先日、ちょっと大きめの花火大会を見に行った。ほぼ真下から見る花火は、巨大で多彩で鮮やかで迫力満点、とても楽しかった。
ところでこの花火大会、かなり前に知り合いのちびっこを誘ったことがある。けれどその親から、「音に怯えちゃうのよね」と断られた。
確かに花火の大きさに比例するかの大爆発のようなすごい音の連発なので、ちびっこにも心臓の悪い大人にも良くなさそうだ。
その日も、隣に陣取っていたファミリーの幼児が、始まってすぐに泣き出した。すごく怖かったようで、知り合いのちびっこが怯えるというのも納得だった。
また、逆側にいたファミリー。花火が始まる前はパパとじゃれ合ったりですごく楽しそうだったのに、始まって10分もしないうちに飽きたみたいで。
「まだ終わらないの?」「もうお家へ帰りたい!」とぐずり出し、最初は「アイス食べたら我慢できる?」とか甘々にごまかそうとしていた親も、そのうち「一人で帰れば」とか怒っていた。
確かにね。
丸いの、細かく色合いが異なるの、方々へ飛び散るの、ナイアガラ的なもの。ある程度の年齢にならないと、そういった違いがわからず「素敵! すごい! 楽しい!」とならないのかも。
違いがわからないとすると、ず~っと「ひゅ~、どどど~ん」と爆音&何か光ってる、が続くだけ。
となると、花火大会は多分大体が1時間~2時間くらいだろうから、長すぎる。
ディズニーのようにお姫様が出てきたり、戦いで負けそうになっても大逆転したり、とかのドラマチックがあるわけでもない。アトラクションで体感系の「わーい」があるわけでもない。
私がその子らくらいの頃は、打ち上げ花火と言えば近所の広場でせいぜい5,6発が上がるくらいで、それも丸くて単色オンリーだったように思う。
だから大人になってからいろいろな花火大会に行って、その多彩さに驚いた。時代は変わったなあと感動したっけ。
けれど10分あるかないかの昔の花火も、それはそれで楽しかった。……昔も今も、もしかしたらそのくらいの時間しか子供の興味はもたないのかも。
いろいろな花火の違いの風味を味わうとか、爆音への耐性、長めの打ち上げ時間等を考えると、近年の花火大会は子供向けではないのかも、と、自分はすごく楽しかった花火大会を後にした。
(了)
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