって、日本に渡航する前にインドで買われていたということのようである。

彼は信長と宣教師とが対面し交渉するという歴史的瞬間に、奇しくもその場に居合わせていた人物と云うことになるわけだ。

黒人奴隷の存在そのものは史料に記録にあるわけだから、ここらは確かな事実と云うことになるのだが、信長はこのとき始めて黒人を目にして驚くと共に、強い関心を示し、宣教師ヴァリニャーノからその黒人召使いを譲り受けたとされる。

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少なくともこの黒人の召使いは奴隷の身分であったであろうし、宣教師ヴァリニャーノの個人的所有物であったはずであるから、いわゆる普通の使用人でないことになる。

当然のことであるが、王侯である信長がヴァリニャーノから召使いを譲り受けるにしても無償であるはずはなく、信長はこのとき儀礼的にもそれ相応の対価をヴァリニャーノに返礼していたことは想像に難くないであろう。

ということで考えると、ヴァリニャーノは信長に黒人奴隷を体よく転売していたということになるのかも知れない。

ヴァリニャーノはただの宣教師ではない。

当時の宣教軍事組織であったイエズス会の東インド管区の最高幹部であり、日本国内では戦略的な布教活動を統括指揮していた人物であった。

ヴァリニャーノは宣教活動として京に上ると、力のある大名家や有力者らに巧みに接近を試みていたが、その筆頭が織田信長であったのだ。

ヴァリニャーノは始めからこの黒人奴隷を信長に献上する心づもりがあったはずで、何らかの目的で信長の傍に彼の息の掛かった者がこのようなかたちで送り込まれたという見方も出来るわけで、ここらは彼の思惑通りになったということになる。

ということは、少なくともこの黒人奴隷もどう見てもただの使用人であったとは思えないわけで、事実、この当時イエズス会の教会堂である南蛮寺は信長が宿泊に使っていた本能寺と目と鼻の先に設けられていたから、それこそ点と線とで結ばれていたということになる。

ここらは重要なポイントであるのだが、信長はその黒人に弥助という名を与え自分の傍近くに置いて仕えさせたという。

このあと本能寺の変に至るまでの一年半ほどの間、弥助は信長に身近に仕えたという事になるわけだが、どうしたことか最近になってこの黒人であった弥助の存在についていくつかの問題が取り沙汰されてきている。

これは一体どういうことであろうか?

何でも今回発表されるゲームソフトのアサシンクリードシャドウズの新作では日本の安土桃山時代が設定されおり、そこに黒人である弥助が主人公の一人として武士の身分で登場するということなのだが、問題はそのことに端を発しているようだ。

黒人奴隷であったはずの弥助が、何故に武士として登場してくるのか?

弥助はたしかに実在した人物ではあったが、本当に武士の身分であったのかどうかは史実として明確ではないということで、弥助に関してのネット上での論争自体は次第に加熱、拡散する様相を呈し始めただけではなく、現在では今回の「アサクリ」での弥助の人物像設定に影響を与えたされるトーマス・ロックリー氏(日本大学准教授)の弥助研究やその著書「信長と弥助 本能寺を生き延びた黒人侍」にまで批判が広がった。

あまりにも史実とはかけ離れているというわけであるが、そこに書かれていることの何が問題とされているのか?

ものは言い様であるが、戦国の日本では「イエズス会士はアフリカ人を伴うことはなかった」とか「地元の名士のあいだでは~権威の象徴としてアフリカ人奴隷を使うという流行が始まった…」 とある。

さらには戦国を背景にした当時の黒人奴隷貿易の端緒は日本にあったかのような間違った本書の記述内容は誤解を生じさせるとして、専門家の間でも問題意識が広がっているということのようである。

「日本が黒人奴隷を流行らせた」とか 「日本が黒人奴隷を生んだ」などというとんでもないデマ情報がこのまま世界に拡散されれば、先々国際的な誤解と問題が発生してくる懸念があるということが指摘されだしたのだ。

通常ではタブー視されてまともに取り上げられることのない戦国時代の奴隷貿易や取引というものが、ここではいきなり大きくクローズアップされるという何とも皮肉な展開であるともいえよう。

実は、弥助については拙論「戦国日本人奴隷貿易の真相とキリシタン弾圧の背景」で触れているし、「天魔王信長の野望を打ち砕く 我が武略に勝算あり」でも書いている。

当然ながらイエズス会の宣教師ヴァリニャーノについても詳述している。

当時は西洋のキリスト教国がこぞって、
大航海時代という美名の下に世界的なビジネスモデルとして、アフリカを中心にした奴隷貿易がはびこり、それは瞬く間に極東アジア地域にまで拡散してくるという忌まわしい歴史的事実があった。

その根回しをし、奴隷貿易を仲介していたのが当時の宣教軍事組織であったイエズス会である。

極東アジアで拡大した奴隷取引では、中国人、朝鮮人や日本人までもが南蛮の奴隷商人に買われたのである。

ところがここでは逆に、戦国時代の日本人が社会的地位の権威付けのためにアフリカ人奴隷を所有していたというような話しにすり替えられてしまっている。

欧米史観というのは従来からそういうものである。

自分らの不都合な歴史は払拭して、事実とは異なるものに勝手にすり替えていくのだが、これに同調する似非文化人や組織も少なからずあるということなのである。



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