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……さて。

今日は、おそらく演技のお悩み "No.1" であろうテーマ、「セリフが自然じゃない!!」というお話に触れてみたいと思います。

 

これは、前回記事の「演技の際の意識が『自分側』にあるか『相手側』にあるかで変わる」ということにも関連するお話です。👇

 

 

 

……そうなんです。

結局、セリフが不自然になってしまう原因は、「相手」なんです。

 

▶︎相手から影響を受けているか?

▶︎相手に働きかけて、相手の行動を変えようとしているか?

 

これに尽きます!!

(ちなみに、相手がいない「モノローグ」についてはまた別の機会にお話ししますね)

 

言い換えれば……

 

▶︎影響を受ける=リアクション

▶︎そこから、相手に働きかける=アクション

 

「リアクション→アクション」。

この「アクション」が、自分から相手に向かって「言葉が発せられる」ことであり、それが「セリフ」ですね。

 

セリフは、アクション。

つまり、セリフもまた「行動」なのです(これを「言語行動」といいます)。

まず、ここを押さえておいてください。

 

 

たとえば、学校で、先生が生徒に質問をした時を想像してみてください。

 

 

先生「(黒板に、何か問題を書き)……はい、誰かこれ、わかる人〜?」

 

……クラスがシ〜ンと静まりかえる。

と、一人の生徒が手を挙げる。

 

生徒「はい!」

 

 

 

 

この場面での、生徒の分かりやすい行動は「手を挙げる」ことですね?

この行動には、「相手」に対しての働きかけ、目的が存在しています。

生徒は、手を挙げることで、先生に「気づいてほしい、自分を指名してほしい」と思っているわけです。

 

これは、相手(先生)がいてこその行動ですね。

誰もいない個室で一人、その問題に取り組んでいたら、この生徒は手を挙げてはいなかったでしょう。

それは、その必要がないからです。

 

こうした「手を挙げる」といった行動は、「身体行動」ですね。

 

セリフも、これと同じように、「言語行動」というもので成り立っています。

 

 

先ほどの台本。

生徒は「挙手」という身体行動とともに、「はい!」という言葉を発しています。

「先生に気づいてほしい、自分を指名してほしい」がために生じた "言語行動" です。

 

 

▲「はい、先生!」

 

 

こうした行動を、細かく分析すると……

 

生徒は、問題が解けた。

すると、「問題が解けたことを伝えたい」という欲求が湧き、すると同時に、「それを知ってもらえていない」という欠乏感、不快感が生徒の心の中に生まれます。

その結果、生徒は「はい!」という言語行動と「挙手」という身体行動を使って、先生に自分を指名してもらおうとします。

それで答えられれば、今自分が抱いている欠乏感や不快感が消え去るからです。

 

人間は、こうした潜在的な感覚と思考回路の中で、行動を起こしています。

そう考えると、言葉や行動の一つ一つが「相手」にしっかりかかっていなくては意味がないと理解できますね。

 

 

▲意識はしていなくとも、裏側ではこうした思考回路が働いていると考えられますね。

 

 

さてさて、今日の本題。

「セリフが不自然」という悩みのほとんどが、セリフが「言語行動」として機能していない場合です。

 

セリフが相手にかかっていない。

ただ自分の心情を大袈裟に吐露するだけ。

 

それっぽい「ニュアンス」を付けて喋っているけれど、相手が不在になっていると、そうしたニュアンスがすっごく「臭くて気持ち悪く」聞こえるんですね。

 

ニュアンスは、相手への働きかけ(行動)の一環として生まれてくるものです。

俳優があれこれ、ただ自分の中だけで「言い方」をいじったり、ただ感情を垂れ流すものではありません。

 

 

相手に対して、きちんと「行動」できている時。

セリフ(言語)も、身体も、自然なものになっていきます。

 

いくら「自然っぽく」喋っても、相手を対象とした行動になっていなければ、それはどこか「不自然」に聞こえます。

逆に、シェイクスピアのセリフであっても、きちんと相手に対する行動が伴っていれば、それはとても「自然」なものになります。

 

 

セリフの上達には、発声や滑舌の練習も有効でしょう。

しかし、それだけでは、セリフは上手くなりません。

 

重要なのは、セリフが「言語行動」として成立しているか?

相手という対象に向かっているか?

 

演技の訓練は、家だけでなく、スタジオで相手役と行うのには、それなりの理由があるのです。

「相手」を前にして、自分が演技の中で「本当に行動」することを学ばなければ、上達できないからです。

 

 

ちなみに、個人的な見解ですが。

発声や滑舌は、「演技」の面から言えば、あくまでも「補助」でしかないと思います。

発声が悪ければ、言語行動の「パワー」が失われます。

滑舌が悪ければ、言語行動の「精度」が失われます。

発声、滑舌が悪いということは、言語行動が制約されてしまうのです。

 

表現力とは、パワフルであり、繊細、精密、そして自由であることを言います。

それには、どれだけ雑音がなく、高純度であるか、ということが問われます。

 

発声、滑舌が鍛え抜かれた人の言葉が持つ純度は、限りなく高いわけで。

相手への純度が高いほど、相手への働きかけもパワフルかつ繊細、自由で。

それが観客を夢中にさせる。

 

決して「発声、滑舌は大切ではない」という意味ではありません。

しかし、とても多くの人が、セリフを「発声、滑舌」だけに頼ってしまっていて。

それで、「なぜ演出家からNGが出続けるんだろう?」と悩んでいます。

それは、肝心な「相手に対しての行動」を忘れてしまっているんですね……。

 

 

……というわけで。

今日は、「相手」との会話ということを前提に話を進めてきました。

 

演技には他にも、モノローグ(一人台詞)があったり、あるいは声優さんなどは「演技の時に相手が目の前にいない」という場合もあるでしょう。

そうしたことは、またの機会にお話できればと思います。

 

 

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