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4月〜6月期がスタートしています!!
今期も、たくさんの方々が受講してくださっています😊
ありがとうございます!!
今期は「ベーシック」「会話」「身体」の3クラス体制。
さてさて。
今日の記事では、現在「会話クラス」で実施している面白いワークについてご紹介しようと思います。
一見、「何やってんの?」って、ちょっとヘンテコに見えるエクササイズですが。
俳優の基礎を手に入れるためのツールとして、効果は絶大!
そして、何より楽しいんです!!
ぜひ、みなさんの演技の練習にもお役立てくださいね!!
楽譜を渡して「はい、弾いて」!?
日本で行われている演技トレーニングにおいて、現在、大きな問題だと思うことに、「いきなり台本を使った演技をやる」ということがあります。
もちろん、全部が全部の教育機関がそうだというわけではありませんけども。
初めて演技をやる人でも、基礎訓練などほとんどやらずに、いきなり台本を渡されたりする。
それで、その演技に対して講師が「できてない!」と言う……。
これ。
日本の俳優教育のシステムの都合で、どうしようもない部分もあるようなのですが。
(早くデビューさせないといけないから基礎訓練をやっている時間がない、など)
個人的には、これは非常〜に深刻な問題だと感じています。
考えてみてください。
ピアニストになろうと思って勉強しに行ったら、いきなり楽譜を渡されて、「はい、弾いて」と言われる。
台本の読み方も弾き方も教えてもらっていない中で、でも言われたから頑張って弾こうとする。
そうすると、「違う!」とダメ出しされる……。
ど、どうすりゃいいんだ……!?
本当に、こんなワケのわからない話はありませんね。
ところが。
いまだにそれが、日本の演技教育の現状だったりするんです。
とにかく。
シーンを演じたいなら、その「前段階」となる基礎をきちんとトレーニングすることが必要だということを、決して忘れないでください。
「椅子劇場」のはじまり〜!
さて。
今日はちょっと面白い基礎練習の方法をご紹介します。
それは、「パイプ椅子を使ったエチュード」。
現在、僕の3ヶ月ワークショップの「会話クラス」で実施している内容なんですけども。
俳優たちから「面白かった〜!」「いろんな発見があって、役に立った!」と、すごく好評なんですね。
これを行うことによって、台本を演じるためにとっても大切なことを知れるのです。
では早速、やり方をご説明していきましょう。
<やり方>
まず、2脚のパイプ椅子を用意します。
2人でペアになり、その2人でシーンを演じていただくのですが。
本人が役として演じるのではなく、パイプ椅子を使って、人形劇のように演じていただきます。
つまり、いま舞台上にいるのは「椅子をもった2人の俳優」で。
それぞれ「椅子」を使ってキャラクターを演じるので、役の後ろに俳優がいる状態になるわけですね。
ここに、設定を付与します。
今回は、
「お互い、好きなのに言い出せない」
という設定にしましょう。
その演技を、俳優たちは椅子を使って、即興で演技をするというわけです。
ただし、注意点として。
セリフを使わず、無言劇でやってみてください。
それと、大人数がいるのであれば、2人が演じているのを他の人は観察すると良いでしょう。
(4人グループなどで分かれるとやりやすいです)
終わった後に、演じている側と見ている側の双方から、感想や意見交換をすることができます。
では、やってみましょう〜!!
(所要時間:3分)
椅子が、近づいたり、離れたり……
そっぽを向かれたり……
時には、浮かんだりするかもしれません(笑)
終了〜👏
……いかがでしたか?
実際やってみると、めちゃくちゃ楽しいですよね!!
椅子を動かしている俳優たちは、気がつけば、人形劇の人形使いになった気分で夢中になれていたでしょう?
そして、見ている側は。
演じているのは椅子だし、セリフもないのに、なぜかそこに物語を見つけたり、役(椅子)のキモチに共感したりして。
時には、ちょっとハラハラドキドキしたり、キュンとしたりするかもしれません。
どうやって「好きだ」と伝えるという課題を遂行するのか。
互いの「関係」が、観察している側(観客)にとって最も興味のあることだったと思います。
つまり、舞台上には「役同士の関係」があり。
観客はそれを見て、楽しんでいたんですね。
「4つの関係」が見えてくる!!
このワークが面白いのは、演劇における「関係」の構図が可視化できる点です。
上述した通り、まずは「役同士の関係」。
この場合は、椅子同士の関係ですね。
俳優は、役と役の関係を表現しようとして椅子を動かし。
観客は、そこからいろんな物語や感情を想像しました。
また。
「俳優と役との関係」もありますね?
通常、演技をしている時は、俳優自身が役を演じているので、その双方の関係はなかなか見えません。
ですが、椅子を使うと、俳優自身もその後ろに見えていますから、俳優と椅子が互いにどんなふうに影響しあって動いていたかが見てわかります。
▲俳優と役との関係が見えるので、とっても分かりやすい!!
俳優も、椅子を「動かす」という作業を通して、役との関係を感覚的に理解しやすいです。
役(椅子)を動かそうとすると、俳優が動く。
役(椅子)が動かされると、俳優も動かされる。
俳優と椅子は、その「相互関係」の上に成り立っています。
それから、椅子の演技を実際にやってみると。
椅子は人間ではありませんから、想像の動きもしてくれますね。
なんなら、空を飛んだりすることもできます。
椅子だと、人間がやらない動きもやることができる。
想像力を刺激する。
これは、俳優にとって非常に大切なことです。
しかも、椅子だとなぜか、そうした想像の世界が見ていてもリアルに感じられるんですよね。
近づいたり、離れたり。
向かい合ったり、そっぽを向いたり。
そうした舞台上の「関係」を見ている観客の中に、想像の花が咲き。
思わずハラハラドキドキしてしまったり、自分の中に物語を見つける。
つまり。
ここには舞台と「観客との関係」というのもあります。
観客は、舞台を見て、自由に想像力を働かせますし。
俳優も少なからず観客からの影響は受けていますから、そこには1つの「関係」があると言えるでしょう。
さらに、もちろん俳優同士でもコミュニケーションを取っていますね。
舞台上で、そうしたコミュニケーションは必ず発生します。
「俳優同士の関係」。
相手を無視した独りよがりの演技に陥らないためにも、必要なことですね。
このように、4方向の関係が可視化され、それらを意識的に捉えることができるようになるのが、この人形劇ならぬ「椅子劇」の非常に優れたところです。
「関係」のあり方を理解する
「好きだから言えない」ということを椅子だけで、しかも無言で演じようとすると、観客からはいろんな感想が出てきます。
俳優が意図した感想でないことがほとんどでしょう。
これは、観客が見ていたのは俳優の演技の「答え」ではなく、キャラクター同士の「関係」を見ているからなんですね。
……もし、演技の「答え」が大事なら、こんなことが起こります。
俳優の演技は、瞬間を生きるよりも、「観客に正しく伝わるか?」に重点が置かれます。
与えられた設定が正しく観客に伝わるか?
自分の演技の意図をちゃんと理解してもらえるか?
その結果。
俳優は、ステレオタイプな「説明演技」に陥っていく。
それは、相手役との関係など介在しない、独りよがりの演技です。
独りよがりの演技とは、相手役が誰であろうと……なんなら、相手がいない状態でも演じられるものです。
お家で、一人でやっても同じ演技ができるものです。
それでは、役を生きるリアルな演技とはとても言えませんね。
あらためて。
俳優と観客との関係は、正解を伝えることではありませんし。
そもそも観客の想像は、俳優がコントロールできるものではありません。
それを操作しようとするから、説明的でステレオタイプな演技に陥ってしまう。
独りよがりになってしまうのです。
観客は、舞台上の「関係」を見ているのですから。
俳優たちは何かを説明しようとするのではなく、そこに存在し、キャラクター同士の関係作りに集中すれば良いのです。
そのためにも。
相手役をしっかり見て、聞いて、影響し合うという、俳優としての基礎トレーニングが必要なんです。
相手からの「影響」を受けると。
相手に「動かされる」状態が起こります。
役は通常、相手を「動かす」こと(目的)によって幸せをつかもうとしているんですけれど。
その通りにはいかず、相手に「動かされ」てしまう。
相手に「好きだ」と伝えて、ずっと一緒にいること(=目的)。
それが達成されれば、幸せになれる。
今のままではなく、相手が関係を変えてくれれば(=相手を動かせれば)、私は幸せになれるのに。
相手はどこかつれない素振りを見せてくる。
私は、なかなか「好きだ」と言い出せない。
相手に「動かされ」てしまう……。
どうすればいいの……!?
さぁ、この瞬間。
いよいよ、演技にとって一番大切な「葛藤」が手に入るのです!!
まとめ
……いかがでしたか?
演技をするということには、こうした「4つの関係」が備わっていて。
素晴らしい作品では、これら4つがとても良いバランスで成り立っているものです。
時には、こうした「関係」という視点から、演技を考えてみてください。
自由に遊べる稽古場をお持ちの方は、ぜひ、椅子を使ったエチュードもやってみてくださいね。
めちゃくちゃ楽しいですし、「関係」について、身体を通した「体験」で理解することができますよ!!
今回のエクササイズに関する参考文献は、こちら!!👇
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