中央アジア旅行記を久しく更新していませんが、この週末にテントを持って北アルプス・薬師岳に行ってきたのでそちらについて。
雲上の世界。
有峰林道という有料道路(1,900円)を通り、折立キャンプ場に向かいます。
有峰林道が開いている時間は6時~20時ということで、6時前には既に料金所前に車の列が。
料金所から更に40分程車を走らせます。
折立キャンプ場の横に登山口があります。
標高1,356m。ここから1,600m近く登ります…
登りは所謂「急登」。
背中にはテント・シュラフ類や撮影機材などで重くなったバックパック。
心臓が破れそうになります。しかも暑い。汗が噴き出ます。
更に悪いことに、しばらくは鬱蒼な森林の中を進むため、景色も無い。
まさに「修行」というような往路になりました。
しばらく運動していなかったのもあり体力が落ちていましたが、
経口補水液のパウダーを口に含み、ハイドレーションから水を吸い込んで流し込む、
ということを適宜繰り返し、なんとか登り切りました。
序盤。
少し開けてきた。
景色が出てきてからは、疲れも和らぎました。
昼前にテント場に到達。
この日はここで幕営し、翌日山頂を目指します。
端っこで他の誰も気にすることなくのんびりと。
食後はコーヒー。
昼食を食べてひと眠りした後、途中で通り過ぎた山小屋に戻ってビールを。
んでテントでもビール飲んでゆっくりと。
翌朝は2時起きで星を撮影した後に暗いうちに山頂を目指す予定だったので、この日は7時に就寝しました。
登りがきつくて疲れ切っていたので、しっかりと休んでおこうと。
しかし、10時に一旦目が覚めた時には、雨がテントを叩いていました。
「あー…降ってる…」
しかし、テントを包む雨の音は心地よく、しばらく聴き入っていました。
都会で過ごす日々が長くなるにつれ、このような自然の音に癒されるようになってきています。
気づいたら再び眠りに落ちていました。
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2時半。
2時になった携帯のアラームを一旦止めてもう30分、とした後に、テントの小窓を開けて外を見ると、星が見えています。
少し曇ってますが。
人里離れているのもあり、凄い量の星でした。
テント場が峡谷なのであまり見通しが良くなかったのと、高台に移動しようにも、この後日の出を目指してすぐに出発しなければならなかったのとで、そんなに良い場所で撮ることはできませんでしたが、この後、この星に包まれながら山道を登ることになります。
曇が惜しかった…
アタックザックに水とカメラと防寒具/雨具と非常食を詰め込み、左手にランタンを持って、キャンプ場を出発します。
真っ暗な中をランタンの光を頼りに進みます。
キャンプ場の脇の登山口から、しばらくは鬱蒼と木々に覆われた、階段のような急な沢を登ります。
軽装なので前日のようなつらさはありませんが、とにかく怖かったです。道間違えたらどうしよ、と思いながら、目を凝らして進みます。
30分位登ると、森林限界を突破し、岩山に出ました。
空を見上げてはっとします。星空が凄まじい。
少し立ち止まって空を眺めてから、再び歩き始めました。
星空に包まれながらのハイク - 幻想的な時間です。
しばらく歩くと薬師沢小屋に出ました。暗闇のガスの中の灯り。
そうガスっていたのです。ここから山頂まで、地図では1時間。心が折れそうになりました。
しかし、思い直して、山の天気は変わりやすく何があるかわからないので、行くだけ行ってみることにしました。日の出まで40分。駆け上がるように登ります。
ここからは写真で。
少し空が割れてきました。
雲が少なくなってきました。
タルチョがあればチベットみたい。
山頂にて - 太陽が登りました。
ガスの中の太陽
ということで山頂です。
雲海が凄まじい
太陽が昇り切ると、青空に。
素晴らしい景色。登って良かった。
テント場へ戻る道。
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テント場には往路の半分ほどの時間で戻ることができました。
疲れ切っていましたが明日は会社。少しでも早く陸に戻ろうと、休むことなくすぐに朝食をとってから、テントを畳んでテント場を後にしました。
そこからも素晴らしい景色の連続でした。
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素晴らしい景色でした。
地上のコロナの喧騒とが嘘のように静かな山上の世界。
楽園は雲の上に。
しかし、きつかった…二日で合計1,600m登りました。重い機材をしょって。
でも行って良かったです。これからは紅葉の季節。時間が許す限り登りたいと思います。