関ノ孫六 船坂弘 三島由紀夫さんの死 | Talking with Angels 天使像と石棺仏と古典文献: 写真家、作家 岩谷薫

関ノ孫六 船坂弘 三島由紀夫さんの死

 ここ2年、まともに読書すらしていなかった…原因は裁判と町の会計の仕事だった…。やはり心の余裕がないと落ち着いて書も読めません。
 その意味でも、はるかぜ書房の鈴木雄一の罪は甚大だったのですが…「決定的に他人の時間はタダだ」と思っている重度の悪質さがありました…。その上、アホなアメーバの犯罪加担でしょ…どれだけの心労だったことか…!。 町の会計の仕事は仕方なし…人間界の避けられないシガラミですね。
(追記:ホラ、バカアメーバが削除したでしょ!己の罪も認識できず!怒!!!!!)
(さらに追記:ホラ、またバカアメーバが削除!裁判履歴は削除してはいけません!私の担当弁護士もこの横暴には怒っている!マヌケな裁判官キドリ…大 嘆 )

 新年度になり、「やっとこの2つもの大きな人間界の薄汚い足枷が一気に外れて実にホッとしております」。この2年はいったい何だったのだろう…四柱推命ではこの2年財運の年であって本来この年に出版すべきだったが、はるかぜ書房がぶち壊し。でも、財運は確かに当たっているのよ。爆 町の財ばかりを2年間イヤというほど扱って、私の手元には、何も残らず、むしろマイナスだったわ。笑 皮肉にも完全に財に関する事は当たっており実に不思議なものだ。

 1年か2年ぶりに図書館へ行って、この本『関ノ孫六』著 船坂弘 を借り、その足で所用があり、加古川へ。

 加古川から帰ってきてから気が付いたのよ…。「私は、この本を持って、三島由紀夫さんの本名の地。加古川の平岡で大切な所用を済ませ、帰ってきた事実に」!驚 ちなみに三島由紀夫さんの本籍地は近所の加古川、志方町

 半世紀も生てしまうと、なんだか私と三島由紀夫さんは、妙な繋がりがあるように思えて本当に、仕方がないのです…
 大学生の頃は、三島さんと遠い親戚の御仁と親しいお友達でしたし、東京では実際、三島さんと話した事がある御仁とも親しいお友達でした。(ちなみに三島くんは、学生の頃、神風連の子孫とお友達でした。それが『奔馬』に影響しています)
 そもそも播磨とはこういう地なのです。たぶん同じ血か、魂で遠い繋がりがあるはずです…

 高校生の頃は、三島さんの評論が大好きでよく読んだものです。しかし大人になり、三島思想からも随分離れたにもかかわらず、たえず私の周りにまるで衛星のように遠くで回っているのが、三島由紀夫さんなのです。あえて親しみを込めて「三島くん」と呼んでいるほどなのですが…

 スピリチュアル的には、きっと私は、前世かもっと過去の生まれ変わりで、切腹もし斬首されている気がして仕方がないのです…その原因はきっと「裏切りで」
 それゆえ今生においても、裏切りや、不正、偽善には本気で怒り必ず闘うのです。 
 自分でそれは自覚している。
 私は霊媒師ではないので、正直なところは解らないが、西洋占星術でも前世で裏切られていると言われた事もあるし、なんだか半世紀以上も生てしまうと、な~んか否応なく直感するんですよね………この子供の頃からの直感が、どうしても三島くんと離れられない感じでしょうか…

 船坂弘さんは去年、紹介しましたよね。 ものスゴイ御仁です。

 その船坂弘さんが関ノ孫六という名刀を三島由紀夫さんにあげたからこそ、あの三島事件が起きたような展開になっている、スゴイ内容の書です。

 この書を読むと、人の心を動かすのは、人の魂だけではなく「ただの物品」をも人の心を動かすんだな…という事実がよく解りますよ!
 三島由紀夫と関ノ孫六が、前世の因縁と運命でみごとにお膳立てされ、正に合体した時の描写など。読んでいて戦慄で、三島由紀夫本人も、船坂氏も驚いています。

 とくに刀剣など、「人の想念がこもった物品は尚更なのです」
 その意味では、「人の想念が」物品を「媒介として」所有者を動かしているのですが。
 私が、天使像や石棺仏に注目した点もそこです。そこには人の想念が入り、人の精神を動かす力が「完全に存在する」からなのです。

 私は刀剣マニアでは決してありませんが、あの美しい刀剣を見てください。
 「これで斬られても、決して痛くはないんじゃないか……??」と思うほどの美、そして近づき難い高い精神…
 妖気があります。(ちなみに、昔の中国の白蓮教徒の乱では、白蓮教を信仰していれば戦で斬られても痛くない、なんて信仰がありました。確かに、「よく切れる刃物」って、切れた瞬間は、痛くないんですよね…切れて5秒後くらいに、激痛が襲ってきますよ。私は経験済み。笑)

 三島くんの死因の原因は、過去の読書でおおよそ私の中で、解決、認識できていたつもりでしたが「そーか、物品もか…想念の入った刀か…」ととても感心させる書でもありました。
 その背景には、必ず、祖先や英霊の想念も影響しているのです。
 刀を「媒介として」「英傑、船坂氏を媒介として」三島くんに、「一気にドカーっと!」パズルのピースが一致していく様子が、判明する書でもあります。
 御本人も、完全に驚いていたはずです………
 必ず三島くんはああなるように仕組まれていたことが解る書でもあります。

 三島くんが『英霊の声』を執筆している同時期に船坂氏が『英霊の絶叫』を書き上げた偶然など、全然、偶然などと言えない恐ろしいタイミング。
 無念の戦死者の魂や、三島くんの特に母方の松平系の御先祖、父方の播磨シャーマン系の血が、どうしても、こうなっちゃたんだろうな…ということが解ります。
 三島さんが『奔馬』を発表した時、憂国の志が自然と集まってしまい、小説と同じ展開で「盾の会」になった経緯を何かで読んだ記憶もあります。

 以下、箇条書きのこの書の私の注目点ですが…

●三島事件の直前に開かれた『三島由紀夫展』で三島くんが、一番大切な展示物として指定していたのが、天皇からいただいた銀時計と、この関の孫六だった事実。
「間違いなく」この『2つの物品が』三島由紀夫さんの人生を決定づけている点なのです。私は絶対、ここは確信。

●これも『物品の力』と同じなんだけれど、肉体が変われば、思想も変わります。
私は、高校の頃、三島思想にはまったけれど、当時、ボディービルはいろんな理由でドクターストップだったので、やらなくて良かったと思います。笑
(ホラ、遠因だけど、エセ柔道家、肉体派のプーチンも、力でねじふせようとするでしょ。柔道家の段位剥奪されたでしょ)
 人の思想は、物品や、魂の殻である肉体からも当然影響されますね。
 ちなみに、いろんな武道の中で剣道は、確かに一番、「殺」「死」に近い武道だと思います。そして有名な書では『五輪書』があるでしょ。死に近いが故に人生の奥義が解ることはあるでしょう。あくまで私自身の経験ですが、剣道部の人間は確かに好(高)人物が多いですね。笑

●自分も装丁できるだけに、人の装丁に関しては、常にイチャモンを付ける私ですが。笑 コレも。笑

 この『関ノ孫六』の装丁はいいね!
 肉体の殻としての三島由紀夫も、黒目が無い点でも語っています。黒目を入れたらアウトです。そしてこの因鬱な雰囲気、三島由起夫、ひいては船坂弘さんの因鬱な呪いの書。奇書ですね。

●刀はまさに五代元素 火、水、木(木炭)、金、土(波紋用の土)で出来ている。

●本書の口絵に掲載されているんだけど、市谷駐屯地のバルコニーで剝き身の関ノ孫六を見つめる三島さんの写真が掲載されており、私は、初見だった。実に感慨深い写真だと思った。

●三島事件で使われた、関ノ孫六の目釘の竹は、「戦闘中、絶対抜けないように」釘の先を金槌で潰し、細工してあったそうだ。刀剣マニアの船坂氏も初見で、三島さんの用意周到さ、律儀さを感じたそうだ。

●船坂氏は、当時、関ノ孫六の刀鍛冶さんに会いに行っているが、その鍛冶さんのスゴさは、「己の刀の切れ味を、実戦で知るためだけに、戦地に赴いている事実!」驚 当時、刀鍛冶は武器を作るので徴兵を免れていたにもかかわらず、志願して。
 この作家、職人としてのすさまじい執念は、芥川龍之介の『地獄変』を彷彿させた…。刀は当然だけど、鍛冶のすさまじい想念も入っている。

●船坂氏は、地獄の激戦で死線を何度も武心のみで、くぐり抜けているので、実体験故、その文章がとてつもなくスゴイ… 人が首を斬られたらどうなるかも、実体験で見てるのね…… ソッ、それはすごい… ゆえに、居合いで、どうやったら首が切れるかも知っている。実体験のものすごい、スゴミ。
 また、実戦の受傷で失神してしまう兵士も多数見ており、その上で、切腹と2度の介錯の仕損じ、にもかかわらず、自ら首へ短刀を差し込んだ三島さんの、精神力のスゴさ……恐い本です。

●船坂氏の『英霊の絶叫』の序文を三島由紀夫さんが書いた訳だが、それを読んだ船坂さんの感想が、心底ありがたいと思うと同時に「三島さん、あなたはおそろしい人です……」だった。(私は、まだその『英霊の絶叫』序文を読んでないが、おおよそ意味するところは理解できるので、いつかぜひ読んでみたい!)

●船坂氏は、文章もスバラシイ。まるで本書は小説を読んでいるような読み応えです。武が立派な人は文も立派なんですよね…
 小野田さんだってそうだった。インテリだった。30年も日本の為に闘って、必死で守ってきた日本がトンデモナク変貌していたので、帰国後たった半年で、老齢でいつ死ぬか解らない母を残して逃げるようにブラジルへ去っていく悲劇………

 船坂さんも、小野田さんも、三島くんもみんな本当に怒っていたんだよ…涙…
 船坂さんもちゃんと書いている

 「自由を獲得したと思った日本人が、お手製の自由に生ていながら、その実、自由にたいする渇望が満ち満ちていて、日本人が日本人同士の足を引っ張りあって、自分さえよければ他はどうでもよいという地獄絵図の中に群生しているのである」

 レベルは低いが、こんな日本人相手に私は裁判し、アホなアメーバとも闘い、過去アホな出版界とも闘ってきた…………ウスッペラな自由と金儲けばかりに渇望しているクズな餓鬼どもと……… 
 三島くんもレコードまで残して怒っている。

 昨今、刀剣ブームだというので、三島由紀夫さんの「関ノ孫六」はいつの日か、絶対展示すべきだと思うな………
 ●物を見れば、解る人は解るさ!!!!!


 最後に、コレハ、自分でも解らないんだ…………
 今、小忙しい状態なのに、この記事は、時間をかけて一生懸命書かなきゃならない………という深層心理からの止まらない衝動があるんですよね……とても不思議です………
 この系は、書き出すと止まらないのです…義務感みたいな…
 私は右翼ではないと、自認でますが、三島くんや、船坂さん、小野田さんの気持ちは解る気でいるのです……
 なので、近しい人として、つい、三島くんと呼んでしまいます………

 『関ノ孫六』は決して、万人にお勧めする本ではないですが、三島由紀夫さんや刀剣に興味のある御仁は、ぜひ一読の価値ありかと………
 私は、なぜだか、眠れないくらい一気に読みました。たぶん、前世の誰かが訴えているのです…そんな気がしてなりません。

岩谷薫(Kaoru Iwatani)『Talking with Angels』ー天使と仏の写真家ー | Facebookページも宣伝