時に報道は人々を間違った結論に導くことがあります。
2022年に発表された論文タイトルは「Trends in Diagnosed Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder Among Children, Adolescents, and Adults in Japan From April 2010 to March 2020(2010年から2020年での日本における子供〜大人のADHD診断傾向)」でした(文献へのリンク)。
ところが、信州大学医学部の報じたタイトルは、「2012年から2017年にかけて大人のADHDの診断数が日本で急増 」です(報道へのリンク)。
もし報道だけを見ると、大人のADHDが日本で急増しているように思えますよね。
でもそうではないのです。
実際の論文を読んでみると、「ADHDの年間発生率は、2010-2019年度の間に0-6歳の子どもで2.7倍、7-19歳で2.5倍、20歳以上で21.1倍に増加、特に2012年度から2017年度にかけての大人のADHDの発生率の増加が最も顕著に増加した」とあります(以下の図参照)。
ですが、報道にはない2012年から2017年にかけて診断が急増した理由がちゃんと書かれています。
大人のADHD診断が急増した理由には、2012年に日本で初めて大人のADHDへの処方薬が承認されたこと、2013年から診断基準が変わり、症状数が緩和されたこと、ASDに加えてADHDと診断が可能になったことが挙げら得ています。
ちなみに、子供の発症年齢が、「7歳以前に症状が存在」から「12歳以前に症状が存在」に変わったことも子供のADHD診断増加の要因となっています。
つまり、診断基準の(DSM-5への)変更で、今まで診断が出ずに困っていたADHD患者さんに診断がつくようになった、ASD患者もADHD診断を受けることで処方薬を使うことができることから、診断数が増えたという論文であり、患者数が急激に増えたとは言っていません。
DSM-5のおかげで、それまでうつ、不安障害、摂食障害、適応障害などの診断から治療効果が出なかった患者さんがADHD診断により、治療改善が期待できるようになったことは朗報です。
その一方で、このような報道を見て、「私も急増するADHDの1人だ」と自己診断する人も増えているようです。
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