外出自粛が続く中、子供の調理実習にもなることから、ご家庭でのスイーツ作りが流行っています。スイーツ作り自体は決して悪いことではありませんが、出来上がったスイーツの食べ過ぎで砂糖を多く摂取してしまうことが問題なのです。砂糖の代わりに別の選択肢があることをお伝えすべく、今回は色々な「甘み」につて語ります。
砂糖はブドウ糖と果糖でできた天然の甘味料です。進化医学的に言うと、人間は飢餓を乗り切るために砂糖が大好きになるように作られています。逆に言うと、砂糖を食べると代謝のスイッチが切り替わって、体脂肪を増やして肥満することで食料な水なしでも生存できる能力を高めようとしてしまうのです。そのため、全く同じカロリーを摂っていても、スイーツ大好きな人は内臓脂肪が多く、成人病になりやすい体質になるのです。
多くの天然甘味料にもブドウ糖と果糖が含まれます。たとえば、麦芽糖はブドウ糖2つの二糖類、乳糖(ラクトース)はブドウ糖とガラクトースの二糖類、典型的な蜂蜜の成分は、果糖38%、ブドウ糖31%、麦芽糖7%、ショ糖1%その他多糖類が2%、甘みの強いアガベシロップはほとんどが果糖(56−92%)とブドウ糖で、身体に良いとされるオリゴ糖はいろいろな2糖類と多糖類(食物繊維)の混合です。ただし、多糖類はあまり甘くないので、甘味料として売られているオリゴ糖にはかなりのショ糖が入っているのではないかと推測します。つまり、牛乳以外のほとんどの甘い食品には、「果糖」という代謝を「消費」から「蓄積」に変える化学物質が入っていることになります。
天然甘味料には大きく分けて、(1)食品中に微量に含まれている甘み成分を取り出し精製、濃縮したもの、(2)酵素処理等によって甘み成分を合成したものと(3)特殊な処理を伴わず食品のままで甘味料として利用されるものがあります。このうち(1)と(3)のグループは食品、(2)のグループは添加物として日本では扱われます。
天然甘味料の中には、キシリトールやエリトリトールなど、血糖値を上げない甘味料も含まれます。キシリトールやエリトリトールは、糖アルコールというカテゴリーに分類されますが、お酒ではなく、食物繊維と同様の働きをします。キシリトールは砂糖と同等の甘味を持ち、エリトリトールは約7割程度の甘味があります。どちらも虫歯予防効果があり、腸内微生物の餌になります。
天然甘味料以外にも、人口甘味料があります。人口甘味料というと眉をひそめて「体に悪い」という方が多いのですが、現在売られている甘味料で体に悪いものはないと思います(もちろん、動物実験のようにバケツ一杯食べれば別ですが)。一方の砂糖は、高血圧、糖尿病を含む多くの成人病の原因になるだけではなく、がん細胞の成長を促進することが科学的に証明されています。
このブログの読者さんはもうご存知ですが、私は砂糖の代わりにキシリトールを使います。工業的には樹皮などを発酵させて作られる食物繊維ですが、プラム、いちご、カリフラワー、かぼちゃにも少量ながら含まれます。砂糖と同等の甘味を持ちながら人間は摂取量の半分程度しか吸収できず、血糖値を上げない、虫歯予防の効果がある、などの理由で医療現場でも使われる安全は自然食品です。ただし、犬は吸収してインスリン分泌を促進するため低血糖発作を起こす可能性があるため、決して犬には食べさせないでくださいね。