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花が好きな物静かな少女だった曙美は、両親の愛に守られて大切に育てられた。短大卒業後、医療機器の会社に就職。聖一とは20才の時、仕事の関係で知り合い、不倫の末、妊娠して結婚に至った。父親はこの結婚を許さず、その後も父娘関係は断絶したままである。
和が生まれてから、曙美は夫に女として見られていないことをいつも意識しているようになる。曙美と聖一は子供だけで繋がっている夫婦だった。ところが2人目を妊娠中に流産してから、曙美とは二度と子供を産めない体になってしまった。
そして夫の不倫を知ってしまう。しかもその相手は彼の前の妻(美保純)であるという最悪の事実。お嬢さん育ちでで世間知らずの曙美には、どう対処したらいいのかわからない。
孤独のどん底にいるとき、運命の出会いが訪れる。

岐阜県で生まれ育ち、東京の私立大学に進む。学生課の掲示板で警察官募集の告知を見て「誰かを守ってやる仕事もいい」と思い、警察学校の門をくぐる。
型破りな熱血漢である悠作は防犯課で活躍。人間臭い優しさを持つ悠作は、
取り締まる非行少年や容疑者たちから妙に慕われ、若いながら「顔」になっていった。
ところがあるとき、利用していた情報屋が殺されてしまう。警察上層部は事件を隠すため、遺族に、世間に、謝罪することさえ悠作に許さない。天職とも思っていた刑事という仕事を捨てようとしたとき、曙美と出会う。

京都大学在学中に立子と知り合い、就職後、結婚。野心家で征服欲の強い聖一にとって、立子の女として魅力とは別に、中央政界とパイプをもつ彼女の父親の存在も魅力だった。
結婚3年後、曙美と知り合い不倫の関係に。遊びのつもりだったが、結局曙美の情熱に圧されて立子と離婚して、2度目の結婚をする。
家庭的な曙美との暮らしは暖かく、安らぎがあった。しかし10年近くにもなる立子との関係は夫婦という枠組みがなくても続けていける男と女の関係だった。男の顔と良き父の顔を使い分ける聖一。
しかし仕事で過剰な野心を抱きすぎたことから運命が変わっていく……。
結婚3年目、夫の若い愛人が目の前に現れた。どんなにひどく裏切られても変わらず夫を愛している自分が悲しかったが、ショックを隠し通して、あっさりと離婚した。聖一と続けられる自信も一方ではあったのだ。そして元夫との不倫が始まった。


この夫婦三部作の企画では「悲しい夫婦関係を前提にした妻の幸福の追求」をテーマに、前2作品に続く「夫婦三部作」として、野沢尚ワールドが完結します。
二人の互いへの思いやりが、その歯止めとして、介在させるというパラドックス。
それは主婦の不倫の精一杯の誠意であり、愛情表現なのです。
■もしも、子供を失くしたら…
子供だけで繋がった夫婦が突然、子供を失ってしまい、ましてやそれが母である自分の責任によって引き起こされてしまう。
どこにでもある平凡な家庭はやがて崩壊してしまう。自責の念にかられ、堕ちて行くしかない一人の女になってしまう時、それでも堕天使として包み込める男の愛に出逢い、
「俺が一生守るから」と。
二人の間には、子供だけの夫婦関係とは全く状況の違う『純愛』が存在します。
■究極の純愛ストーリー
本作品はどこにでもある平凡な主婦が、子供だけで繋がる夫婦関係の中で「女」を自覚し、子供が失われて堕ちて行き、子供の為に立ち上がる壮絶な「女」として生きる様を追いかけることで、主婦にとっての「女」とはを極限まで描こうと考えています。
それは同時に、波乱を全て受けとめる男の愛のあり様を通じて、生半可な不倫愛では決して見つけるの事のできない『究極の純愛』の形を表現することでもあるのです。
立子に刺された悠作は病院へ運ばれる。
小織が看病をしてるところに曙美が来る。小織は病室に来るなと。
曙美も会うつもりなく看護婦さんに花束を預けるつもりだったと言います。小織から今、曙美が聖一と暮してる事や、悠作と別れた事など一体曙美が何を考えて行動しているのか聞いても曙美は答えないんです。
ただ『お願いします。彼の助けになってあげて』と頭を下げる。小織は、受け取った花束をゴミ箱に捨てようとするんだけど捨てきれず花瓶に。悠作には、警察仲間からのお見舞いだと伝えました。たぶん悠作には曙美からの花束と分かったかも。
曙美は、亡くなった和の遺品なんかを見つめていました。ちょうど聖一が帰宅して来て、【仕事が片付いたから休暇をとって曙美との不倫旅行で行った上高地に行くつもり】って伝える。
上高地に聖一との決着をつけに行くつもりの曙美。
結局の息子殺しの犯人は「息子だけで繋がっている夫婦が息子を失ったらどうなるだろう」と思った実の父親である聖一の思いつきにより(鬼畜すぎる)、曙美に殺された犯人が便乗した犯行と知るんだよね。
悠作はその後立子に接見します。落ちつきを取り戻した立子は刺してしまったことを謝罪。
その時に立子が妊娠してることを聞かされ聖一に伝えてくれと、ちゃんと産むからって。
【もっと早く3人家族になっておけば】と立子が言うんです。【もう少し早く妊娠が分かってたらなぁ~、ナイフで刺そうなんてことしなかっただろうにな】って。
曙美と聖一は、上高地へ向います。次の日には登山をする予定で。
聖一はもし衝動的に殺害してしまっても本来の曙美ならちゃんと自白して処罰を受けるハズだと不審に思います。
小織は帰り際にこの件が終わったら自分とデートしてってオネダリをし、悠作も最初に補導した子だけどデートくらいならしてやるかと承諾しました。
小織と話をした次にホテルの宿泊者名簿に目を通してて悠作は愕然とするんです。
そこには聖一の名があったんだよね。刑事だった周平と茂樹が泊まってる同じホテルに同時期に泊まってるのだ。
この事で以前聖一が『許してもらいたい』と言ってた理由が分かったんです。曙美が標的にしてる人物が夫の聖一だと気付くんです。
曙美と聖一がどこに行ったか焦る悠作。
悠作は、曙美と聖一が上高地に向ったことを聞いて自分も駆けつけようとします。
悠作は上高地に向う前に立子に接見して
聖一が一番大切にしてるものを聞かれて 当時の不倫相手の曙美に子が出来たから立子は離婚されたという想いがあり、相手に子供の和のことを伝えて更に、金で何でもする刑事の周平を紹介したことも言ってたらしいです。
悠作は上高地のコテージに着きました。 地元の警察の人も協力してくれるって。 もう先に登山してる曙美と聖一は雷雨がひどくなってきたので避難小屋に行くことにしました。
避難小屋は、和の生命が曙美に宿った場所でもあるんです。
曙美は聖一に憎しみをぶつける感じです。2人しか居ないこの場所に来て決着をつけたかったと思う。曙美は、聖一に和が最初に『パパ』と話したとそれくらい聖一の
ことが好きだったと、それなのに和を殺す伏線を張ってしまったって。曙美は【あなたの野心で和は死んだんでしょ】って怒りで核心をついてきます。曙美は、仕事を選び和の死の真相を追究しようと告発しなかった聖一を責める。聖一もまた曙美が、悠作と幸せになろうとしたと言い返す。聖一は、釈放後の曙美と暮していていつ刺されるかとか食事に毒とか盛られてるんじゃないかと毎日ピリピリしてたって。まぁ当然だろうね。
それに今まで曙美が警察や検察の取り調べを乗り越えてきたのは自分への復讐心が原動力になってると分かってたはず。
和の生命を授かったこの場所で聖一に罪を償ってほしいという曙美。もちろん曙美も和を死なせてしまった罪の罰は自分で下すという。
曙美は悠作とのことを乾いてたから求めた恋だったと。身勝手な曙美の恋を悠作が愛に変えてくれたと。そこで最低な事を言う聖一。曙美にはもう子供が出来ないんだから何で繋がるつもり?みたいな事を。
悠作は子供が出来なくたって良いって言ってたんだよね。曙美の言う通り悠作はいつも自分を犠牲にして自分自身傷付いていても曙美に愛を捧げてくれていたものね。
聖一は、自分の事は棚上げで逆ギレ気味で【どんな男でもどんな女でも一生男と女で
愛し合うなんて出来ない。悠作も同じだ】ってひどい事を吐き捨てます。ナイフを取り出す曙美。聖一は今更ひざまずいて50年夫婦で居させてくれないかとぬけぬけと言ったりなんかしてさ、当然曙美は拒否だよね~。
曙美のナイフを制止して聖一は自分への罰は自分で下すと崖から飛び降りるつもりか分からないけどさ、自殺でもこの場所にいるのは曙美だけ。周平殺人の件もあるし、また絶対に曙美に容疑がかかるに決まってるやん。馬鹿じゃないの~?って思っちゃった。
その頃1人黙々と岩を登ってくる悠作の傷が開いて血が滲んでました。聖一が飛び降りようとしてる時にやっと悠作が到着。
悠作は飛び降りようとした聖一の腕を必死でつかんだんだけどこの体勢で2人とも落ちないものだなぁ、さすがドラマ(笑)。
悠作は聖一に立子の妊娠を告げる。子供を抱き締めて立子を待っててやらないとダメだって。子供の存在を知って自殺を思いとどまった聖一は必死で這いあがって来ました。何だかなぁ。だけど曙美も悠作もそれでいい、生きて立子の子を育てて欲しいと思ってるみたいです。
悠作は【アンタだけじゃないから待つ男は】と曙美の方へ。 曙美は両手を差し出し手錠をかけてくれと頼みます。悠作は、まず自分の手に手錠をかけ【柚原周平殺人容疑で逮捕します】と涙声で曙美にも手錠をかけました。手錠の鎖で曙美と繋がれ、
悠作は曙美を抱き締めて【もう終わった。後は俺達の未来だ】と。今までのナレーションは悠作の過去形の語り口だったけどこれからは現在形になれば良いな。その為にはまず立子も曙美も罪を償わなければならないけどね。
悠作が曙美を抱き締めているのが少し離れて映像で映ってる場面が太陽の光の放射状で曙美と悠作の未来を明るいものだと照らしてると思いたいです。
最後に挿入曲になったブレッドが歌う【IF】です。