アンニョンハセヨ~
視聴前に、彼らが口々に言っていたのが、
・応答せよシリーズは3作品あるよ。
・1988はキングオブKドラマ!
・とにかく1988だけでも観てほしい。
・全部視聴したけど、1988以外はそれほどでハマらなかった。
そして1988視聴後に言われたのは、
最初に1988を観たのなら、残りの2本は無理してまで観なくていいかも。時間があったら観てほしいけどね。
そんな経緯で1994と1997の視聴優先度は低めでしたが、「 刑務所のルールブック 」と「 賢い医師生活 」を経て、やはりシン・ウォンホ作品はコンプリートせねば!と思うように。
そしてこのたび、ちょうどGYAOで2月17日まで配信されていた1997を駆け込み視聴しました
※画像はBSテレ東の番組公式より
■視聴時期
2022年2月
■お気に入り度(5点満点)
★★★★
■視聴方法
GYAO
■放送開始年
2012年
■放送局
tvN
※以下はあくまでもkabo個人のたわ言です。マイナス点も挙げていますのでご容赦ください。
※以下よりネタバレありです。この作品はネタバレなしで視聴することをお勧めします。
■満足点・共感した点
シン・ウォンホ監督&イ・ウジョン作家の作品なので、緻密なキャラクター描写や伏線だらけの演出が好みであるのは言わずもがな。
それ以外の要素で備忘録しておきたいことを書きます。
1.結果より経過
10年前の有名作品のため、事前の情報収集やキャストの並び順、サムネ画像などから、ヒロインの未来の夫がユンジェであることは容易に予想できました
それなのに、2人がどのようににゴールインするのかという経過(物語)に夢中になり、あっという間に完走
最初は同級生の4人が未来の夫候補かと思いきや、兄のシード権でまさかの兄弟対決になってびっくり
シン監督作品経験者としては、兄弟対決の過程で描かれたミスリードや伏線はある程度予想できましたが、それでもめちゃくちゃ面白かった
当時のリアタイ視聴者や、制作順に視聴した方にとっては、かなり衝撃的な作品だったはず
2.青春ドラマでも置いてけぼり感がない
わたしはキャラクターに感情移入したり共感できる作品が好きなので、登場人物の年齢が若すぎたり立場が全く異なると、なかなか作品にハマれないタイプです。
そのため、俳優目当てで視聴した学園ドラマや青春ラブコメでは、感情が追いつかずにリタイアした作品がいくつもあります。
しかし、応答せよシリーズがすごいなと思うのは、1998も今回の1997も、親世代のキャラだけではなく、高校生のキャラクターにもどっぷりと感情移入できて、図々しくも自分が物語の一員であるかのような錯覚に陥ること。
しかも、自分は物語の6人のようにグループ交際的なリア充経験はないし、アイドルのファンになったことも追っかけもしたことがないし、シウォンのようにモテた思い出もないのに、すべてのエピソードが自分の追体験のように感じるんです。
お気に入りのテレビ番組を録画したVHSを家族に上書きされるとか、音楽が再生されていないイヤホンを耳にさして聞えないふりをするとか、大人になると普段は思い出さないほど些細な出来事や忘れていた感情がリアルに描かれているから、その年齢にタイムスリップした気持ちになるのかな。
その感情が、ドラマ内のセリフ(ナレーションだったかな)で「大人よりつらくて苦しかった18歳」と表現されていて膝を打ちました
3釜山人気質が興味深い
Kドラ視聴の経験値を重ねてから視聴してよかったと思えたことが、先日の「愛の不時着」再視聴のときと同様で、釜山の方言がわかったこと。
「無法弁護士~最高のパートナー」で、敵キャラのアン・オジュを通じて南部なまりが少しわかるようになり、「賢い医師生活」では、上京したてのイクジュンとジュンワンの南部なまりを理解できました。
そのおかげで、今回は視聴開始早々に「あれ、このなまりはもしかして……、1997は釜山が舞台なのかな」とわかったんです
なまりを理解できると、キャラクターが立体的に感じられて、設定がより具体的に伝わってきます。
なまりだけではなく、釜山人のソウルへの憧れの気持ちやコンプレックスなどがわかり、興味深かった。
今はそこまでの違いはないと思いますが、わたしが90年代に大学入学~就職したとき、代々都心部に住んでいる友だちや同僚は享受してきた文化の質が違うなと感じたし、わたしの親も「地方在住だったら、あなたを大学に通わせるのは難しかった」とよく言っていたのを思い出しました。
やっぱり韓国でも、地方在住だと進学や就職、さらにアイドルの追っかけ活動のハードルが高くなるのは同じなんですね。
4.ヒロインがだんだんかわいく見えてくる
今回も1988のときも、最初は現役アイドルが演じるヒロインなのに全然かわいく見えなくて、むしろ抵抗感さえありました(1988のときは特に、ヒロイン姉妹の激しいけんかシーンに引いていたKドラ初心者です)。
でも、シン・ウォンホ作品における不思議現象の一つとだと思うのですが、最初は苦手だったヒロインがだんだんかわいく見えてきて、後半ではたまらなく愛しくなること。
今回シウォンを演じたチョン・ウンジさん、韓国のアイドルらしからぬ(?)ちょっとずんぐりとした体型と丸い顔なので、さらにスターオーラを感じなかったのに、喜怒哀楽の豊かな表情と釜山のなまりがめちゃくちゃ魅力的だった
5.印象的なエピソードや演出
●チキン屋からの電話
このどんでん返しは読めなかったので、ヤラれたーとなった
そして電話相手がイム・シワン氏というボーナストラックも最高でした
4話のタイトル「フェアプレー」がビンビンに活かされた内容だった
●「D-デイ」
第8話のタイトル「D-デイ」とは、本来は軍事用語らしいのですが、韓国では「重要な日」としてよく使われているそうで、試験や記念日に形容されることがあるそう。
受験と退職に加え、ヒロインをめぐる兄弟対決が本格的に始まった日として描かれ、兄弟のゲーム対決や、「偵察」「作戦失敗」などの言葉の使われ方も効果的で、あらゆる展開に「D-デイ」が絡められた秀逸な脚本だった。
●時間の経過の演出
Kドラあるあるでは、突然数年後になるパターンが多いけど、シン・ウォンホ作品では独特の演出がありますよね。
賢医ではイクジュン兄妹の食事シーン、1988ではヒロイン一家の年末の歌番組視聴、そして今回はアイドルの解散で時間の経過が表現されていて、さすがだなと思った
●将来の夢のかたち
進路相談で語られた同級生たちの夢が、少し形は違えど実っていた伏線回収でウルウル
アナウンサーになりたかったソナさん、メイクでものすごく化ける顔なんですね
クラブで踊るシーンまで、「プロデューサー」で抜群の存在感だった新人と同じ女優さんとは気づかなかった。
●父の愛情
全16話中で一番泣いたのが、胃がんが発覚して神に祈る父のシーンでした。
祈りの内容が「がんを治してほしい」ではなく、「次女が結婚するまでは生かしてほしい」なんて見事すぎるだろ
娘がソウルへ旅立つ日の見送りシーンもヤバかった
そういえば、父親役のソン・ドンイル氏、今回はハーフパンツの衣装が多かったのですが、美脚でびっくりしました
●ジュニのパートナー
ジュニの現在のパートナーをはっきり映さずに終わったのが、粋な演出だった
6.下調べしてからの視聴で正解
これまでの視聴経験から、この作品は前提となる情報を多少得てから視聴したほうがいいかなと思って、キャストについてある程度確認しました。
これが大正解だった。
転校生のハクチャンが、Sechs Kiesのウン・ジウォン本人という大爆笑設定やギャグシーンも、その前提がわからないとポカーンになってしまうのでもったいないところだった。
あとは「1997年」を象徴するキーワードである「通貨危機」や、当時の大横領について。
わたし自身も先日購入した2冊やネットでの拾い情報くらいしかわからないけど、物語の設定年がどんな時代だったのか、何も知らないまま観るよりは感情移入しやすくなった気がします。
7.ソ・イングクすごい
Kドラを観るようになってから、正統派塩顔の韓国人フェイスがドストライクだと自覚したわたし。
ソ・イングク氏のお顔は、以前作成したマトリクスの右上であるストライクゾーンに該当するので、以前から気になっていて、今回満を持してのご対面でした
切れ長一重の小顔が大好物でした\(^o^)/
しかも、小顔で筋肉バキバキという、最高すぎる組み合わせ(まだ油断していた2話で、半裸シーンまでありがとう)。
そして、王道のキラキラKドラマと比べるとかなり地味な絵面の応答せよシリーズで、群を抜いた存在感(1998のボゴミのときも思ったけど、スターオーラって隠しきれないものなんですね)。
純粋なイケメン度でいったら兄のテウンかなーと思うんですけど、ソ・イングク氏には別次元のオーラを感じました
カラオケボックスでの告白シーンの色気、すごかったですね
次のソ・イングク作品は「ショッピング王ルイ」か「空から降る一億の星」(日本版未視聴)、どっちにしようかな。
■モヤモヤ点・共感できなかった点
●兄の性癖が苦手
●姉の存在
●1997と1994の視聴手段が少ない
ではまた
※追記(関連記事をリンク)