◆猫組長『反逆せよ。愛国者たち』を読む(その2)
サブタイトル
→「暴力社会からの伝言」
★要旨
・戦争と地下経済がどれほど密接に連動しているかを知ってもらいたい。
当事者は、他ならぬアメリカだ。
・ベトナム戦争を経て、
第三国への直接介入に懲りたアメリカは、間接介入に切り替える。
そこで行われたのが、武器と麻薬の交換だった。
・この一件は「陰謀」でもなんでもない。
「イラン・コントラ・ゲート事件」として
世の中に暴露されている。
軍、マフィア、殺傷兵器、麻薬、黒い決済銀行など
「暗黒街の経済取引」がセットになった最適ケースである。
・「イラン・コントラ・ゲート事件」において、
利用されたメインバンクが、
国際商業信用銀行(BCCI)という金融機関である。
・麻薬と武器、そしてドルという3つの暴力経済の象徴が、
巨大なスケールで交換されたこの事件で利用された銀行が、
BCCIだ。
・BCCIは、武器と麻薬の取引によって生み出された、
巨額の「黒い金」の受け皿となり、
洗浄することで莫大な利益を上げることとなった。
・ロシアン・マフィアの超絶経済規模について。
・ロシアを支配している、3つの権力について考えたい。
第一の権力が、政治だ。
特殊部隊や秘密警察などを傘下にもつ諜報機関の、
「強大な暴力」の行使権が、政治権力を支えている。
・第二の権力が、オリガルヒ(新興財閥)だ。
ソ連の内部に蠢いていた官僚や諜報機関関係者が、
ソ連崩壊の混乱のなかで、資源エネルギー企業を二束三文で買い叩き、私有化した。
・そして第三の権力が、ロシアン・マフィアだ。
新興財閥と結託しながら、資源エネルギーなどを
世界で販売するロシアン・マフィアは「規律ある泥棒」と呼ばれる、
「黒いビジネスマン」である。
・ロシアン・マフィアが、
ウクライナ戦争で暗躍していることを実証しているのが、
ロシア軍の経戦能力だ。
開戦直後からの強力な経済制裁によって
ロシア軍の武器、弾薬はとっくに尽きているはずだった。
・ロシアンマフィアが「黒いロジスティクス」を構築して、
西側のウクライナへの供給量に対抗しようとしているのである。
・じつは日本の広域組織幹部と
兄弟分となっているロシアンマフィア幹部もいて
日本も取引先の一つになっている。
・地下経済を使った新たなサプライチェーン構造ができてしまうのが、
グローバリズム下の戦争だ。
・抑止力を最大限に発揮しなければならないのが、
台湾有事で最前線なってしまう日本だ。
「行使」を抑止するための戦争は、
もう始まっていると考えるべきだ。
・実際に日本の地下経済人たちは、
「戦争が始まる」ことを前提に動き始めている。
・防衛関連施設周辺の土地購入なども含めて
「Xデー」に対する準備は、
裏社会から始まっているのが現実だ。
★コメント
国際情勢を観察すると同時に、
地下経済もきちんとウォッチすることが求められる。