自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)を含む発達障がいの子どもは、睡眠障害を併発することが知られています。

 

2008年の研究では、ADHDと診断された5−18歳、約250人の73.3%の子どもに何らかの睡眠障害が見られ、多くの家庭で寝かしつけに苦労していることがわかりました。2020年の研究によると、ASDと診断された子どもでは、60~86%の割合で不眠を主体とした睡眠障害がありました。

 

子どもの睡眠障害の特徴には、寝つきが悪い、ベッドに行きたがらない、夜中に目が覚める、睡眠リズムが不規則、昼夜逆転、朝起きられない、起床時の疲労感がある、日中の眠気、いびきなどがあります。

 

不規則な睡眠のため、授業中に居眠りや集中力の低下が起こりやすく、寝不足で頭が働かないので、宿題にも時間がかかってしまい、ミスしがちです。朝起きられないことから遅刻がちとなったり、不登校の原因にもなります。

 

発達障がい食援士取得講座では、睡眠のメカニズム、睡眠の種類と役割、なぜ睡眠障害が起こるか、睡眠障害を放置するとかかる病気など科学的な情報をわかりやすくお伝えしています。子どもは大人より長い睡眠が必要で、中高生でさえ推奨睡眠時間は8−10時間であることもお伝えしています。

 

それを踏まえて、良い睡眠を作るためにやるべき10の習慣を紹介しています。

 

1.    毎朝同じ時間に起こし(起き)て睡眠サイクルを作る。
2.    朝日を浴びる、体を動かす習慣をつける。
3.    (幼い子どもの場合)お昼寝を3時までに、夕方は絶対に寝かさない。

4.    早めの夕食を心がける。

5.    寝る前のテレビ、タブレット、携帯電話、ゲームなどは禁止。
6.    ぬるめのお風呂にゆっくり入る。
7.    リビングの照明をおとして就寝モードを作る習慣を作る。

8.    寝室は真っ暗で気温を低めに保つ。

9.    幼い子どもの寝かしつける人は、家事や仕事は翌朝にすると決めてリラックスして一緒に寝る。
10.    大人も一緒に睡眠の質と長さを確保する努力をする。

 

「そんなこと知ってる」と思うことから「なんで?」、「うちの子には無理」と思うことまで色々とご意見はあると思いますが、まずは一つやってみてください。

 

例えば、1の「毎朝同じ時間に起きる」は休日も含みます。休日の朝起きられない、寝溜めしないとやってられないのは、すでに睡眠障害が起こっている証拠です。休日も平日と同じ時間に起きることで夜眠くなる感覚が生まれます。


また、9の「家事や仕事は翌朝にすると決めてリラックスして一緒に寝る」は、子どもを安心させるためにとても重要だそうです。寝かしつけの時に、「やることがあるから早く寝て」とイライラすると、交感神経が興奮して体が緊張してかたくなります。すると、そばにいる子どもは、危険だから寝てはダメだと緊張し、目が冴えてしまうそうです。

 

良い睡眠習慣をつけてあげることは、子どもの未来を作る大きなプレゼントです。睡眠が良くなるだけで、集中力が上がり、社会性も向上した例が多くあります。

 

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