本日は、広島中・高の公開研究会に参加しました。

「参加してよかった!」と心から思う高校英語授業でした。

授業者はN先生で,
山口県から2年計画で広島に来られたということが、
授業後の自己紹介でわかりました。

さすが県外交流人事(?)の対象になる先生だ、と思うほど、
よい授業でした。

これを良い機に、これからもいろいろ教えていただきたいと思い、
授業後に、少しお話をさせていただきました。

すると思った通り、アンテナが高く、それでいてていねいで、
力をお持ちの先生だとわかりました。
(個人的にも、すごく波長が合いそうな先生だと思いました)。

これからもぜひ交流を続けさせてください。

では、研究会の話に戻ります。

広島中・高の教科テーマは,「4技能の統合的かつ総合的な育成」で、
本時の授業は,「本文内容を理解し,その内容を絵を見て英語で言う(Reproduction)」でした。
ねらいが達成された授業でした。

今日の授業から学んだことを
3点に凝縮してここでご報告します。


(1) 「高校授業でここまで英語で表現できる」という,「トップイメージ」が持てる授業

N先生の授業はほとんど英語で進められ,
生徒が話す言葉もほとんど英語。

それでいて教室は活気に満ちあふれている。

これまでの「高校教科書は難しいから理解で手一杯」というイメージが
今日の具体で吹き飛んだ。(工夫すれば,理解で終わらず,英語を使って話すことができる)


(2)生徒が集中して活動する「綿密な仕組み」に支えられた授業

生徒がものすごく活動に集中している。これはなぜかと思って授業を観察した。

分かったのは,すべてに必要性がある仕掛けをされていたこと。
例えば、次のようなこと。

例)音読の後にReproductionがある。
 (音読が目的でなく,「言うために読む」状態になっている。)

例)ペアワークの後には,個人指名がある。
 (だから,いつ当たってもいいように練習する)

例)予習の「解答プリント」が短時間で回収される。
 (だから集中して添削し,予習チェックが速い)


(3)トレーニング一辺倒でなく,「生徒の心に訴える」場面がある「心に残る」授業

授業の最後には,先生からの発問などを通して,
生徒が「シーン」となる場面があった。自分の心にも響いた。

その後,What did you learn today?という先生からの質問に、
生徒が即興で答える時間があった。

これは、まさに本時の「即興reproduction」だと思った。

その場で本時の内容を英語でまとめ,
先生との英語でQAをするという,見事な即興の英語使用場面だった。


よい研修を受けた後は、
学校への還元計画やAction Planを考えることが大切です。
これが、研修成果を生かすことにつながるからです。

私が、今日の授業を受けて、「本校への還元計画」として考えたことは、
次の3つです。


(1)授業参観で学んだ点を本紙にまとめて英語科で回覧し,情報の還元を図る。

(2)本時の授業から,自分の授業に活かせるのは,次の通り。これを明日から実施する。
 ①授業づくりの基本的考えを改める。「理解」で終わらず,「表現」までを目指す。

 ②そのために,現在の授業で「理解」に割いている時間を節約する。次のことを実施する。
□本文プリントの解説時間を短くする。  
□英語による発問を増やす。
□単語チェックの時間を短縮する。    
□音読させる部分を絞り,読み込ませる。
□短時間で集中して行うことに慣れさせる。

(3)力をつけるためには,授業者がこだわって「鍛える」場面も必要。

これまでは,どうしても「楽しくて力のつく授業」を求めていた部分があり,
授業後に生徒から「疲れた~」という声を聴きたくないという思いがあった。

しかし,楽して技能を習得できる道はない。
生徒が「やりたい」と思う工夫を取り入れながらも,
妥協せず「鍛えるところは鍛える」という意識を持つ。

(4)しかし,訓練だけでは楽しくないので,知的な学びの場面,心に残る場面を創る。



まとめです。

気づきの(1)に書いた通り,
「授業のトップイメージ」を持つことができた授業で,
今後の授業づくりに大いに参考になる授業でした。

今後もぜひ交流して,学ばせていただきたい先生です。

研究会自体に参考になる点もいくつかありました。
本校でも取り入れられたらよいと思います。

1つめは、先生や生徒の授業での様子について。

生徒の笑い声や先生の笑顔がどの授業でも出ていた。
参観に慣れている部分もあると思うが,
「いつでも平常心で楽しく」授業をされているのは素晴らしいと思った。

2つめは、指導案について。

指導案が両面で1枚など,簡素化されていた部分もあり,
ポイントを絞って指導案を短時間で読むことができた。

詳細な指導案を年に数回は書く必要性があることは十分理解しているが、
ある程度簡素化した指導案というオプションも有効だと思う。

指導案を作成した後に、本当の授業準備が始まるから。
そこに時間をまわすことができる。多忙化した現場では有効な知恵かと思う。


以上、今日のまとめを終わります。
学び多き一日でした。

これから、本日締め切りの原稿をがんばります。