ソメイヨシノが咲く頃になった。

この頃、色々な花が咲きだしてお

り、その花の色香にひきつけらた

りすることがある。

 

朝方によく夢を見るようになった。

庭をみるとピンク色の花が咲きか

けていた。

 

つぼみのものもあれば、花

の盛りのものもあり、すでに咲き

終えたものもみえる。

 

 

鳥が、花の香りに誘われてか、蜜を

吸っているのか、夢中になり、人の

気配も感じないで、快い気分でいる。

ももの花はまだつぼみで、鳥も若く、

無我夢中で、まだまだこれからだ。

 

庭に咲く桃の花。

枝にとまっている鳥がいる。

太い樹から伸びた二股になった枝と

枝の隙間から見える鳥。

鳥の尻尾が見え、花の後ろにまわり

つついているようにみえる。

 

 

 

 

昨晩、寝床のなかで、叩きつける

ような音を耳にした。

昨晩、雨の音でか、幾度か啼き声を

聞き、眠れぬ夜をすごした。

 

朝方に庭に出てみると、桃の花があ

り、すっかり濡れていた。

ぼくは、ふと宮川長春の「花の色香」

を桃とかさねていた。

「花の色香」は宮川長春の春画。

宮川長春(1682-1752)は美人画

の浮世絵師で、春水などの弟子を

育て、さらに春水の弟子に勝川春章

がいる。

 

ももの花はまだつぼみで、鳥も若く、

無我夢中で、まだまだこれからだ。

彼女は彼を見つめ彼は、彼女の眼

にあわせ、からだが火照ってゆく

ところ。

 

 

宮川長春の「花の色香」

 

ヨガをしている彼女。しなやかなか

ららだで背後からのポーズが好き。

ゆっくりした呼吸にあわせ、「痛(

いた)気持ちいいところでね」とア

ドバイスをうけ…。

 

 

 

宮川長春の「花の色香」
 

彼女のレッスンのおかげで、随分

レパートリーが多くなったぼく。

浮き世の夢のような景色にしたっ

ていた。

朝方、ぼくの部屋にピンクの上着

を着た担当医の彼女がやってきた。

性依存症のぼくに「からだの調子

はいかがですか」と言って頂き、

病室を出ていかれた。

 

 

 

 

咲かないで終わる花もあれば、遅

まき咲くのもあり、かと思えば

はやく咲くのもあり、花のいのち

は神秘的だ。

咲く花は妖艶で、ひとは花の色香

に惹きつけられるようだ。

 

 

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