◆マット・ポッティンジャー『煮えたぎる海峡』を読む。
サブタイトル
→「台湾防衛のための緊急提言」
マット・ポッティンジャーは、1973年生まれ。
ロイター通信やウォールストリートジャーナルの記者として、
中国に駐在。中国当局に拘束された経験あり。
その後、2007年に海兵隊に入隊。
イラクやアフガニスタンへの派遣を経験。
第一次トランプ政権で、
国家安全保障担当の大統領副補佐官を務めた、
という異色の経歴の持ち主。
★要旨
・中国が台湾を征服すれば、
地政学、貿易、核兵器の拡散、テクノロジーなどの
多方面に予期せぬ深刻な影響が及ぶ。
・台北の陥落は、ベトナムの南北統一以上に大きな意味を持つ。
・米国と同盟国は、
弾薬生産能力を早急に拡大しなければならない。
・中国が最初の攻撃に手間取れば
台湾が勝てるチャンスは広がる。
・台湾が目指すべきは、米軍ではない。
厳しい戦争に直面している国、
エストニア、フィンランド、ウクライナ、イスラエルを模範とすべき。
・複数の大陸で同時に起きている危機は、
米国とその同盟国を疲弊させ、
台湾への攻撃準備を整える余裕を中国に与えている。
・外交声明や公式声明も抑止策として重要だが、
台湾で地政学的悲劇を起こさないよう、
中国を説き伏せるカギは、
軍事的ハードパワーという
明白な形で強さを見せつけることにある。
・20世紀に冷戦を冷戦のまま終結させたのは、軍事力である。
・台湾併合によって中国は、
21世紀の最も戦略的な産業を支える半導体製造を牛耳ることになる。
・軍事的事故は、
戦争の口実の最もたるものであって、原因ではない。
・西側の外交官や記者は、
北京とのホットラインやコミュニケーションを増やすことが、
事故から戦争に突入するのを防ぐカギだと無条件に思い込んでいる。
・事故が戦争のきっかけになったとしても、
その原因はコミュニケーション不足ではない、
ということを彼らは分かっていない。
・実際のところは、まったく逆で
戦争が起きるのは北京が熟慮のうえで
今こそ、数十年間準備し、予行演習を重ねてきた戦争に
打って出るのに有利なタイミングだと、判断した時だ。
★コメント
東アジアが沸騰している。
準備を早めよう。