年末年始の食べ過ぎで起こるのは体重の変化だけではありません。もしあなたが日頃から、①甘いものや炭水化物が大好き、②野菜嫌い、③食後ぼんやりしたりめちゃくちゃテンションが上がったりする時がある、④抗生物質を使うことがある、などが当てはまったら、お餅とスイーツの食べ過ぎで、検問に引っかかってしまうかもしれません。
2019年に、砂糖や炭水化物過多の食事が血中アルコール濃度を上げて脂肪肝を作るメカニズムが解き明かされました(学術文献はコチラ)。
中国の27歳の男性は10年間に何度も酩酊状態で病院に運び込まれていました。当初は医師も家族も彼が隠れて飲んでるのだと思いましたが、全く飲んでいなくても血中アルコールが上がり、ついに重度のNAFLD(nonalcoholic fatty liver disease、非アルコール性脂肪肝疾患)を発症、入院する羽目になりました。
入院中の検査で、高炭水化物食を食べた後の血中アルコール濃度を測ったところ、なんとウイスキー15杯分飲んだ濃度に匹敵しました。ウンチに含まれる微生物を解析したところ、K. pneumoniae(Kpn)という細菌が、普通の人の900倍!に増えていることがわかりました。
そこでNAFLD患者43人と健康な人48人のウンチを解析したところ、NAFLD患者の61%と健康な人の6%に、アルコール生産性の高いタイプのKpnが確認されました。その後数々の動物実験を経て、腸内に、このタイプのKpnが増殖している人が高炭水化物食を食べ続けると、NAFLDを発症することがわかりました。
ここで注目すべきは、健康な人でも子どもでも、この菌を保有している可能性があるということです。もちろん、ほんの少しいるだけなら悪さをしないのですが、Kpnを増やすような食生活をしていると、スイーツや炭水化物をを食べ過ぎると、まるでお酒を飲んだかのように、顔が赤くなったり、テンションが上がったり、次の日には二日酔いのような症状が出たりするわけです。
全く飲んでなくても、新年会の帰りに検問で引っかかってしまう可能性だってあります。
Kpnを増やすような生活には、甘いものや甘い飲み物の多飲、ご飯のすすむおかずやパンのお供が好きで炭水化物過多の食事、野菜や海藻類などの食物繊維が豊富な食品が欠乏、抗生物質の服用などが含まれます。
炭水化物過多ってどのくらい?1日に食べていい砂糖の量は?などに興味のある方は、ぜひ私の主催する講座のサイトを覗いてみてくださいね!