兵庫県立美術館「キース・へリング展 アートをストリートへ」 | 美術館大好き!大阪・兵庫・京都・奈良へのお出かけ日記

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なんとなく名前と絵を知っていたキース・ヘリング。あのインパクトのある作品がどうやって生まれたのか興味があって、夫と美術館へ。



キース・ヘリングは1958年、アメリカ・ペンシルベニア州生まれ。1980年代初めに地下鉄の使われていない広告板を使ったサブウェイ・ドローイングで脚光を浴び、アートを通じてHIV・エイズ予防啓発運動や児童福祉活動などに熱心に取り組みましたが、1990年にエイズによる合併症で死去しました。



会場に入るとすぐ目に入るのが、ニューヨークの街中にいるキース・ヘリングの写真。地下鉄、イエローキャブ、雑然としたエネルギーに満ちた街。いかにもニューヨーク!な景色です。


変な言い方ですが、思っていたよりもずっと最近の人でした。マドンナと同い年です。


●「無題(サブウェイ・ドローイング)1981-83



なんだか楽しそうな雰囲気で可愛い絵だな、なんて思っていたのですが、彼がアートを通じて社会を変えようと思っていたこと、人々が連帯することで、社会的マイノリティへの偏見をなくし平和な社会を作っていくことができると信じていたことを知りました。


また、「アートはみんなのために」という信念のもと、誰もが気軽にアートに触れることができる場所として、地下鉄や自身の作品のグッズ売場をも使った、というのも初めて知ったことでした。


●「ドッグ」1986


●「スリー・リトグラフス」1985


●「フラワーズⅡ」1990


社会的メッセージを分かりやすく発信する作品が多いように感じましたが、作風が明るく屈折した感じがありません。ダンスをしていたり、人が集っていたり、楽しげな雰囲気です。妊婦と赤ちゃんも多い。希望を感じます。

何より、色々な立場の人々が手を取り合って社会を変えていくことができる、と信じた彼の前向きなメッセージを感じて、いいなぁと思いました。


●「無題」1983



●「核放棄のためのポスター」1982


●「沈黙は死」1989

社会の無関心に警鐘を鳴らす。ナチスの強制収容所内で同性愛者の男性に付けられたピンクの下向き三角のマークを元にしている。

●「イコンズ」1990



彼が活躍した1980年代、私は子供でした。彼の死から少し遅れて1990年代、子どもから大人に移り変わる時期に、HIVやエイズについての啓蒙活動が盛んであったことははっきり覚えています。キース・ヘリングがその活動の始まりを担った一人だったのだ、ということは個人的に大きく心に残りました。

 

#福岡市美術館、名古屋、静岡、水戸に巡回


#最近、家族とミュージアムが増えてきた

#良き、良き🤗