一筆書き② | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

一筆書きできるかどうかの判別方法をマスターしたら、つぎに一筆書きする方法は何通りあるかという数え方(場合の数)までマスターしておきたいところです。

というのも一筆書きする方法は見た感じより実際は多いのがふつうで、書きなぞって数えようとすると数えもれを起しやすいためです(実際、今回取り上げた最後の問題になると1000通り弱あるのでなぞり書きではとても数えきれません)。

 

  その1(普連土2022算数)

 

次の図を一筆書きする方法は何通りありますか。

 

右矢印 つぎのように記号をつける。

アからスタートするとき、ア→イ→ウ→イ→ウ→エという書き順になる。

アからイ地点にくると道が3本に分かれているから最初のイ→ウが3通り、そのあとウ→イが2通り、2回めのイ→ウが1通りあるので(最後のウ→エは一本道なので)3×2×1=6通り

イからスタートするときも同じく6通りあるから、合計12通り

 

 

  その2(都市大等々力2019算数)

 

右の図を一筆書きでたどる方法は何通りありますか。

 

右矢印 つぎのように記号をつける。

Aからスタートするときを考えると、その書き順は

 A→(アかイ)→A→(イかア)→A→B→ウ→B

つまり

 A→A→A→B→B

となる。このとき

  1. 最初のA→Aが4本から1本を選ぶ選び方で4通り、2つめのA→Aが残り2本から1本を選ぶ選び方で2通りある。なのでA→A→Aで8通り
  2. そのあとA→Bは一本道だが、B地点で2つに分かれるからB→Bのところで2通り

だからAからスタートするとき 8×2=16通り

Bからスタートするときも同じく16通りあるから、合計32通り

 

 

  その3(浅野中2014)

 

点Xを出発点とし、点Yを到達点とする一筆書きについて、次の問いに答えなさい。
⑴[図3]において、点Xから点Yまですべての線をなぞって一筆書きする方法は何通りありますか。

 

右矢印 Xからスタートするとき、X→A→B→A→B→Yという書き順になる。

このときA地点にくると道が3本に分かれているから最初のA→Bが3通り、そのあとB→Aが2通り、2回めのA→Bが1通りあるので

 3×2×1=6通り

 

⑵[図4]において、点Xから点Yまですべての線をなぞって一筆書きする方法について、後の問いに答えなさい。

 

(あ) X→A→B→A→B→C→B→C→Y の順に一筆書きする方法は何通りありますか。
 

 
右差し  (あ)は2つの円を一つずつ順につぶしていく書き方で、このあと出てくる(い)は2つの円をいっしょに(半円ずつ)つぶしていく書き方。2つの円があるときはこの2パターンの書き方の和を考えないといけないことが示されています。
 
右矢印 Xを出た線はAで3つに分かれるからA→Bで3通り、Bで(戻る方向に)2つに分かれるからB→Aで2通り、A→Bは1通り。ここまでで3×2×1=6通り
 
Bにくるとまた3つに分かれるからB→Cは3通り、C→Bは2通り、B→Cは1通り。ここまでで同じく3×2×1=6通り
 
よって(最後のC→Yは一本道なので)
 6×6=36通り
 

(い) X→A→B→C→B→A→B→C→Yの順に一筆書きする方法は何通りありますか。

右矢印 Xを出た線はAで3つに分かれるからA→Bで3通り、Bで(進む方向に)3つに分かれるからB→Cで3通り、C→Bは2通り、B→Aも2通り、A→B(2回め)は1通り、B→C(2回め)も1通りだから(最後のC→Yは一本道なので)
 3×3×2×2×1×1=36通り

 

 

⑶ [図5]において、点Xから点Yまですべての線をなぞって一筆書きする方法は何通りありますか。

 

右矢印 小問⑵をヒントに

 ❶3つの円を前から1つずつつぶしていく

 ❷前1つと後ろ2つに分けてつぶしていく

 ❸前2つと後ろ1つに分けてつぶしていく

 ❹3ついっしょに(半円ずつ)つぶしていく

という4つのパターンを考えないといけないことがわかる。場合分けして考える。

 

❶X→A→B→A→B→C→B→C→D→C→D→Yの順のとき…216通り

A→Bが3通り、B→Aが2通り、A→B(2回め)が1通り、B→Cが3通り、C→Bが2通り、B→C(2回め)が1通り、C→Dが3通り、D→Cが2通り、C→D(2回め)が1通りあるから 3×2×1×3×2×1×3×2×1=216

 

❷X→A→B→A→B→C→D→C→B→C→D→Yの順のとき…216通り

A→Bが3通り、B→Aが2通り、A→B(2回め)が1通り、B→Cが3通り、C→Dが3通り、D→Cが2通り、C→Bが2通り、B→C(2回め)が1通り、C→D(2回め)が1通りあるから 3×2×1×3×3×2×2×1×1=216

 

❸X→A→B→C→B→A→B→C→D→C→D→Yの順のとき…216通り

A→Bが3通り、B→Cが3通り、C→Bが2通り、B→Aが2通り、A→B(2回め)が1通り、B→C(2回め)が1通り、C→Dが3通り、D→Cが2通り、C→D(2回め)が1通りあるから 3×3×2×2×1×1×3×2×1=216

 

❹X→A→B→C→D→C→B→A→B→C→D→Yの順のとき…216通り

A→Bが3通り、B→Cが3通り、C→Dが3通り、D→Cが2通り、C→Bが2通り、B→Aが2通り、A→B(2回め)が1通り、B→C(2回め)が1通り、C→D(2回め)が1通りあるから 3×3×3×2×2×2×1×1××1=216

 

以上の4パターンの合計で 864通り 完了