初めての試みだったZoom栄養座談会、30名余のみなさま、ご参加ありがとうございます。進行役のウルトラランナーYJさんのおかげで、たくさんの質問に簡単ですが答えさせていただきました。今回はその中の1つをご紹介します(写真は我がの定番ビーガン料理、フムスの上に野菜やナッツ、高野豆腐の炒め物を乗せたものです)。
Zoom座談会の最中
ご質問は、「高校生の娘がベジタリアンです。卵と乳製品は食べられますが、それだけでは足りないプロテインに含まれる栄養素が有れば教えてください。」でした。
卵と乳製品に含まれるタンパク質はどちらも「完全タンパク質」です。完全タンパク質とは、体内で作られない9種の必須アミノ酸を全部含んでいるタンパク質のことです。世の中で完全タンパク質を最もバランスよく含んでいる食材が、卵と乳製品です。大豆やヘンプシードなどの植物性の食品も完全タンパク質なのですが、いくつかの必須アミノ酸の含有量が低いため、効率が少し下がります。ですから、卵と乳製品さえ食べられるならタンパク質は十分取れます。
ではどのぐらい食べればいいか?というと、標準で体重1kgあたり0.8g程度ですが運動量や食べる量によって少し変動します。また、歳をとると吸収効率が下がるので、高齢者は体重1kgあたり1.25g摂取が望ましいです。上限は体重1kgあたり2.8gです。体重50kgとして計算すると、1日に40g、高齢者なら1日62.5g、上限は140gとなります。
なぜ上限があるかというと、取りすぎたタンパク質は脂肪になるだけではなく、体を老化させる効果があるからです。何事もほどほどが良いというわけです。
では食品によってどのぐらいタンパク質が含まれるかというと、卵1個で約10g、ヘンプシード大さじ1で10g、枝豆100gで10g。完全タンパク質ではないですが、良質なタンパク源として、豆類(調理済み)100gで10g、肉類だと100gで30g前後が摂取できます。
とても重要なことは、毎食タンパク質を食べること、そして筋肉を落とさないように運動をすることです。筋肉は骨や皮膚と同じように常に作られながら壊れてゆきます。運動などで筋肉が良いストレスを受けた時に、筋肉を作る材料の必須アミノ酸が十分にあると筋肉は回復して量も増やすことができます。
ベジタリアンで摂取できない栄養素はEPA,DHAなどの魚に含まれる高分子のオメガ3脂肪酸、抗炎症作用で心臓、血管、脳を守ってくれます。ですから中高年のベジタリアンはサプリメントをオススメしています。
好評につき6月にもZoom座談会を開催予定です(日程未定)。興味のある方は是非参加してくださいね。