【真夏のパン作り】過発酵にならないための4つのコツ
今年は”命に関わる猛暑”となっておりますが、皆様は夏バテせずに元気にお過ごしでしょうか?こんなブログを書いている間に、関東では台風が接近してきて猛暑とは打って変わって、今日の天気は雨で過ごしやすい気温となっているのですが…私は今年の”災害レベルの暑さ”と言われている中でも、週の半分はパン作りをしているのですが、今年の暑さはエアコンが効かないほどなので、室内もいつも28度くらいの環境でパン作りをしています。夏は暑いからとパン作りから遠ざかってしまうというお話も耳にしますが、夏のパン作りはポイントをしっかり抑えれば、なんの問題もなくスムーズにいつもと変わらぬ美味しいパンが焼けるんです^^6月にも”夏のパン作りのポイント”について記事を書いたのですが、(詳しくはこちらをお読み下さい。↓)【夏のパン作り】生地温度を“適正温度”に捏ね上げるコツそこから猛スピードで梅雨が明けてしまい、ぐんぐんと強烈な暑さになってしまったので汗今回は前回の記事よりもよりポイントをプラスした、”夏のパン作り”についてご紹介していきたいと思います。この記事を書いている人 -WRITER-パン講師:伊東梨美人の心を動かすことのできるパンを焼けるようになってもらいたいとの思いでパン作りを教えています。パン作りの魅力を是非体感してみて下さい。詳しい講師プロフィールはこちらから真夏のパン作りとりあえず”過発酵”に気をつけて夏場パン作りをすると、生地がダレてしまいパン作りがしづらくなったりしませんか?生地がダレてベタついたりする原因は、過発酵です。室温が高い為、どうしても発酵が進みがちなので、『ちょっと目を離した隙に膨らみ過ぎた〜』なんて事はパン作りを始めた頃は私もよくありました。では、過発酵になったパン生地を焼き上げるとどのようになるのでしょう?簡単にあげてみますと…〜過発酵のパンの特徴〜・綺麗に膨らまないで、シワがよったり、陥没したり、食パンなら腰折れしてしまう。・パンに甘みがなく、焼き色がつかない。・イースト臭やアルコール臭がする。・食感はパサつき、冷めると固くなる。過発酵になるとパンはこの様に変化します。でもパン作りにおいて、きっと過発酵の失敗は誰しもが経験する事なので、もし過発酵になってしまっても”なるほど!こんな風になるんだな〜”という風に”実体験で勉強する事が出来てラッキー!”くらいに受け止めておきましょう^^この経験はこれからのパン作りの糧となります。でも逆の発想から気温の高さを逆手に取れば、室温で十分に発酵してくれるので発酵器もいらないし逆に私はやりやすさを感じたりもします。では過発酵にならない為の対策は?私はいつも手ごねでパン作りを行っているのですが、今の季節は手が熱いので何も対策をしないでこねると、生地の適正温度(27〜28度)を簡単に超えて35度くらいまであっという間に上がってしまいます。パン作り初心者の方は、計量や生地を捏ね上げるだけでも一苦労だと思うので、生地温度に意識を向かせるのは大変かと思いますが、パン生地を仕込む前に以下の事に気を配っておくだけで生地温度の上昇を大分抑えられます。〜パン生地を過発酵にさせない為の工夫〜①全ての材料を冷蔵庫に入れて冷やしておく。これは仕込み水も粉も全てです。春や冬などは、『バター、卵は室温に戻しておく』なんて言いますが、今の季節はバターは出した瞬間から緩んできて溶けて来ます。バターは特に一度溶けたものを再び冷やし固めると形状が変わってしまい、不安定なものになってしまうので、使う直前か数分前に冷蔵庫から出すくらいでも良いと思います。そして仕込み水も、私は今は冷蔵庫に冷やしてあるミネラルウォーターを使用しています。温度は大体15度前後です。これだけでも生地温度の上昇はかなり抑えられますが、一生懸命捏ねていると、それでも手が熱くて生地温度が上がりそうになります。なので、そんな時に重宝するのが保冷剤です。②保冷剤で台を冷やしながら捏ねる。私は捏ね台は人工大理石の物を使用しています。参考までに下記に載せておきますね^^ まーぶるめん台(レギュラー) (パンこね台)滑り止め付き 53.5×43.5cm パン作り ピ... 2,698円 楽天 人工大理石は冬場は少々ひんやりとしがちですが、熱伝導が良いので、温めるとすぐに温かくなるし、冷やすとすぐに冷えてくれます^^なので事前に台を保冷剤で冷やしておいて、こねている最中もすぐ隣のスペースを冷やしておいてます。このように、左側で捏ねて、右側は冷やしておく…という感じですね。そして生地が温まって来たな…と感じたらすぐに隣のスペースへ移動!今までこねていた箇所を再び冷やす…この繰り返しです。ですがこの工程で注意するべき点があります!暑さで保冷剤が溶けてきて水滴が出てくるのですが、そのまま捏ねてしまうと生地に水分が移って生地がベチャベチャになってしまいますので、乾いた布巾などで小まめに拭き取りながら捏ね上げていって下さいね。これように台を冷やしながら捏ねていくと、手の中で感じる生地温度はややひんやりとした27〜28度に大体なってくれています。この適正温度を無視して30度以上に生地温度が上昇してしまうと、1次発酵に入れてもあっという間に膨らんで過発酵となってしまいます。そしてもし、これだけやってももし生地温度が上がってしまったら…③生地を保冷剤で直接冷やす。万が一生地温度が上がってしまった場合の救済措置です。生地を少し平たくして、その上にラップを敷きます。そして保冷剤を軽く押し当てます。この時、焦ってぎゅうぎゅう押し付けるのではなく、全体に均等に温度が下がるように数秒ずつ軽く押し当てます。そして生地を優しくひっくり返して、裏も同じく均等に冷やすようにします。その後に馴染ませるように軽く捏ねてから生地温度が全体に均一になるようにします。ここでも生地の上にラップを敷くことを忘れないようにして下さいね。水滴がパン生地に移ってしまいますので^^これくらいやってあげるとパン生地は夏の暑さにも左右されず、適正温度で捏ね上げる事が出来ます。そして最後にもう一つ、それでも室温が高く過発酵になりそう…という場合は、④イーストの量を減らしてあげるのも一つの手段です。発酵スピードが遅くなるので、焦りたくない方やゆっくりと作りたい方にはおすすめです。減らす量にもよりますが、冬場に作っているレシピより少し減らしてあげても、夏場は冬と同じ時間位で仕上がるのではないでしょうか。まとめ日本には四季があるので、それぞれの季節でパン作りも工夫をしなければ毎回美味しいパンを作る事は難しくなります。でも、季節ごとの特徴とポイントをしっかりと理解し、抑えてあげる事で季節に左右される事なく、とても上手にパン作りが行えます。そして何より季節問わずに美味しくパンが作れるって、とてもカッコイイ事だと思うのです^^是非おいしい手作りパンを作ったら、ご家族や知り合いの方へどんどんプレゼントしてあげて下さいね。きっと喜ばれる事でしょう^^ちなみに私は美容師時代に、お客様から手作りの焼きたてアンパンを差し入れ頂いて、とっても感激した思い出が今でも心に残っています。当時は、”え!家でパンなんて作れるの?!すごい!!”という感想でしたが、今では自分が自宅パン講師になっています^^人生どうなるかわかりませんね。でも手作りパンの差し入れが、10年以上経った今でもこんなにも人の心に残るほどの喜びの印象を与えるのです。”パン作り”は本当に周りの人を笑顔にしたり、心をほっこりさせる素晴らしい習い事だと思います。本日も最後までお読み頂きありがとうございました。この記事を書いている人 -WRITER-パン講師:伊東梨美人の心を動かすことのできるパンを焼けるようになってもらいたいとの思いでパン作りを教えています。パン作りの魅力を是非体感してみて下さい。詳しい講師プロフィールはこちらから