Nikon Z6を購入してから9か月ほど経ちました。
(ハロー、Z6!https://ameblo.jp/junwxyz/entry-12455965033.html )
この9か月の間に、バリ島と中央アジアの国々でバックパッカーを、
そして富山の立山で登山をする機会がありましたが、
これらの機会における撮影を通じて、Zマウントの完成度の高さを確信。
メイン機材として移行を決めました。
■ 作例集
まずはこの9か月で撮りだめた写真をレンズ別にアップしたいと思います。
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NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
Fマウントのレンズよりも随分軽量化されているのに加え、ズームで鏡筒が
伸びるなど、一見「24-70 f2.8らしくない、普通のレンズ」なのですが、
しっかり新生代Zマウント用の24-70mm f2.8にふさわしいスーパーレンズでした。
素晴らしい色のりです。
50mm開放。しっかりボケています。
ここまで全て50mm。開放ですが、解像感も素晴らしいです。
35mm。f4。ズーム全域で素晴らしい画質です。
70mm 開放にて。
同じく70mm開放。85mm単焦点で撮ったかのような画質です。
28mmにて。f8。なんとISO-1600、Z6の高感度画質、恐るべし。
24mmにて。Fマウント + 24-70mm f/2.8E VR EDと比べるとはるかに携帯性に優れるZマウント + 24-70mm f/2.8 S。
友人たちと遊びに行く時も持ち出しに躊躇はありません。
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NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
待望のZシリーズの広角ズームは、最高峰の画質でした。
APS-C用レンズのようなサイズのこのレンズ、とっても軽く、Z6との組み合わせは軽快そのもの。
これだけ軽いと山に旅にガンガン持ち出したくなります。
旅中もメインボディにずっとはめっぱなしにして、30mm付近でスナップを撮りながら、
超広角の世界を撮りまくりました。
ウズベキスタン、ヒヴァの夕陽。
キルギスのソンクルにて。ソフトフィルター併用。
F4でも、Z6の高感度耐性であれば十分に星は撮れます。
バリ島。14mmならではの広がりです。
同じくバリ島にて。C-PLフィルター兼用。
バリ島、ウルワツ寺院。これまではフレアが出ていたようなシチュエーションです。
登山の際は、Hakubaのホルスターで身体にくくりつけています。重量そのものもそうですが、
取り出し、そして持ち上げる負担も大きく減りました。
標高3,000m級の山にもふらっと日帰りしようという気になってしまいます。
24mm。
もし24-70 f2.8Sと二択なら、14-30 f4の24mmで撮るかと思います。素晴らしい解像感です。
薬師岳、標高2,926m。標高2,200mのベースキャンプにテントを張ってアタックザックとZ6のみで夜中から登頂開始。軽快でした。
メインのバックパックを背負って歩く時も常にハクバのストラップで身体に固定していますが、軽いので全く苦になりません。
20mm。
16mm。昔は16mmで充分と思っていましたが…
14mm。2mmの差は大きかったです。
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NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
現在キットレンズに設定されている 24-70 f/4。
「気軽なお出かけ用の便利ズーム」として見た場合、24-200、今後発売が予定されている24-105、24-50あたりと較べてしまうと「帯に短し襷に長し」という感じで、ややパンチにかけるかもしれません。
しかし、f/2.8程の明るさを求めない方の勝負レンズとして見た場合は、軽量高画質の素晴らしい一本といえるでしょう。
50mm。
スナップには充分過ぎないでしょうか。
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FTZアダプターにて、Fマウントレンズ
AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
Zマウントになってマクロにハマりなおしています。
D610やDfのAFでマクロは結構無理もあったのですが、AFの性能が大きく向上しており、中望遠の手持ちレンズとしての
ポテンシャルを最大限に引き出せるようになりました。
やはり旅のスナップ用に、一本は手持ち用中望遠が欲しいです。
Zマウント用のマクロの予定もあるようですが、しばらくはこの105mmで楽しみたいと思います。
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■ 項目別レビュー
恐らく一眼レフからミラーレスへの移行を躊躇されている方の多くは、「動体撮影」への懸念をお持ちではないかと思います。
確かに一眼レフ同等の早撃ちができる、とは言いません。
しかし、上の作例集でご覧いただいた通り、旅の人物スナップで全く不足を感じることはありませんでした。ということで旅人のメイン機材としては不足無しと判定します。
よりシビアなブライダルやスポーツで使おうとした場合にはどうなるのかというのはありますが、AF性能がずば抜けているのを見ると問題なさそうです。また、Zシリーズにはまだ一桁Dに相当するボディが出ていません。Zマウントにおけるブライダルやスポーツの評価は、そういったフラッグシップモデルの登場を待ってからの評価になるかと思います。
【起動から撮影までのリードタイム】
電源起動してから、ほぼ気にならないレベルのタイムラグを以て画面表示されます。
【EVFを覗き込んだ時のタイムラグ】
1マウント時代のもっさりした切り替えとは比較になりません。ほぼ気にならないレベルのタイムラグを以て切り替わります。
【バッテリー】
JEITA規格上、厳しめの条件で記載せざるを得ないため、カタログスペック的には一見一眼レフと比べると撮影可能枚数が異常に少なく見えますが、EVFで運用している分にはバッテリー不足が問題になった事はありません。
USB C経由で直接充電できるので、宿に帰る度に充電しましょう。
どうしても不安なら、一本予備バッテリーを忍ばせておくと良いかもしれません。尤も、三週間の中央アジアの旅ですら一度も予備バッテリーを使う機会がありませんでしたが。
【その他一眼レフと比較して明らかな優位点】
[露出]
一眼レフと違い、EVFを通じて、シャッターを切った際に保存されるホワイトバランスと露出、ピクチャーコントロールの結果を見ています。
従って露出でミスることがほぼゼロになりました。ホワイトバランスとピクチャーコントロールも然りです。
後で見返してRaw現像による補正が必要な写真が極めて少ないです。jpeg撮って出しでほぼ完結しています。
[オートフォーカス]
EVFで瞳オートフォーカスを使うことができます。人物スナップでピントに気を遣う時間が無くなりました。
もはや言い訳不能。後は構図と笑顔の引き出しに集中です。
また、画面の全面にAFエリアが散らばり、構図の自由度が増しました。D610やDf時代の貧弱かつ狭いAFでも撮影はそんなに問題なくこなしていましたが、これだけ散らばって楽に撮影していると、やはりD610とDf時代は体力でなんとかピント合わせの集中力を保っていたんだな…と思わされました。
[携行性]
当然ですがミラーの無い分軽くて小さいです。もう山岳用途にはミラーレス一択です。
■ 総評
一眼レフは一応ブライダルやスポーツなどに備えてD4Sを残したのと、
趣味性の強い(そして共にイギリス留学を過ごして思い入れの強い)Dfを残しましたが、
D800とD610は手放しました。
Zシステムの携行性の高さを知ってしまうと、ちょっと後戻りができなくなってしまいました。
Z6の高感度性能も素晴らしく、また色合いもD800/D610に較べると随分自然になりました。
もう一度Z6で今までの旅をやり直してみたい…なんて気にもなりました。
久々に旅と写真への高揚感を覚えさせてくれたZ、長く使って行きたいと思います。
■ 関連リンク
【バリ島の旅】
Z6と2本のZマウントズームレンズをバックパックに入れて、原チャでバリ島を回った10日間の旅。
バリ島 (7) - バトゥールから東海岸までを原チャで駆ける
【登山】
Z6と14-30 f4を買ってから、山熱が再燃しました。