昨夜はすみトリで、高関 シティのブリテン《戦レク》を聴きました。
ソリストは木下さん、宮里さん、大西さん。
合唱はシティ・フィル・コーア、児童合唱は江東少年少女合唱団。
《戦レク》を生で聴くのは3回目。
滅茶楽しかった!
《戦レク》初演はブリテン48歳の1962年。
出世作《ピーター・グライムズ》初演から17年後。
平和主義者(pacifist)で良心的兵役拒否者(conscientious objector)のブリテン。
従軍経験は無くても、戦争を憎悪する気持ちだけは人一倍だったのだろう。
通常のレクイエムに沿った6部構成(レクイエム・エテルナム、ディエス・イレ、オッフェルトリウム、サンクトゥス、アニュス・デイ、リベラ・メ)ながら、ラテン語の典礼文とオーウェン(Wilfred Owen, 1893-1918)の英詩を対比させるというアイディアが秀逸。
更に、典礼文は大オケと合唱とソプラノ独唱(G1)、オーウェンの詩は室内オケとテノール&バリトン独唱(G2)、典礼文のバンダは児童合唱とオルガン(G3)が演奏するというのも面白い。
G1、G2、G3の配置は、2018年8月の京響とほぼ同じ。
指揮者の周囲にG2、その外側にG1の大オケ、ステージ後方に合唱とソプラノ独唱、3階正面席の後方にG3でした。
室内オケのメンバー(総勢12名)が豪華。
下手から1st Vn(戸澤采紀、ベルリン・フィル・カラヤン・アカデミー)、2nd Vn(川又明日香、仙台フィル首席)、Va(鈴木慧悟、PPT首席)、Vc(富岡廉太郎、読響首席)、Hr(谷)、Fg(皆神)、Cl(山口)、Ob(本多)、Fl(多久和)、Perc(?)。
Vcの後ろにCb(市川哲郎、群響首席)、その隣、指揮者の正面にHp(奥田)。
オーウェンの詩のところは、凝縮感があってとても良かった。
テノール独唱の宮里さんは聴く前は曲に合わないのではと心配しましたが、大丈夫でした。
宮里さん曰く「過去一譜読みが大変な曲」だったそうで、2回目があれば更に良かったかも。
バリトン独唱の大西さんは京響でも歌っているので、安心して聴けました。
一方、典礼文での大オケと合唱は、対照的に広々した感じ。
シティ・コーアは上々の仕上がり。
もう少し音圧が欲しいと思う場面もありましたが、ピアノでの美しい響きはシティ・コーアならでは。
リベラ・メの最後、ppppで消えて行くところは深い余韻を残しました。
ソプラノ独唱の木下さんはヴィブラートが気になりましたが、声量は十分。
3階席から降り注ぐ児童合唱(少年合唱ではなく、ほぼ少女合唱)は、唯々美しかった。
児童合唱の指揮は、シティの指揮研究員の伊藤心さん。
G3のオルガンは電子楽器?
全体を通して、戦争の悲惨さを声高に告発するというより、和解することの大切さを静かに訴えるような演奏で、これはこれで説得力がありました。
11月/12月は新国で《ピーター・グライムズ》を観るので、こちらも楽しみ。