最近いただいた質問です。「Kombuchaが流行ってますが、これって飲んだ方が良いですか?」コンブチャは昆布茶ではなく、発酵飲料です。ご家庭でも簡単に作れますし、アメリカではどこのスーパーでも扱っています。さて皆さんはどう思われますか?

 

コンブチャはざっくりと言って紅茶に砂糖を加えて発酵させた飲み物です。日本では紅茶キノコという別名もありますが、きのこではなく、SCOBY(symbiotic culture of bacteria and yeast )と呼ばれる様々な菌と酵母の集合体が発酵の原動力で、自分で作ってみると表面にゼリー状の膜となって出現れます。以前流行ったナタデココというデザートも、実はココナッツ水を使って同じ原理で作られたセルロース膜ですが、この場合はナタ菌という1種類の菌を使って製造されている点が大きく違います。

 

​​​​​​​Wikipediaから

 

他の発酵食品と同じくコンブチャには多くの微生物が含まれているので、プロバイオティクスとしての効果が期待される上にビタミンB 群が豊富です。コンブチャファンの人たちは、動物実験で観察された様々な健康効果を期待して飲むのですが、残念ながら人間への健康効果は実証されていないだけではなく、健康被害のリスクを考えると治療目的の使用は奨励できないのです。というのは、コンブチャは作り方次第で①微生物の種類と量、②酸性度、③糖度、④カフェイン含有量が変わるからです。

 

アメリカ癌協会は、コンブチャは病原菌の混入も考えられるため、飲むことで深刻な副作用が起こる可能性があると発表しています。アメリカ首都毒物センターもホームメイドのコンブチャでの健康被害の可能性をHPで勧告しています。というわけで、妊婦、授乳中の方、4歳以下の幼児、免疫力の弱った高齢者にはあまりお勧めできないと思います。

 

IBS(過敏性腸症候群)の方にもお勧めできません。というのは、コンブチャにはIBSの原因となるFODMAPsが多く含まれるからです。もしあなたがコンブチャを飲んでお腹が張ったり痛くなったりしたら直ちに飲むのをやめてください。

 

コンブチャは紅茶を発酵して作られるため、カフェイン(10mg前後)とアルコール(〜0.5%以下)が含まれるのでカフェインやアルコールに過敏な方、子供さん、妊婦、授乳中の女性は注意が必要です

 

コンブチャは酸味が強いので、必ず砂糖が添加されています。これまでにもなんども書いてきましたが、飲む砂糖、特に空腹時の砂糖は老化を早め、脳機能を低下させます。大量にゴクゴク飲むのではなく、適量を美味しくいただいてください

 

どのコンブチャも同じではありません。一度飲んで体調が悪くなったらやめる、家で作るなら、容器などの滅菌消毒を慎重に行う、お店で買うときは糖度が低いものを選ぶ、子供には飲ませない、がご質問への私の回答です。

 

私も以前はコンブチャを作っていたのですが、砂糖が気になるので現在はコンブチャの代わりに水キムチを作っています。来週のお漬物のクラスで教えますが、機会があればブログでも紹介しますね。

 

 

 

あるお母さんからの質問です。「11歳の息子が医師から牛乳を飲むと骨がもろくなると言われて以来、飲まなくなったのですが本当ですか?」皆さんはどう思われますか?

 

この息子さんはそれまでは毎日牛乳を飲んで、激しいサッカー練習をしていたとのことなので、ここでは乳糖不耐症、代謝異常、腎疾患などは発症していないと仮定して回答させていただきます。

 

牛乳で骨がもろくなるという科学的根拠は全くありません。逆に、乳製品が様々な健康効果があるという科学的根拠は数限りなくあります。しかし、ネット検索すると色々と出てきました。またしてもニセ科学(pseudoscience)です。共通している「科学的根拠」は、『30代後半から50代後半の女性を12年間追跡調査した結果、乳製品の摂取には股関節骨折の予防効果はなかった』という1997年に発表された論文と、『牛乳を飲むと血液が酸性になって骨が溶ける』です。

 

「予防に効果がない」と「骨をもろくする」は同じではありません。しかもこの論文は科学的実証ではなく経過観察であり、しかも20年以上前のものです。

 

逆に、2018年にケンブリッジ大学出版発行の科学雑誌に発表された乳製品と骨の健康についての総括論文によると、カルシウム摂取量が1日750mg以下の女子(白人と中国人)の骨ミネラル量が乳製品を摂取することで1年に40-50gの増えたという報告があります。日本人の平均摂取量は600mg以下なので、乳製品摂取による骨ミネラル量増加は期待できると推測します。また、乳製品摂取で白人と中国人女性の骨密度が2年間で0.7-1.8%上昇しました。の白人女性のデータでは、毎日1カップの牛乳で、骨折の危険性が5%以上低下したという報告もあります。

 

 

『牛乳を飲むと血液が酸性になって骨が溶ける』という根拠は全くありません。ただし、「トイレ掃除でわかる病気のリスク」で書いたように、砂糖や炭水化物、タンパク質の食べ過ぎと水分不足が重なると、酸性尿を作り、腎臓でのカルシウムの再吸収能力が弱まります。しかし、牛乳にはカリウムを含むミネラル類が豊富に含まれる水分補給に最適な飲み物ですから、酸性尿の直接原因になるとは考えにくいです。

 

 

毎日の牛乳摂取で骨ミネラル量の増加は少なくても期待できますが、11歳のサッカー選手の骨折を予防できるかどうかはわかりません。というのは骨はカルシウムだけではなくタンパク質や他のミネラル類でできた「活発な臓器」だからです。骨折は骨密度の低下からだけではなく、骨の柔軟性が失われると起こります。栄養環境コーディネーターのテキストでも繰り返し書きましたが、体の状態に合わせて必要な栄養素を摂取し、運動と回復を繰り返すことがとても重要なのです。

 

長くなりましたが、その医師が息子さんにおっしゃったことは間違いです。もし親しいご関係でしたら、ぜひこの論文(PDF)をお渡しいただけると、ニセ科学情報拡散防止になるかと思います。

 

皆さんの質問を受け付けています。ぜひご連絡ください。

Adapted from CDC website.

 

最近、厚労省が乳児向けロタウイルスワクチンの定期接種を来年10月から原則無料化するニュースが流れました。危なくないの?必要なの?効果は?などの声を聞きましたのでちょっとまとめてみました。参考にしていただければ嬉しいです。

 

ロタウイルスは新生児から5歳以下の子供を中心に冬場から春先にかけて流行し、発症すると激しい下痢やおう吐などから脱水、ケトーシスを引き起こし、最悪死亡することもあります。

 

下痢とおう吐は子供の体力を奪い、腸内環境を砂漠化し、別の感染症にかかりやすくなります。必要な栄養素を吸収できないことから発育・発達が遅れます。

 

世界的に見ると、2013年だけで5歳以下の乳幼児215,000人がロタウイルス感染で亡くなりました。

 

感染力が強いので、日本ではほとんど全ての子どもが就学前に感染していると考えられています。厚労省の統計データによると、就学前の子どもの約半数がロタウイルス感染症で小児科外来を受診、その数は年間80万人ぐらいで、そのうち15~43人に1人(26,500~78,000人ほど)が入院していると推計されています。

 

アメリカでは、2006年から定期接種が始まり、今ではロタウイルスはほぼ撲滅したと考えられています。CDC(アメリカ国立疾病対策センター)のデータによると、定期接種以前は年間に約40,000-50,000人の乳幼児が感染症で入院していました。つまり、ロタウイルスワクチンの定期接種はとても有効であることがわかります。

 

最も感染しやすいのは、生後3ヶ月から3歳までの乳幼児ですが、感染性した子供のお世話をする保護者、その人たちの同僚で体力が落ちている人、免疫力が低下した高齢者など、乳幼児以外にも感染が広まる可能性があります。

 

一人が感染すると全員が危ない

 

現在ロタウイルスが日本で蔓延するのは、ワクチンが高価なためです。この定期接種無料化は、次世代を担う子供たちだけではなく、高齢者の健康寿命も延ばす効果があると期待しています。

 

さて質問です。自分はデブじゃないと思ってますか?体重だけで太っているかどうかを判断していませんか?

 


日本肥満学会では、肥満度の指標であるBMI(Body Mass Index)が18.5以上25.0未満を普通体重とし、それ以下を低体重、それ以上を肥満としています (BMIは、[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で計算できます)。例えば、170cmの人の体重が53kgから72kgの範囲だと標準体重、それ以上だと太っている、ということになります。でも、この「体重が重い=太っている」という考え方に大きな落とし穴があります。

肥満とはどういうことか?を説明するために、ここに架空の男性3人、A太さん、B夫さん、C助さんに登場してもらいます。3人とも身長170cmの25歳で、体重はA太さんは75kg、B夫さんは90kg、C助さんは53kgです。BMIで考えると、C助さんが健康体でA太さんとB夫さんは肥満体ということになりますが果たしてそうでしょうか?
 

実は、A太さんはボディービルダーで体脂肪が極端に低く肥満体からかけ離れたマッチョな体型です。B夫さんは柔道家です。持久力の必要なスポーツですから皮下脂肪が付いていますが、その下には筋肉が大きく発達していて内臓脂肪が低い機能的な身体です。

 

 

では、BMIでは健康体のC助さんはどうでしょうか?

 

C助さんは残業続きの疲れた会社員です。運動する暇もなく睡眠不足のため筋肉が減り内臓脂肪が溜まってしまった典型的な“かくれ肥満”でした。つまり、BMIでは健康と考えられたC助さんが、実は高血圧、循環器疾患、糖尿病などのリスクが高い危険な肥満体だったのです。

極端な例だと思われたかもしれませんが、多くの働く世代がこの状態に陥っています。以前のブログにも書きましたが、日本人を含むアジア人は皮下脂肪が少ないために内臓脂肪が増えやすいのです。内臓脂肪は皮下脂肪と違ってとってもアクティブ、血管の数が多いので絶えず脂肪酸や炎症作用、血管収縮作用のある物質を分泌して心疾患や高血圧、糖尿病のリスクを上げています 。

 

もしあなたが、体重ばかりを気にして「〇〇ダイエット」を繰り返しているなら要注意です。ダイエットのたびに筋肉が痩せ、リバウンドのたびに皮下脂肪とともに内臓脂肪が増えます。

 

キーポイントは、体重ではなく筋肉と体脂肪の比率、そして内臓脂肪の量です。筋肉が多いと骨密度も保たれ、免疫機能も高まります。食事が良くても運動しなければ、40歳を過ぎる頃から毎年筋肉が減り続けて70歳には筋肉の半分が喪失、BMIが正常でも骨粗鬆症で脂肪だらけの身体が出来上がります。そうなると待っているのは糖尿病、認知症、骨折、そして介護なしでは生きられない人生です。

筋肉は何歳になっても増やすことができます。階段を上がる、1駅余分に歩くといったちょっとした努力からはじめて、健康寿命を延長しましょう。

 

もしあなたが①甘いものや炭水化物が大好き、②時々二日酔いのような症状がある、③野菜嫌い、④食後ぼんやりしたりめちゃくちゃテンションが上がったりする時がある、⑤抗生物質を使うことが多い、などの項目が当てはまったら要注意です。

 

今まで砂糖には中毒性があることをブログ栄養環境コーディネーター養成講座で話してきましたが、砂糖のみならず炭水化物過多の食事が実際に血中アルコール濃度を上げて脂肪肝を作るメカニズムが解き明かされました。実際に起きた症例をきっかけに見つかった大発見のお話です(学術文献はコチラ)。

 

2014年、北京の病院にまたしてもAくん(27歳)が酩酊状態で担ぎ込まれました。彼は過去10年間に何度も同じ状態で病院に送られています。当初は医師も家族も彼が隠れて飲んでるのだと思っていました。そこでお母さんはアルコール検知器で毎日息子の息を調べていたのですが、どうもおかしいのです。

 

 

全く飲まない日でも血中アルコールが上昇していたのです。特に、コカコーラを何本か飲んだ日は酔っ払っていました。

 

そこで出た病名は自動醸造症候群(Auto brewery syndrome)、なんらかの理由で腸内微生物群(Microbiota)のバランスが崩れ、アルコールを醸造するイースト酵母が異常に増えて食べた糖質がアルコールに変換されることから、結果的にご飯を食べるだけで酔っ払うという困った病気です。

 

ところが違いました。自動醸造症候群は抗カビ剤でイーストを駆除すると改善しますが、Aくんの場合は全く良くならず、ついに重度のNAFLD(nonalcoholic fatty liver disease、非アルコール性脂肪肝疾患)を発症して入院する羽目に陥りました。

 

病院での経過観察では、高炭水化物食を食べた後のAくんの血中アルコール濃度はなんと、ウイスキー15杯分飲んだ時に匹敵しました。ウンチ解析の結果(Microbiome analysis)、最も酔っ払った時のAくんの腸内微生物群の18.8%が1種類の細菌、K. pneumoniaeKpn)だったことから(この数は普通の人の900倍、異常です)、この菌がAくん酩酊の原因ではないかと考えられたのです。

 

そこでNAFLD患者43人と健康な人48人のウンチのマイクロバイオームを比較したところ、NAFLD患者の61%と健康な人の6%に、アルコール生産性の高いタイプのKpnが確認されましたその後数々の動物実験を経て、このタイプのKpnと高炭水化物食だけで、NAFLDを発症するのに十分であることがわかりました。

 

ここで注目すべきは、健康な人でもこの菌が見つかっている、つまり、抗生物質の多様や食物繊維不足などで役に立つ共生菌を失ってしまうと、誰でもKpnが増えてお酒を飲まなくても酔っ払う可能性があるのです。

 

 

治療方針は抗生物質投与と食事改善です。もし、抗生物質投与だけで普通の食事に戻してしまうとまたKpnが増殖、NAFLDが悪化するとNASH(非アルコール性脂肪肝炎)を発症し、命の危険もあります。

 

あなただけが例外ではありません。飲んでないのに検問で引っかかってしまう前に、甘いものや炭水化物中心の食事はほどほどになさってください。

 

 

帝王切開で生まれた子供は喘息や肥満になりやすいことが知られていますがその原因は特定されてませんでした。ついに、9月18日発行のNatureに発表された論文でその原因ではないかと思われる腸内細菌が特定されました。

 

前回のブログでも書きましたが、赤ちゃんが理想的な腸内環境の基礎を作って元気に成長するにはちょっと汚い環境が不可欠です。帝王切開だと赤ちゃんは、(手術時に)お母さんに使われた抗生物質を胎盤越しにもらい、殺菌された環境で生まれ、腸内細菌の基礎作りに必要な雑菌との接触が遅れます(母乳に関してはコチラ)。

 

 

帝王切開の場合最初に口から入ってくる微生物は、手術室の空気に混じる細菌と人間の皮膚に住む細菌ですが、自然分娩の場合は(産道を通る過程で)お母さんの糞便に混じる細菌です。つまり、自然分娩の赤ちゃんは、お母さんの腸内環境を受け継ぐことができるのです。そこで帝王切開児に(綿棒などで採集した)産道の粘液を舐めさせて「お母さんの腸内環境を種付する」することが試されています(英語では、vaginal seedingと言います)。

 

今回の研究では、イギリスで生まれた約600人の赤ちゃん(自然分娩児:314人、帝王切開児:282人)のウンチを生後4、7、21日後と、1ヶ月後、9ヶ月後に調べて、分娩方法で腸内微生物の構成に違いが出るか、また、成長とともにどう変わるかを遺伝子レベルで調べました。帝王切開児にはvaginal seedingした赤ちゃんも含まれています。

 

結果はショッキングでした。

 

出産後すぐには、自然分娩児の便には健康な人たちに共通の共生菌(善玉菌)が多く存在しましたが、帝王切開児にはほとんど存在せず、その代わりに病院内に漂っている日和見菌(機会があると感染症を引き起こす可能性のある細菌)が大半を占めました。1ヶ月後、帝王切開児の腸内環境は自然分娩児のものに近づいてきましたが、Bacteroidesという共生菌が確認できませんでした。9ヶ月後になると、40%の帝王切開児にBacteroidesが発見できましたが、その種類は日和見であり、役に立つ共生菌タイプではなかったのです。

 

共生菌タイプのBacteroidesは、肥満防止、免疫力調整などに関わっています。残念なが帝王切開で生まれた赤ちゃんは、たとえvaginal seedingしても取り込むことができなかったという結果でした。

 

だからと言って、帝王切開で生まれた人が全て喘息や肥満になるというわけではありません。むしろその逆です。赤ちゃんがそういう体質を持つ可能性を保護者がしっかりと認識して、住環境と食環境を整え、正しい生活習慣を子供に教えることで元気に発育できるからです。

 

 

帝王切開だったからといって慌ててプロバイオティクスなどを飲ませずに、自信を持って子育てに励んでください。きっと素敵な大人に育ちます。

 

*vaginal seedingの方法や効果に関しては欧米で研究中です。絶対にご家庭で真似しないでください。

 

昔から母乳が丈夫な子供を育てると言われていますよね。それにはちゃんと科学的な根拠があるのです。

 

母乳は脳の発達に不可欠な乳糖を含む様々な栄養素が豊富なだけではなく、一生涯の健康を左右する腸内環境の基礎づくりに大きく関わっています。

 

母乳には、200種類以上の難消化性オリゴ糖(human milk oligosaccharides called HMO)が入っています。一方、乳腺には、特殊なビフィズス菌(B. infantis)が存在します。このように食物繊維と細菌(プレバイオティクスとプロバイオティクス)を同時に取り込む仕組みで赤ちゃんが自然に良い腸内環境を作れるようになっているのですね(参考文献はこちらです)。

母乳は免疫の暴走を防ぐ

腸は消化器官としてだけではなく体内最大の免疫器官でもあります。赤ちゃんが母乳と一緒に取り込んだ細菌、B. infantisがHMOを餌にして出す代謝物は、腸壁に存在する特殊な細胞を育て、その細胞は赤ちゃんの免疫を調節する役割があるため、(自己免疫症のようは)免疫の暴走を防ぎます。

母乳は腸壁を強化する

その他にもB. infantisが作る様々な代謝物は、赤ちゃんが免疫力をつける助けや、腸細胞が粘着性タンパクを作る手伝いをして異物が血中へ侵入することを防ぎます。

母乳はIQを高める

B. infantisとHMOの組み合わせが作り出す効果はそれだけではありません。母乳は赤ちゃんの免疫を作るだけではなく、IQを高くする効果も持っていますB. infantisはHMOを餌にすることで、脳の発育と認知機能の発達に不可欠な栄養素、シアル酸を腸管と血中に放出します。

 

ところが、お母さんが抗生物質を飲んで授乳すれば上記の効果が失われるだけではなく、赤ちゃんの腸内細菌を全滅させて砂漠化させます。加熱殺菌した母乳にも上記のような効果はありません。

 

前回のブログでも書きましたが、除菌・殺菌・抗生物質は必ずしも私たちの健康に貢献しません。あまり神経質にならず、子育てを楽しんでください。この記事に興味のある方はぜひ栄養環境コーディネーターのHPをご覧ください。

 

腸内フローラという言葉、ネットや雑誌で見かけますよね。でもこの言葉、サイエンスではもう死語となって久しいってご存知でしょうか?

 

フローラとは「細菌」という意味ですが、腸内環境は最近だけでは作れません。細菌より人間に近い生命体や、生命体ですらないウイルスまで巻き込んで情報交換をしたり、人間が分泌する粘液やホルモン、食べ物などなどの影響を受けたりしながら腸内環境を作っているのです。

 

一生涯にわたる腸内環境の基礎づくりは生まれてからの6ヶ月間で作られます。意外に思われるかもしれないですが、この生まれてからの6ヶ月がちょっと汚い環境だと脳機能がアップ、喘息やアレルギーになりにくい、肥満しにくい体質を作る腸内環境を獲得できるのです。

 

ちょっと汚い環境とは、良い微生物を獲得して、悪い微生物を排除できる環境です。ちょっと汚い例は、自然分娩(お母さんの糞便に混じる微生物を獲得)、兄弟やペット(土、埃、皮膚、唾液などに住む微生物獲得)、母乳(乳腺と皮膚に住む微生物獲得)、予防接種(悪い微生物の排除)、入浴(悪い微生物の排除)などです。

 

清潔すぎる環境とは、微生物が獲得できない、あるいは獲得しても殺してしまう環境です。例えば、高層マンション住まいで、掃除に除菌スプレーを使い、赤ちゃんが触れるものを全て殺菌する、抗生物質を多用する環境です。

 


サイエンスで考えると、赤ちゃんが最高の腸内環境を作るには、家畜、ペット、木造家屋、大家族、外気、草木、土、色々な食品などが環境に含まれる必要があります。とは言っても、今から田舎に引っ越すわけにもいかないので、殺菌剤や抗生物質の使用をできるだけ控えて清潔すぎない、でもほどほどにきれいな環境を心がけましょう。

 

 

皆さんは尿石ってご存知ですか?尿に溶け出したカルシウムが、便器で結晶化してくっついたものです。もしこの尿石が蓄積していたら要注意です。

 

尿石が蓄積しているのは、あなた、またはご家族の尿が酸性尿になっている証拠です。尿のpHは食べ物で変わります。砂糖や炭水化物、タンパク質を取りすぎると酸性に、野菜や果物、種子・ナッツ類を豊富に食べているとアルカリ性になります。

 

つまり、野菜嫌いで、パン、パスタ、甘い飲み物が好きな人は、より多くのカルシウムが血中から腎臓→尿へと出て行くので腎結石、尿路結石になりやすいのです。

 

酸性尿で、外食が多く、高血圧の人はもう結石ができている可能性が大です。

 

特に、サッカーやフットボール、テニスなどの大量に汗をかく(脱水しがちの)スポーツ選手で、プロテインシェイクやバーをよく食べる人は要注意です。

 

大量に汗をかき、ピザ、パスタ、ハンバーガーで生きるティーンエイジャーは尿路結石のリスクが高い

 

 

野菜や果物、種子・ナッツ類が酸性尿を防ぐ理由は、カリウムとクエン酸です。このコンビネーションは、結石の原因となる酸性尿の予防だけではなく、痛風や高血圧も予防します。つまり、腎臓の強ーい味方です。

 

イチジクとトマト、セロリ、きゅうり、オリーブのサラダはレモン汁で

 

野菜嫌いの子供でも、フルーツを入れたサラダや、盛り付けの工夫などで徐々に食べられるものが増えるものです。あなたの努力がトイレ掃除で「見える化」されますよ。

 

ちゃんと発酵して作った漬物には、生野菜の何倍もの健康効果があります。しかも冷蔵庫で長く保存できるので、時短料理の強い味方です。今回は、失敗しない減塩漬物の基礎をご紹介します。

 

発酵食品の漬物には、①腸内環境を良くする食物繊維(プレバイオティクス)と良い微生物群(プロバイオティクス)、②微生物が野菜に含まれる糖質を食べるので、生野菜よりも低糖、③加熱していないので、栄養素が損なわれにくい、④葉物だと冷蔵庫で数ヵ月は保存可能、などの利点があります。

 

発酵食品の漬物を作るには、(1)麹、味噌、酒粕、ヨーグルトなどの発酵食品を使う方法と、(2)米ぬかのように、発酵を促す食品を使う方法と、(3)野菜本来が持つ酵母を使う方法があります。

 

私は、白菜やキャベツなど、長く保存したい漬物は(3)の方法で作ります。

 

上左から、醤油麹漬け、塩麹漬けの人参(塩分1%)とレンコン(0.5%)、きゅうりのヨーグルト水(1%)、ニガウリの味噌漬け、シュークルート(1%)、生姜の塩麹漬け3種、赤タマネギの甘酢漬け、セロリの味噌漬け

 

問題はお塩の量です。市販品の場合、4%以上、100gの漬物を食べると4gの塩を摂取することになります。我が家の漬物は、塩分1%程度なので、100g食べても1gの塩分摂取であるだけでなく、塩分が少ないため、前菜や副菜、ワインのお供としてご飯なしで食べられます。

 

とりあえず一品出せる。

 

作り方は超簡単。材料を重さの1%の塩と混ぜ、ジプロックに入れて発酵させます(材料1kgに対して10gの塩)。塩麹の場合、市販のものは塩分が13−15%ぐらい(メーカーによる)ですが、我が家のものは12%なので、材料1kgに対し、100gぐらいです。

 

ここで、とても重要なのが「空気を抜く」作業です。

 

野菜を漬物に変える細菌は乳酸菌を含む空気が苦手な微生物群なので、材料が空気に触れないように重しや水圧を使って徹底的に空気を抜くと美味しくて安全な漬物ができます。

 

とても簡単なので、是非是非ご自宅で作ってみてください。