筑駒論、超がつく優秀層の実態から | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 中学受験を指導して長くなっているのですが、当初はどちらかというと下位層、つまり落ちこぼれた子のフォローをよくやっていたものでした。ま、ついていけない子や苦戦している子の案件が多いのは当たり前といえばそうですね。

 

 だから、少々の落ちこぼれ具合では僕はビビりもしない(サピックスで組分け0点なども経験済みw)し、策を淡々と練っては実行する日々でした。

 

 ここ最近では、コンサルの影響もあり、超がつく上位層指導も多くなっています。有名進学校の子の授業やコンサルも数多くやっています。

 

 上位の子というのは、基本的に毎週の家庭教師や個別のフォローなどいらない子が多く、そういう意味でも、不定期でも単発でもよい僕のスタイルがフィットする面がありました。

 

 時折、「別格やん」と思えるほどの子供達のコンサルをさせていただくこともあり、非常に(僕の)勉強になっています。サピックスで全国トップ10や、日能研全国1位経験者なども別の子で複数、みることができました。

 

 東大に進学したことで、他人において「モノがちがう」というのは、嫌という程経験してきたはずなのですが。コンサルを通じての別格の子に接する機会でも、驚くことや学べることが多く、僕の指導の幅に直結しています。

 

 中学受験では、関西なら灘や洛南女子、関東では筑駒の子達がまったくと言っていいほど、モノが違います。

 特に関東の筑駒は、合格人数が少ない、日程が2月3日なので、御三家を受けた子も全員受けられる、などの事情があり、天才でも受かりません。学費も国立で安いので、熱望するご家庭が多いです。

 

 灘であれば、まだ200人弱受かるので、半分くらいは僕の子供のころのような「がつがつした努力型」「したたかさを持つ粘り型」のような子もいます。

 後述しますが、本当のトップの子は、訊けばちゃんと手の内を教えてくれるし、やさしい子が多いです。霊格が高い、というのが良いでしょうか(笑)

 

 

 僕からみれば、筑駒に入るのは東大に入るより難しいです。特にサピックスが台頭して以降は、学力的に合格ラインまで到達している子が数百人いる感じで、運やミスの数が落ちる要因となってしまっている側面を感じます。

 

 必要なのは、努力+才能+運です。

 

 ですから、最終的に東大でよいのであれば、筑駒にこだわる理由も必要もありません。筑駒では、学年全員が東大を狙える位置にいる環境です。英検1級をもっている子も1学年に何人もいるし、とんでもない所です。ま、いけるもんなら行ってみたいとは思いますが(笑)

 

 そこでサボったりして落ちこぼれるのもカッコ悪いとも言えます。中高六年は何があるかわからない不安定な時期でもありますので、すんなりいかないことを考えると、バックアップが手厚い学校のほうが安心できる面はあります。

 

 今日は、中学受験において、そういう子たちは何をどんな風に具体的にやっているのか、を皆さんに提示し、真似できるところは真似してみて、高みを目指してみてほしく思います。また、他を知ることで謙虚になれるきっかけにもなることでしょう。

 真似できなくて一向に構いません(笑)

 

 

<第1パターン、徹底的に先取り>

・小5夏で、プラスワン問題集ができる

 ……まず、灘や開成などトップ層に行くご家庭では、「一年前倒し」が割と当たり前になっています。

 

 すなわち、小3くらいからぼちぼち予習シリーズの小4をやり始め、親や家庭教師と一緒にどんどん予習をしていき、小5の夏から秋くらいには、小6上まで終わっている、というやり方です。

 

 関西や九州では、塾にもよりますが厳しい選抜をくぐり抜けた子に対し、飛び級制度をやっています。それこそ、1学年上の子達に混じって通常授業を受けるのです。小6を二回、しかも灘特訓のようなハイレベルなものをするので、もの凄く強いです。(九州の某塾など。浜などではM甲陽など)

 

 これをご家庭でやる、というのが上記のパターンです。ただこれは非常にご家庭のフォローが要ります。そもそも、ご両親のどちらかに相当な学力と説明能力が要ります。

 

 東大出身の方でも説明がうまいとは限らず(特に小学生には)、並大抵のことではないですが、みていますと、わりといるにはいるようです。僕自身が小学生の時も、友人で灘に行ったやつが、お父様に勉強をみてもらっていて、羨ましく思った経験があります。

 

 特に算数がポイントになります。

 

 小4内容くらいなら普通のご両親でもできるので、一年ではなく、すこし前倒しの感じで予習シリーズをやるのは普通のご家庭でも今の中学受験では結構アリです。(本当は、塾ではじめてのことに出会い、そこでの驚きなどが大事な面はある)

 

 小5内容からは、なかなか親御さんが説明するにも難しくなることでしょう。量も倍くらいになります。

 

 ともあれ、こうすることで、塾で習うのは二回目、という状態を作ることができ、少しくらい1回目でわからなくても、別にその場で理解しきる必要はないし、比較的ゆっくり理解することができます。フォトンなどのサピ予習塾も基本的にはこの戦略です。

 

 そのまま予習をしていき、予習シリーズ算数が小5下までいったら、ステップアップ演習やプラスワン問題集をやり、小5でその段階まで行けていれば結構なアドバンテージを得ることができます。過去、筑駒や灘に行っているような子でこのパターンの子は、小5の夏休みに普通にできるようにな状態になっています。

 

 

 

 

 そして、小6では、「中学への算数」を2から3年分する、というのが勝利のパターンです。理社は算数に比べれば結構適当でもいいし、塾でちゃんとエスカレーターに乗っていれば、小6からでも情報量的には間に合います。

 

 ただ、を読む習慣がない場合は、いずれこのどこかの部分で伸びが止まることでしょう。算数の難しい問題は、読解力が必須であり、似たような問題をいっぱい解く、という感覚ではうまくいきません。

 

 これが第1パターンです。次に第2パターンを示したのち、その問題点や注意点も述べておきたいと思います。

 

 

<第2パターン、塾の教材を空気を読まずに全部やる>

・サピックスや大手塾の教材を隅から隅まで全部やっている

 ……結構多いのは、ある程度知性が高い子が、バッキバキのサピックスやグノーブル、希学園、浜学園のようなカリキュラムの厳しい塾に行き、そこの課題を、宿題などでどこが出た出ないなどを考慮せずに、「隅から隅まで」やって上位で安定するパターンです。

 

 第1パターンでは、うまく気分転換なども入れないと、親だけが必死になってつぶれる子が多く、活性が落ち、どこかで全く伸びなくなるパターンがあるのに対し、このパターンの子は、比較的無理なく伸びていく印象です。(まあしんどいのは同じです)

 

 中には、2から3周どころか、5周くらいする家庭もありますが、5周もしないと上位に行けないようでは、筑駒や名だたる超名門校は厳しいと言わざるを得ません。

 大手塾の教材は、普通に1周すると、同じ問題に3回以上ぶつかるようにできています。理社は若干その回数が少ないですが、同じ問題を3回もやれば十分です。

 

 また、3回くらいで理解し、点数がとれるようにしておかないと、時間的にも厳しく、遊ぶ暇がなくなってしまいます。子供にとっては言うまでもないことですが、遊びも大事です。

 理解ができていないと、丸暗記をする方向に流れやすいのが関東の受験塾のよくないところでもありますので注意です。丸暗記が始まると、小6に入るころから夏にかけ、やがて点数はとれなくなります。

 

 隅から隅まで、をチェックいれながらやって、「1.5周」くらいして、テストに臨めば良いです。それでそこそこ(偏差値60)までは必ず行けます。超上位へは、小6の夏から狙うので良いです。

 

 やはり優秀であるひとつの条件は、授業+宿題の演習、これで大体マンスリー的な月1の復習テストで7割(サピなら6割)以上とれることです。

 

 この条件に行けない場合は、計算力や読解力など基本的な能力のほうに問題があります。まずはそちらを養成することを考えた方が良いでしょう。何事にも、物事には順番があることを知っておきましょう。

 無理やり塾の課題を隅から隅までさせると、寝るのが遅くなり、習得率もさがるし、なにより、勉強が嫌いになり、改善どころか悪化します。

 

 超上位を狙う上では、サピなどの教材を隅から隅まで、まずは1周できるかが大事です。隅から隅までやると、他の大手塾でも十分な学力が手に入ります。

 

 問題は、1週間以内にそれができるのか、ということでしょう。まあ、小4一杯までならできる子は多いと思います。その率は上位4割といったところでしょう。

 

 ただ、小5がはじまって1か月もすると、上位2割の子くらいしかとてもではないですが、全部はできないでしょう。遊ぶ時間もすべて削り、子供らしいことをすべて否定して修行僧のような生活に入れるならわかりませんが、それが本当に知能にプラスなのかは疑問です。

 

 

 毎週毎週を、与えられた教材、隅から隅までやっていれば、上位には必ずいます。ただ、これでは第1パターンをやり切った子には勝てないことも多いですが、小6の最終局面ではまあイーブンになっています。

 

 そして、このレベルのハイレベルかつ狭き門の学校の入試は、「あとは」と言えます。

 

 前述しましたが、この学力水準に到達した子が、500人以上はいるはずで、その子たちのバトルですから、ケアレスミスひとつで落ちることもあるし、当日の体調や、理社でたまたま知ってることが出た、などの運の要素が決め手になることも多いです。

 

 たいして、東大入試では、このような不健康な状態にはなりません。幅広くいろんな教科を勉強し、論述力がある程度の能力に達していれば、大学共通テストで少々失敗しても、ちゃんと受かります。落ちるのは、やはり能力不足です。

 

 ここまでくると、合格不合格は「縁」というほかなく、どうせ運で最後きまってしまうのであれば、「果報は寝て待て」というように、やり切るだけの努力をした後は、運命にお任せの心境で待てば良いと思います。

 仮にその第1志望がダメな場合も、必ず良いところには受かりますし、そこで頑張れば東大くらいには行けます。

 

 

・注意点

<親に反抗するような子はほぼいない。共闘姿勢ができていることが必須>

 ……さて、問題点は、お分かりになると思いますが、子供の成長段階がその要求に耐えられないほど幼い場合、つぶれるリスクがあります。

 下手をすると、勉強自体が嫌いになり、その後親子仲も悪くなり、親の言葉が届かなくなると、子供は大学受験への意識があまくなり、最終学歴にまで影響する可能性があります。

 

 親の側にも相当な覚悟と愛情が要り、並大抵のことではありません。その愛情力には敬服することが多いです。

 

 筑駒にいるような子で非常に目につくのは、「穏やか」で「調和的」な子が非常に多いことです。親と共闘関係にあり、親にあからさまに反抗したり、勉強するたびに喧嘩するような家庭は、まずありません。

 

 その理由としては、

・そもそも勉強の準備ができている、もしくは能力が基礎をクリアしているので、勉強そのもののしんどさが少ない

・勉強が好き、またはプラスのイメージがあるので、そこまで嫌ではない

 といったような、マイナス要素がなくなっていることです。

 

 コツとしては、親としてはすべてを完璧にしたいとは思いますが、まずは勉強を好きになってもらったり、嫌なイメージを減らすことが大事であるということです。ですから、いがみ合いになるくらいなら、親から一歩引けば良いです。低学年ではわからなくても、高学年になればわかることもあります。

 

 

<資質面の重要性>

 上位の子は、小5でも1日の勉強時間は2時間から3時間くらいで終わります。夜中まで勉強しているような子はまずいません。22時には寝ている子が多いです。つまり、上記のことをこなしながら、高い集中力とスピードを持ちます。勉強をはじめるまでのグダグダなども少ないです。

 また、朝の時間を有効に使っている子が本当に多いです。

 

 上記の方法が取れる子は、「資質的に」すぐわかります。まったくの別物なのです。素直さがあり、読解力が高く、宿題などのスピードもかなりの速さです。

 

 これは幼児教育をしっかりやればなれる、というものではありません。幼児教育をまったく熱心にやっていないご家庭のお子さんでもこのような子はいます。(むしろそちらのほうが多いような……)

 そういうものとは違う何か、だと僕は思っています。ひとつのヒントは、運動、食事、小さいながらの挫折経験、苦労なき天才はダメ。

 

 それがない場合は、普通に中学受験を頑張り、良い学校を目指せば良いと思います。

 無理やり上位合戦に参加するのはあまりおススメしません。そもそも、中学受験ではそこそこでも、中高で頑張れば東大や医学部なら受かります。

 

 大事なのは中高一貫の6年でも、持続的に努力を行うことであり、読書を継続して、「知恵」をつけていくことです。

 

 どうでしょうか? 「あいつは良いよな、生まれつき頭がよくて」とどこかのあの子を羨ましがるのは、見当違いであることが分かっていただけたのではないでしょうか。超上位の子は、間違いなくこのような努力をしています。尊敬こそすれ、一方的に羨ましがるのは失礼かもしれません。そこに気持ちを向けてみるのが、国語力の第一歩です。

 

 同じだけの努力をした人間だけが、本当に羨ましがることができると思います。

 

 今年も皆様によい縁が巡ってくることを祈願して。

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。

 

 

P.S. ご愛顧いただいている「スーパーコンサル」ですが、2月1日より、料金を1万円→1万2千円に致します。それだけの経験を積めた、というのと、あまりに数が多いのでやや絞りたい狙いです。1月にメールをいただいた方は旧値段で大丈夫です。よろしくお願いいたします。

 

おススメ読書タイトル100、問題集など https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12589194343.html

 

リブログ、リンク、引用等は基本自由です。もちろん、一報いただけると助かりますが、特におしらせいただかなくても大丈夫です。リブログしていただければ、「いいね」くらいはしに行きますw

 

スーパーコンサル2020、今年も受け付けております。究極の受験セカンドオピニオンを体験してみませんか。もちろん、2度目3度目の方も歓迎です。ご希望の方は、下記記事を参照の上、メールをください。(読んでない方が多いです。一度はぜひお読みください)

https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12446458308.html

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また、定期指導(月1または月2)をご希望の方は下記をご参照ください。(2021年現在、毎週の指導は厳しい状況です)

https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12514934840.html

 

足軽割引き(僕のバンドのライブに来てくれた方やバンド関係者の優遇)を行っています。一度でもライブに来ていただければ、誰でも関係者になれます(笑) 下記記事をご参照ください。

https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12528522329.html

 

 

<メールについて>

お問い合わせいただいたメールに返信はできていますでしょうか? 迷惑メールとして処理されてしまって届いていないということがたまにあります。僕はどんな内容でも、1週間の間に必ず返信は行いますので、1週間経ってもこない方はお手数ですがもう一度しっかりタイトルなどもいれて送っていただければと思います。問題集に載っているアドレスの方にだしていただいても構いません。

 

また、現在、かつてないほどの多忙につき、やや返信が遅れ気味になっております。同時に複数のメールをやり取りしている場合もありますので、返信が滞っている場合は、かまいませんので催促してください。

できれば相談内容などは400字程度でお願いいたします(厳密ではないですw)1件のメールに、1時間近くかけて返信することも多いので、そのあたりをご配慮ください。

また、アメブロのメッセージはあまり見ませんし、しばらくすると消えるので、返信はしません。

できればヤフーのメールでお願いいたします。

 

5年生以下(原則小4以上、それ以下はコンサルでお願いいたします。)や受験学年でない方のコンサルも受け付けております。また、遠方の方も交通費さえ頂ければどこにでもいきます。(九州や群馬、栃木、茨城、大阪、奈良、兵庫、京都などもありました)

 

<追記>

この度、僕がベース軍師として加入している戦国バトルメタルバンド『Allegiance Reign』の初MV@小田原城

是非ご覧になってください。僕は烏帽子かぶってるヤツです。

◆MV
https://youtu.be/tI4YvWd8sz0

 

また、初のフルアルバム『EiEiO』が発売となりました。ブログでお世話になってっし、応援してやるか、という方は是非お願いいたします。この売上で、今後の僕らの流れも変わりますm(__)m
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