マクロビオティック(マクロビ)は、玄米菜食を基本とする日本発祥の食事法で、自然との調和やバランスを重視したライフスタイルとして、健康志向の人々に関心を持たれてきましたが、長期間実践すると重篤な健康被害があり、死に至ることがることを知ってください。

 

マクロビは、1920年代に思想家の桜沢如一によって作られた陰陽論を交えた食事法で、栄養学に基づいたものではありません。

 

アメリカでも1960年代に彼と久司道夫によって広められましたが、1965年にマクロビを実践する女性が栄養失調で死亡したことをきっかけに調査が入り、別の栄養障害も明るみに出て、1971年にはアメリカ医師会が、「(マクロビは)最も危険な食事療法のひとつであり、個人の健康に深刻な危険をもたらすだけでなく、生命そのものにも脅威を及ぼす」と表明しました(参考サイト)。

 

マクロビは、野菜、穀物、豆類、海藻などを中心に、精製された食品(白砂糖、白米、小麦粉など)を避け、伝統的な東洋医学の考えを取り入れ、季節、体質、気候に合わせた食事をするなど、自然との調和を重視する食事法ですから、普段の食事がラーメンやコンビニ飯に人が、短期間実践すると健康効果があると思います。

 

しかし、肉・魚・乳製品・卵などを避けるため、ビタミンB12・鉄・あえカルシウム・たんぱく質・必須脂肪酸などの体を成長させて機能を維持するために必要不可欠な栄養素が欠落している食事法です。

 

そのため、長期的実施すると貧血・疲労・低栄養だけでなく、骨粗鬆症感染症にかかりやすくなり、皮膚バリアが弱まる可能性もあります。

 

筋肉量の低下から、フレイルゴースト血管(血管減少)のリスクも上がります。

 

特に、成長期の子どもや妊娠・授乳中の人、高齢者には絶対向かない食事法です。

 

動物性タンパク質・ビタミンB12・鉄・カルシウムが不足すると、太りやすくなり、魚に含まれるオメガ3脂肪酸が不足すると認知機能感情の制御にも影響が出る可能性があるので、健康志向の女性の方も、「たまにマクロビレストランに行く」、または肉や魚も取り入れた「なんちゃってマクロビ」にしていただくと良いのではないかと思います。

 

 

幼い頃の発達障がいには、大きく分けて2つあります。1つ目は、脳の発達に関わる生まれ持った(先天性の)機能障害によって起こる注意欠如多動性障害(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)などで、2つ目は生まれてからの生育環境の影響でバランスが崩れた脳によって起こる発達障害のような特性です。

 

どちらの場合も、落ち着きのなさや乱暴、情緒の不安定、他の子どもと遊べないこと、学校や授業で発言できない(場面緘黙)など、早ければ乳幼児期から徴候が見られる、人としての成長や発達に関わる問題です。

 

これに対して、10代を過ぎる頃から増加するのは、パニック症などの不安症やうつ病、双極性障害、統合失調症といった大人に見られるようなメンタル不調です。その中には発達障がいの特性を持つ子どもが多く含まれています。

 

この時期には、性ホルモンの分泌が活発となり、脳の中でも情動・感情の発現に関わる部分(扁桃体などの辺縁系と呼ばれる領域)が活発化して、攻撃性が現れやすいのですが、感情をコントロールして行動を統括する大脳の前頭前野は、まだまだ未完成のままなので、メンタル不調が起こりやすくなるのです。

 

大脳の前頭前野が成熟するのは20代後半と考えられています。そのため20代になっても、携帯電話やタブレットの多用、睡眠不足、運動不足、栄養素不足などで脳のバランスが保てないと、幼い頃には目立たなかった発達障害の特性が顕著化することがあります。

 

そうなると、学校や職場でいじめの対象になったり、生きづらさを感じることから、うつ病や不安症などの二次障害を併発することもあります。

 

例えば、コミュニケーションが苦手なASDの特性があると、異質と見られやすく、孤立を深めることから引きこもりや二次障害のリスクが高まります。

 

大人の発達障がいは、単純なミスを繰り返す、よく遅刻する、人間関係がうまくいかないなどの生きづらさの問題から発覚する傾向にあります。自分の特性に合わない環境で働くことで二次障害が先に現れることもあります。

 

放置していると、健全な社会生活が維持できなくなります。

 

不安、落ち込み、意欲低下、疲労、イライラ、怒り、猜疑心などは、誰でも経験する感情なので、放置しがちですが、しばらく続くようなら「メンタル不調」を疑ってください。もしかするとその根底には、発達障がいが隠れているのかもしれません。

 

 

 

 

不安感や緊張感は誰もが感じる当たり前の感情です。狩猟と採集に頼っていた私たちの先祖にとって、この感情は生き延びるために絶対不可欠なものでした。

 

もし人類にこの感情がなければ、猛獣の脅威を感じず殺されてしまったり、危険な激流に入って流されたり、猛吹雪を恐れず外に出て遭難したりして、人類は絶滅してしまったでしょう。

 

不安感は、2つの相反する自律神経系、交感神経と副交感神経のバランスが深く関与しています。

 

交感神経は、闘争・逃走反応(fight or flight response)を生じて、体を非常事態にすぐ対応できる状態にします。この反応があったから、人類は周囲の脅威に対して即座に戦うか、逃げる準備ができたのです。しかし、現代社会では、この反応が「生命の危機に直結しない状況」でも炎上して、慢性的な不安やストレスを引き起こすことがあります。

 

なぜそうなるかというと、以前のブログにも書いた通り人類史上、現代社会は始まったばかりの不慣れな環境なので、それに対応する能力が備わっていないからです。

 

交感神経が活発化した後には、副交感神経という不安感を和らげて闘争反応とは真逆の食欲を高め、睡眠の質をあげる神経系が活性化するようにできていますが、人間関係や長時間労働などの積み重ねから起こる現代社会のストレスには終わりがないので、副交感神経がうまく活性化できません。そこで起こるのが不安症です。

 

パニック症、不安症、うつ病、双極性障害、統合失調症などのメンタル不調は、人類と環境のミスマッチから、本来なら役に立つ特性がデメリットとなって出てしまったと考えることができます。

 

逆に言うと、そのミスマッチを少しずつ埋めていけば改善の可能性があるのです。

 

 

進化は無駄を嫌います。ですが、30万年前に人族からホモサピエンスに進化して以来、人類は発達障害やメンタル不調の元のなる遺伝子をたくさん温存してきました。

 

その理由は、人類という種が生き延びて子孫を残すために必要だったからと考えられています。今回はADHD(注意欠陥・多動性障害)についてお話ししましょう。

 

多動性、衝動性、不注意といったADHDの特徴は、狩猟と採集に頼る原始時代には有効であったと考えられます。例えば、多動性や衝動性は、狩猟中や危機的な状況で素早く意思決定を行うのに役立ち、注意が散漫になりやすい傾向は、環境の変化や危険を察知するのに有効だったでしょう。

 

学校や職場では、「問題行動」とみなされるこれらの特性も、スポーツの世界では違ってくるようです。

 

アメリカでは、ADHDであることを明らかにしているトップアスリートが数多くいます。そのうち数人を紹介しましょう。

 

シモーネ・バイルズ

アメリカの女子体操選手であるシモーネ・バイルズは、リオデジャネイロオリンピックの体操競技で4冠を達成、東京オリンピックで2個のメダルを、2024年のパリオリンピックでは団体、個人総合、跳馬で金メダルを獲得した上に、 世界体操競技選手権では2013年から2023年現在までに通算で30個のメダルを獲得し、男女を通じて史上最多のメダル獲得者(うち23個の金メダルも男女を通じての史上最多の獲得者)です。

 

彼女は子どもの頃からADHDと診断され、治療薬を服用しながらこの偉業を達成しました。

 

ノア・ライルズ

2024年のパリオリンピック100m走で金メダリストのノア・ライルズは、ADHDと失読症で高校卒業までは苦労したそうです。でもその後ADHDを、「アスリートなら誰でも望むギフト」と考えるようなったとインタビューで答えています。

 

マイケル・フェルプス

オリンピックメダル獲得数史上1位のマイケル・フェルプスは、ADHDと診断を受けた9歳の頃を、「常に壁を叩きまわっていた」と回想しています。その有り余るエネルギーのはけ口として水泳に打ち込んだそうです。

 

彼ら以外にも、スプリンターとして多くのメダルを得たジャスティン・ガトリン、プロバスケットボール選手であり金メダリストでもあるブリトニー・グライナーなど、数多くのアスリートが、子どもの頃から、または大人になってから、ADHDと診断されています(参考サイト)。

 

 

 

 

 

メンタル不調は自己責任ではありません。進化精神医学(別名ダーウィン精神医学)から考えると、うつ病、ADHD、不安障害などの多くの精神疾患は、人類という種を存続させるために重要な特性だったことがわかります。

 

私たち人類の先祖、ヒト属は今から260−240万年前に登場し、ホモ・サピエンスへと進化したのは、今から約30万年前のことで、人間の脳と体はその頃からほとんど進化していません。その理由は、人類誕生から現在までを1年とした「人類カレンダー」に置き換えてみるとよくわかります。

 

人類カレンダーでは、人類誕生が元旦です。そのあとずっと原始時代の生活が続いて、ようやく農耕が始まったのが12月17日です。


ところが、大晦日の夜になってから環境が激変します。

 

日本で電灯が初めて点灯したのが大晦日の夜7時54分、第2時世界大戦の終結が9時42分、水道が普及したのが9時48分、テレビの普及が10時6分、日本初のセブンイレブンが開業したのが10時30分、iPhoneの到来が11時30分です。

つまり、コンビニやスマホのある現代社会は、人類にとってごく最近に始まった不慣れな環境ですから、体と脳に不調が出て当たり前なのです。

 

逆に、現在ではうつ病と呼ばれる症状は、原始時代には生き延びるために必要不可欠な特性だったと考えられます。

 

人類の歴史の大半は、集団で狩猟と採集で生きていたので、食料が乏しい時や雪で閉ざされる時期はじっとして、できるだけ体力を温存することができた人だけが生き残り、子孫を残せたのです。

 

うつ病の特性にある社会的な引きこもりは、集団内の対立を避けるのに役立ったでしょうし、食欲がおちる、朝起きられない、何もしたくない、動作が緩慢になるなどは、食糧不足や危険な状況下でエネルギーを節約する手段であったと考えられます。

 

同様に、ADHD(注意欠陥・多動性障害)も進化的な観点から考えることができます。次回はADHDと不安症を進化の観点から考えましょう。

 

 

 

近年、頑張っているのにうまくいかない、生きづらいと感じる人が増加しています。その理由の一つが、発達障害にあるようです。

 

発達障害は「幼い頃に診断されるもの」と思われがちですが、実は成人で診断される人の方が多いようです。子どもの頃には顕著でなかった傾向が、仕事のストレスや睡眠不足、食生活の乱れなどの外的要因で、生きづらさにつながる発達特性が現れるからです。

 

厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部(平成30年4月9日)の調べによると、2016年に未成年(0~19歳)で発達障害と診断された人は約225,000人であるのに対し、20歳以降に発達障害と診断された人は243,000人でした。

 

つまり、子どもの頃ではなく、大人になってから発達障害だと診断される人の方が多いのです。

 

アメリカの調査でも、ADHDと診断された約850の成人のうち、未成年(0~19歳)で診断が出ていた人は全体の4分の1にとどまりました。つまり、過半数の人が大人になってから初めてADHDと診断されたことになります(参考文献)。

 

発達障害は先天性の(遺伝と胎児期の環境によってできた)脳の機能障害です。ところが、発達障害に関わる遺伝子は、ASD関連だけでも800以上あり、関連遺伝子を持つ人全てに明らかな特性が出るわけではないので、子どもの頃はなんとかなるわけです。

 

その一方で、発達障害の素地があることを知らないまま大人になった人の中には、生活環境によって生きづらくなる、あるいは2次障害として引きこもりになったり、うつ病を発症したりするケースが出るのです。

 

発達障害というとネガティブなイメージがありますが、実は人類が生き延びるために必要な能力だったことから今でも多くの遺伝子が存在することが進化医学の発達で明らかになってきました。

 

次回は、発達障害を含むメンタル不調を進化精神医学から考えてみましょう。

 

お正月休み中に、せっかく「今年こそ達成したいこと」を考えたにもかかわらず、

普通の生活に戻った今、もうすでに「せっかく掲げた目標を始める気力も時間もない!」なんて思っていませんか?

 

目標を持つことはとても大切です。どこから手をつけたら良いかわからない、挫折感を味わいたくないから最初の一歩に躊躇する、などと言い訳を考える自分を責めないでください。悪いのはあなたではなく、脳の習性にあります。

 

私の著書、『ビジネスエリートがやっている 最高の食習慣(略してビジ食)』らかの抜粋を中心に、脳の習性とその習性を打ち負かす方法を伝授しましょう。

 

脳はできるだけ楽をして、いざという時の為に余力を残す習性があります。

 

何度も繰り返して行う行動は、いくつもの「思考のショートカット」を作って、考えなくてもできるようにします。日常習慣は「思考のショートカットの集大成」ですから、多くの人は日常生活のほとんどを脳を使わないで過ごしているのです。

 

新年の抱負を達成するためには、日常習慣を変えなければならないので、怠け者の脳は色々と理由をつけて抵抗します。そんな脳の抵抗に打ち勝つためには、習慣ができるカラクリを知る必要があります。

 

習慣は、①きっかけ、②欲求、③行動、④満足の4つのパターンを繰り返すことで作られます。ほとんど自動的にしている歯磨きも、起床をきっかけに、スッキリ感を期待して洗面所へ行き歯を磨き、期待通りのスッキリ感を味わうことの繰り返しで習慣化しています。

 

新規に習慣を始めるには、この①〜④を利用して怠け者の脳を騙す必要があります。①できるだけわかりやすいきっかけ、②魅力的でポジティブな欲求、③簡単・短時間にできる行動、④高い達成感・満足、のどれか一つでも心がけるとうまくいきやすいのです。

 

例えば目標が、「運動量を増やす」なら、①駅に着くと、③階段を駆け上る、とすると、わざわざジムに行かなくても運動量が増えます。繰り返し続けているうちに、息切れしなくなるなどの変化期気づくことで④の満足感が生まれます。

 

逆に、止めたい習慣の場合は、①きっかけを隠す、②罪悪感を持つ、③ハードルを高くする、④満足度を低下させる、を心がけます。

 

毎日コンビニに寄る習慣をやめたいなら、コンビニのない道を歩くと、①のきっかけがなくなります。テレビを見ながらスナック菓子を食べる習慣をやめたいなら、テレビを見ない、またはスナック菓子を自宅から排除すると、きっかけがなくなり、スナック菓子を食べるハードルが上がります。

 

ところが、多くの場合、目標達成には、「よい習慣を作る」と「悪い習慣をやめる」の両方の努力が必要になるので、あれもこれもと初めから頑張りすぎると良い結果が生まれません。まずは習慣ができるカラクリを使って、一番やりやすいことからちょっとずつ始めましょう。

 

今年は始まったばかりです。あなたの目標に向かって、過程を楽しみながらゆっくりと進んでいきましょう。

 

 

 

 

 

年末年始の食べ過ぎで起こるのは体重の変化だけではありません。もしあなたが日頃から、①甘いものや炭水化物が大好き、②野菜嫌い、③食後ぼんやりしたりめちゃくちゃテンションが上がったりする時がある、④抗生物質を使うことがある、などが当てはまったら、お餅とスイーツの食べ過ぎで、検問に引っかかってしまうかもしれません。

 

2019年に、砂糖や炭水化物過多の食事が血中アルコール濃度を上げて脂肪肝を作るメカニズムが解き明かされました(学術文献はコチラ)。

 

中国の27歳の男性は10年間に何度も酩酊状態で病院に運び込まれていました。当初は医師も家族も彼が隠れて飲んでるのだと思いましたが、全く飲んでいなくても血中アルコールが上がり、ついに重度のNAFLD(nonalcoholic fatty liver disease、非アルコール性脂肪肝疾患)を発症、入院する羽目になりました。

 

入院中の検査で、高炭水化物食を食べた後の血中アルコール濃度を測ったところ、なんとウイスキー15杯分飲んだ濃度に匹敵しました。ウンチに含まれる微生物を解析したところ、K. pneumoniaeKpn)という細菌が、普通の人の900倍!に増えていることがわかりました。

 

そこでNAFLD患者43人と健康な人48人のウンチを解析したところ、NAFLD患者の61%と健康な人の6%に、アルコール生産性の高いタイプのKpnが確認されました。その後数々の動物実験を経て、腸内に、このタイプのKpnが増殖している人が高炭水化物食を食べ続けると、NAFLDを発症することがわかりました。

 

ここで注目すべきは、健康な人でも子どもでも、この菌を保有している可能性があるということです。もちろん、ほんの少しいるだけなら悪さをしないのですが、Kpnを増やすような食生活をしていると、スイーツや炭水化物をを食べ過ぎると、まるでお酒を飲んだかのように、顔が赤くなったり、テンションが上がったり、次の日には二日酔いのような症状が出たりするわけです。

 

全く飲んでなくても、新年会の帰りに検問で引っかかってしまう可能性だってあります。

 

Kpnを増やすような生活には、甘いものや甘い飲み物の多飲、ご飯のすすむおかずやパンのお供が好きで炭水化物過多の食事、野菜や海藻類などの食物繊維が豊富な食品が欠乏、抗生物質の服用などが含まれます。

 

炭水化物過多ってどのくらい?1日に食べていい砂糖の量は?などに興味のある方は、ぜひ私の主催する講座のサイトを覗いてみてくださいね!

 

自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)を含む発達障がいの子どもは、睡眠障害を併発することが知られています。

 

2008年の研究では、ADHDと診断された5−18歳、約250人の73.3%の子どもに何らかの睡眠障害が見られ、多くの家庭で寝かしつけに苦労していることがわかりました。2020年の研究によると、ASDと診断された子どもでは、60~86%の割合で不眠を主体とした睡眠障害がありました。

 

子どもの睡眠障害の特徴には、寝つきが悪い、ベッドに行きたがらない、夜中に目が覚める、睡眠リズムが不規則、昼夜逆転、朝起きられない、起床時の疲労感がある、日中の眠気、いびきなどがあります。

 

不規則な睡眠のため、授業中に居眠りや集中力の低下が起こりやすく、寝不足で頭が働かないので、宿題にも時間がかかってしまい、ミスしがちです。朝起きられないことから遅刻がちとなったり、不登校の原因にもなります。

 

発達障がい食援士取得講座では、睡眠のメカニズム、睡眠の種類と役割、なぜ睡眠障害が起こるか、睡眠障害を放置するとかかる病気など科学的な情報をわかりやすくお伝えしています。子どもは大人より長い睡眠が必要で、中高生でさえ推奨睡眠時間は8−10時間であることもお伝えしています。

 

それを踏まえて、良い睡眠を作るためにやるべき10の習慣を紹介しています。

 

1.    毎朝同じ時間に起こし(起き)て睡眠サイクルを作る。
2.    朝日を浴びる、体を動かす習慣をつける。
3.    (幼い子どもの場合)お昼寝を3時までに、夕方は絶対に寝かさない。

4.    早めの夕食を心がける。

5.    寝る前のテレビ、タブレット、携帯電話、ゲームなどは禁止。
6.    ぬるめのお風呂にゆっくり入る。
7.    リビングの照明をおとして就寝モードを作る習慣を作る。

8.    寝室は真っ暗で気温を低めに保つ。

9.    幼い子どもの寝かしつける人は、家事や仕事は翌朝にすると決めてリラックスして一緒に寝る。
10.    大人も一緒に睡眠の質と長さを確保する努力をする。

 

「そんなこと知ってる」と思うことから「なんで?」、「うちの子には無理」と思うことまで色々とご意見はあると思いますが、まずは一つやってみてください。

 

例えば、1の「毎朝同じ時間に起きる」は休日も含みます。休日の朝起きられない、寝溜めしないとやってられないのは、すでに睡眠障害が起こっている証拠です。休日も平日と同じ時間に起きることで夜眠くなる感覚が生まれます。


また、9の「家事や仕事は翌朝にすると決めてリラックスして一緒に寝る」は、子どもを安心させるためにとても重要だそうです。寝かしつけの時に、「やることがあるから早く寝て」とイライラすると、交感神経が興奮して体が緊張してかたくなります。すると、そばにいる子どもは、危険だから寝てはダメだと緊張し、目が冴えてしまうそうです。

 

良い睡眠習慣をつけてあげることは、子どもの未来を作る大きなプレゼントです。睡眠が良くなるだけで、集中力が上がり、社会性も向上した例が多くあります。

 

もっと詳しく知りたい方はぜひ講座を受講してくださいね!

 

 

前回のブログでも書きましたが、メラトニン(Melatonin)睡眠を促すホルモンです。メラトニンサプリメントは、時差ボケ、朝起きられない病、発達障がい児に起こりがちな睡眠障害、手術前の不安解消などに効果が認められています。

 

自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)を含む発達障がいの子どもは、睡眠障害を併発することが知られています。なぜそうなるのかは解明されていませんが、複数の研究で発達障がい児のメラトニン分泌量が低い傾向にあり、サプリが効果的であると報告しています。

 

その一方で、メラトニンサプリを摂取した子供が病院に運び込まれるケースが頻発しています。なぜそんなことが起こるのでしょうか?

 

アメリカではメラトニンサプリは医薬品扱いではないので、規制も緩く、子供用には、グミやチョコレートといったものまであります。お菓子のようなサプリは子どもに与えやすい反面、過剰摂取の危険性があるだけでなく、品質が疑わしいことが明らかになっています。

 

アメリカで販売されているメラトニン入りのグミ25製品を調べた研究によると、その含有量は表示量の74ー347%であり、表示が正確だったのはたったの3製品(12%)でした。さらに1製品にはメラトニンが全く含まれてなく、その代わりにカンナビジオール(CBD、大麻やマリファナの成分)が含まれていました。

 

日本では、メラトニンサプリは処方薬ですから、医師を介して購入すれば品質に問題ないと思いますが、並行輸入品や海外で購入したものには注意が必要です。

 

サプリに頼る前に、まずはメラトニン分泌量を増やす生活習慣をお勧めしたいので、次回は、私の主催する発達障がい食援士取得講座で教えている方法を抜粋して紹介します。