◆古野貢『オカルト武将・細川政元』を読み解く


★要旨


・細川政元をご存知だろうか。
室町幕府の実権を握った覇者でありながら、
「狐の妖術」や「空中飛行」の修行に没頭した、史上稀に見る権力者だ。


・彼は「明応の政変」で足利将軍を追放、
室町幕府の秩序を覆し、戦国時代の引き金を引いた人物でもある。


・ほかにも比叡山の焼き討ちなど、織田信長の先例になるような大胆な行動を次々に起こした。


・細川政元は
公武合体ともいえるような構想を準備して、新しい政治体制を作ろうとしていた。


・政元は、「明応の政変」において本来の将軍を追い払い、新しい将軍を立ててしまった。
これは、それまでの室町幕府におけるスタンダードな政治的あり方からすればかなり異質なものだった。


・このことは結果的には政元自身の首を絞めることにもなった。
そうした一連の動向を踏まえ、
政元は群雄割拠の戦国時代の幕を開けた重要人物であったということができる。


・政元以前も、将軍が追われたことに関する先例はあった。
最初の足利将軍である足利尊氏も京都を攻め取ったものの、のちに敗れ、追い払われて一度は九州に下っている。
また、六代将軍の義教は嘉吉の乱で赤松満祐に暗殺された。


・嘉吉の乱で義教を暗殺した赤松満祐は、
その後の政権構想をしっかりと考えていたとはいえない。


・対して政元は、新しい将軍を用意し、
つまりポスト応仁の乱の社会のあり方を
自分なりにデザインして形にしていこうとしていた政治家だったと思われる。


・政元は室町時代をガラッと変える新しいあり方を模索しており、
室町時代における最もゲームチェンジャー的な存在と言えるのではないか。


★コメント
室町時代に注目が集まりだしている。
先取りして研究したい。